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【10字以内自由律】春のしたたり

春のしたたり

10字以内の自由律です。「山頭火に遊ぶ-短く、そして鋭く」で山頭火やその他先人の俳句を10字以内にするとどうなるか、という遊びをやりました。そのときのものを再掲します。

   ぬかるみの赤椿    (11音)
   咲いて落ちて椿     (9音)
   一面に落椿       (9音)
   椿いちりんの夜     (11音)
   水落ちて花椿      (9音)
   闇椿井戸に落つ     (11音)
   たばしる水に椿     (10音)
   歩いても無駄な身     (9音)
   まっすぐな道にひとり(11音)      ※促音でオーバー <(_ _)>
   夕焼けと飲んでいる    (10音)      ※「ゆやけ」と読んでください。          死ぬる身に春風          (10音)
      蝶死んでうらうら     (9音)   
   刑務所にも桜             (9音)
   咲く所が墓場             (9音)  
      沈黙に潮満ちる         (10音)
   葱坊主に海風             (10音)
   通り雨あの雲か          (10音)
   橋ごとに蛍                  (8音)
   春 ボタ山ばかり       (9音)
   どこまでも青い山       (10音)
   鳥消えて空の果て        (10音)
   しぐれるわたしと山    (10音)

今回は「したたる(滴る))」をテーマに詠んでみました。
「したたる」は言霊を感じさせる動詞です。いろんなものをしたたらせたくなります。

ダリの「記憶の固執」という絵をご存知でしょうか。あそこには時計がしたたっています。「滴る時計」で8音です。

「したたる」一語でいろんなものが液状化できますが、「5音」奪っちゃいますから、あと5音しか残りません。そこがしんどい悦びです。

10字以内の自由律を勝手に「先鋭句」と名前付けたんですけど、いまいちです。ですから普通に10字以内自由律としました。

10字以内自由律の効用は次の3つです。

  ①普通の句をつくるのが楽になる
  ②マゾヒスティックな悦びを味わうことができる
  ③暇つぶしになる

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