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油断は禁物?!SNSに潜む炎上リスク

「火の用〜心!マッチ一本火事の元〜!」
そんな声も聞こえてくる(?)冬になりましたね。

でも、今回は火事ではなく「SNSの炎上」のハナシ。
マッチ一本ならぬ、投稿一本で大炎上…にならないために知っておいた方がいいお話です。

こんにちは。SNSディレクターの小川です。

前回は「バズよりも好意形成を狙うSNSマーケティング」と題して、企業などがSNSを活用してコミュニケーションをするにあたっての狙いどころなどを書いてみました。
https://note.com/hakuhodoproducts/n/ncb3fffa9571c

今回はかなり話題が変わりますが、SNSでは決して無視できないことでもあるので、ちょっと話してみたいなと思います。

炎上は日々起きている

ここでいきなりですが、みなさんは「炎上」したことありますか?

さすがに、「はい」と答える方は少ないと思いますが、「炎上」自体はそれなりの規模のものがほぼ毎日どこかで起きていると言ってもいいでしょう。
みなさんもSNSを頻繁に見ていなくても、ネットニュースになっているのを見かけたという人は多いかと思います。

多くは芸能人やYouTuber、政治家、アスリートなど「著名な個人」であることが多いのですが、企業公式アカウントもやはり過去に炎上しているケースはいくつもあり、これがSNSマーケティングをする上での大きな「リスク」になっています。

なぜ「炎上」するのか?

炎上はまさにネット文化、SNS文化が広げた現象です。
テレビや新聞など、不特定多数の人に一方向的に情報を届ける「マスメディア」がメインの時代では炎上は起こりにくかったのですが、誰でも情報を発信できる掲示板、ブログ、そして拡散性の高いSNSが普及したことで、炎上は一気に発生件数が増えました。

一般的に、炎上は下記のような構造になっていることが多いです。

炎上のほとんどの「火種」は1人の些細な投稿に過ぎません。
それがネズミ算式にに拡散され、話に悪い尾ひれ(デマや過去の不祥事など)がついてしまう「悪のスパイラル」に陥ってしまうのです。そうなったら最後、なかなか火消しはできません。

「拡散」という点ではメディアによっても差があります。InstagramとTwitterを比較すると、ボタンひとつで簡単に拡散できてしまう「リツイート」機能のあるTwitterの方が炎上しやすいことは言うまでもありません。
(ただし、Instagramであってもキャプチャを撮られてそれがTwitterで炎上…なんてこともあるので油断できません。)

大前提は「自ら火種を作らない」こと

炎上は投稿が火種となって、そこに対して誰かが「ツッコミ」を入れることから始まります。
漫才のように笑って盛り上がれるような「ポジティブなツッコミ」ならいいですが、反感を買ってしまうようなネタだと、「ネガティブなツッコミ」を入れられて、それが拡散され、炎上に至ります。

なので、炎上しないためにまず気をつけなければならないのはズバリ、「ツッコまれるような火種を自ら作らない」ことです。
簡単に言えば「SNS上での発言には気をつけましょう」ということなんですが、具体的には「SNSで炎上しやすいネタ」というのが存在します。
特に下記のようなテーマに触れる場合は要注意です。

テーマによっては絶対に触れてはいけないわけではないですが、これらのテーマはツッコミを入れられたり、論争の素になったりしがちです。

自分が「大丈夫だろう」と思っても、SNS上の「不特定多数の誰か」はコントロール不可能です。日々、投稿の隅々まで粗探しをしている人もいるのです。

これらのテーマに1ミリでも触れるときは、「こんなツッコミ入れられないかな?」「不快感や不公平感を感じる人はいないかな?」と立ち止まって想像してみることも大事です。

さらに第三者に客観的にチェックしてもらうのも非常に有効です。

思わぬ「落とし穴」に注意

「SNSで炎上しやすいネタ」をみて「この話題に触れるようなネタは投稿しないな…」と思った方もいるでしょう。
しかし、だからといって安心できるわけではありません。
ちょっと前に起きた炎上騒動を例に説明します。

10月11日、Twitterなどで「今日は国際カミングアウトデー」というような感じで「今日はなんの日?」というノリで投稿されたものが炎上してしまう「事件」がありました。
炎上してしまった投稿は「カミングアウト」をその字面通り、「秘密を明かす」、「今まで人が知らなかったことを教える」といった捉え方でカジュアルにネタを作っていました。
しかし、実は「国際カミングアウトデー」と言うのは「性的マイノリティの認知向上と尊厳の獲得のために設けられた記念日」のことで、「当事者が自身のセクシュアリティをカミングアウトすることを賞賛し、支援する」のが本来の意義です。それ以外の意味で軽いノリで触れていい日ではなかったのです…。案の定、「ネガティブなツッコミ」が多数入って炎上してしまいました。

この件に関して、私はいつか起きるのでは…と思っていました。
なぜかというと、SNSでは頻繁に情報発信をすることがメディア特性的にも理想と言われていて、SNS担当者は日々そのネタ探しに四苦八苦しています。
そんな時に役立つのが「〜の日」「〜記念日」といったものをまとめたカレンダーです。
ネットで検索すればいくらでも出てきますし、Twitter社が出している「モーメントカレンダー」と呼ばれるものもあります。
このこと自体は、私もSNS運用の上で非常に有効だと思っていますし、実際にモーメントカレンダーなどには大変お世話になっています。

ただ、1つ気をつけなければならないのは、これらのカレンダーには表面的に「〜の日」としか書かれていなくて、それだけでネタを作ってしまうと思わぬ地雷を踏んでしまうリスクがある点です。

なので、ネタを作る際は「どういう背景で」「なんのために」「誰が」設定した日なのかはファクトチェックすることをオススメします。

ツッコミを入れられないようにするのはなかなか骨が折れますが、炎上してしまったらなかなか火は消えません。発信する内容の背景をチェックするひと手間を加えれば、多くの炎上は未然に防げます。

もはや「SNSをやっているか」は関係ない!

こうやって話すと、「ウチは積極的にSNSやってないから炎上なんて関係ないでしょ」と思う方もいるかもしれません。しかし、それは大マチガイです。
CM、WEB動画、中には駅貼りポスターのようなアナログなものまで、それを見た「不特定多数の誰か」がSNSに写真を載せたり、書き込んだりしてしまえば、それが炎上の火種になります。

SNSを自分が、もしくは自社がやっているか否かはあまり問題ではなく、メディアはなんであれ世の中に対して発信したことが、SNSでどう捉えられるかを考えることがリスク対策としては重要です。
なので、このようなSNSのリスクを誰もが知っておくことは決して無駄ではありません。

今回はリスクの話ばかりしてしまったので、「SNSで発信するのは怖い…」と感じた方もいるかもしれませんが、SNSは本来、世界中の人と「好き」でつながるコミュニケーションの場を提供してくれる素晴らしい技術です。
炎上ばかり気にして楽しい発信が萎縮してしまうことも私は問題だと思います。

ぜひ、リスクのポイントをしっかり押さえた上で、面白いネタが発信できる道を探ってもらえればと思います!



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