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薄楽カフェ

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ぼくのいいなあと思った記事や作品を集めています。
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#現代詩

水仙のうた

病院手前の 橋の上で父の車と すれ違った クラクションを 鳴らして降りて きた父は  今夜の…

風夏鈴
3か月前
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二つの塔

頑丈な鉄骨で構築された四角柱の塔が立っている。錆びた梁が上から下までを六つの立方格子に区…

Foliage Poet
1年前
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【詩の森】二つの積極的平和

二つの積極的平和 平和学の創始者 ヨハン・ガルトゥング博士は 積極的平和を唱えられた 博士…

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詩「スクール・アフタータイム」

告白が始まる 「藤田のテストを隠したのは私です」 「自動販売機で毎日コーラを買っています…

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【詩の森】共育-共に育つ

共育-共に育つ ハングルへの旅という エッセイのなかで 詩人の茨木のり子さんが コンブとい…

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【詩】職員室

あの子のお母さんは フィリピンの人だった 日本語がほとんどできない でも 三者面談に 仕事を…

高山京子
1年前
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【詩】珈琲時間

珈琲を煎れる うちのマシンは豆を挽いて ペーパーでドリップするタイプだ 幾分深煎りのロイヤルスイート ブラジルとコロンビアのブレンドだ 適度な苦味と強いアロマ 実のところ、酸味が苦手なのだ モーターの回転で 艶のある豆を粉砕し そのままドリッパーに落とし込んで すかさず、沸いたお湯のしずくを ドームの屋根から滴らせる 降り積もった砂地に染み込んで やがて、細いドレンから ガラスの器に溢れ出す 煮えたぎる褐色の五月雨 しぶきがもたらすカタストロフ 滝となって浸してゆく ただよ

【詩の森】いっそ人生300年

いっそ人生300年 若いころは未来を思い 老いてからは より多く過去を思うのは いわば自然…

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詩「キャンパス・キャンパス」

最後までそれは コーヒーの陰に隠れてたんだ ふりつもるばかりの夕暮れ 舞う塵に親しむ栞 霜が…

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大岡信「地名論」

大岡信 「地名論」  大岡信さんは岩波新書「折々の詩」であまりに有名で、詩人としてもかつ…

【詩の森】戦争の足音

戦争の足音―重要土地調査規制法に寄せて(とても長いです) かつて 要塞地帯法という 厳め…

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