世代間格差
「世代間格差」ー人口減少社会を問い直す(加藤 久和 著 ちくま新書)を読んで。
その人が生まれた世代によって、こんなにも経済的格差がでるのか!と改めて知った。
人は、「生まれる時代」を選べない。
(「就職氷河期」「リーマンショック」「災害」「コロナ禍」・・・。)
今の社会を支える人々のことを考えてこの本を手に取った。
私たち(高齢者)に何ができるか、と言うことだ。
「いかに、世代間格差を是正するか。」を考えることは、日本経済、100年後の社会保障、少子化対策、本当にさまざまなことと関連しているのだ、と知った。
あらためて、「日本」という国の、「高齢者を大切にする」仕組みも見えた気がする。が、それによって、どれだけの若者、あるいは、これから生まれてくる少ない人数の子どもたちに負担がかかるのか、という驚くべき現実を考えざるを得ない。
根本的な、日本の「雇用システム」の改善や税制改革など、およそ個々人にできることなどない、と悲観的になってしまう。
いや、よく考えると、そうでもない。
個人としては、まずは働くこと(何歳になっても可能であれば、受益のみの人にならないということ。どんな仕事でもいいから、無理のない範囲で。)
そして、なるべく「医療費」を増やさないで、自分の健康を守ること。(「生涯医療費」ほぼ半分を占めている70歳以上・問題は「医療費の負担の仕方と受診行動のあり方」)
私にできることなど微々たるものだが、たまたま関わっている日本語教育は、移民政策に関連しているかもしれない。少子化是正のためにも、日本が好きな外国人が日本語でスムーズにコミュニケーションを取れるようになれば、日本で働く人の手助けになるかもしれない。
高齢になることも病気になってしまうことも本人の望んだことではない。
無理は禁物だが、ちょっとでもできる仕事があれば、やった方が楽しいと思う。(私はたまたま運が良かっただけなのだが)
私のような高齢者でも、今の若者たち、そしてこれから生まれてくる子どもたちのために、すこしでも豊かな生活が送れるよう、何か協力できるんじゃないか、と思うに至ったのである。
この本のおかげで、とても元気が出た。