販促を企てる際の重要なポイント
こんにちは。デジタルプロモーション事業本部です。
今回は、セールスプロモーション(販促)を企画する際に重要視していることについて、お話することができればと思います。
メーカー視点でのセールスプロモーション実施の背景
セールスプロモーションとは、キャンペーンなどを利用して生活者の購買意欲や流通小売の販売意欲を引き出す活動のことを指します。まずは、そんなセールスプロモーション実施の背景をメーカー視点で整理していきたいと思います。
まずメーカーが自社ブランドの売上を増加させるには流通への棚取りが重要となります。そして棚取りのためには、流通店舗の日販・週販・月販実績を引き延ばすことのできるセールスプロモーションが求められます。
分かりやすい例を挙げると、流通サンプリングがあります。キャンペーンに参加すると店舗でサンプリング景品がもらえるという手法です。これは生活者にサンプリング景品を試してもらいたいという意図も当然ありますが、流通に対して棚取りを行った上で、生活者がその景品を店舗で引き換えるときに流通側のID-POSを通過することとなるので、結果として日販実績を引き延ばすことがその成果となります。さらに流通視点だとこの施策を実施することで来店数が高まることがメリットと言えます。
流通サンプリングと同様に、自社ブランドにQRコードが印字されたシールが貼付されていて、それを読み込むとキャンペーンに参加できるシリアルキャンペーンや、対象商品を購入したレシートをアップロードすると参加できるレシートキャンペーンもセールスプロモーションの一例です。これらのプロモーションについては、先ほどのご紹介した流通サンプリングと比較すると安価に実施できるケースがほとんどですが、その分棚取りの継続率は落ちるケースが多いと言えます。
流通側のビジネス構造
セールスプロモーションを企画するうえで、メーカー視点のメリットだけでなく、もちろん生活者、そして何より流通視点でのメリットを考えることが重要です。そのうえでも流通のビジネス構造を整理しておきます。
流通視点で重要なのは、①どれだけの人を集客できるのか(=客数)②どれくらい買わせることができるのか(=客単価) という視点になりますが、仕入れた商品が店舗在庫として残らず捌け切るのかという視点も重要視されます。流通がメーカーの商品を仕入れるときには常にこの在庫というリスクが付き纏うので、メーカーのメリットを前面に押し出した企画でなく、流通の目的に応じた企画を組み立てていくことが重要となります。
流通にメリットのある施策とは
以上、セールスプロモーションを企画するうえでの重要な視点を踏まえて、具体的な設計を考えていきたいと思います。
例えば、メーカーが対象商品を3本購入することで、ポイントインセンティブが100円分キャッシュバックされるキャンペーンを想定します。この場合、1週間に2本の購入をしている生活者がいたとして、セールスプロモーションを実施することで、1本の追加購入を後押しします。これによりこの対象商品の日販は向上しますが、流通への客数を増やすことはできていない点が課題となります。では、この課題に対する打ち手を考えていきましょう。
一例に過ぎないのですが、まず流通優遇施策があると思います。キャンペーンの景品を流通が発行したデジタルインセンティブにすることで、流通に来訪してキャンペーンに参加した生活者を再度店舗に来訪させることができます。このように企画に工夫をすることで、来客数を増やし、流通に受け入れられやすい施策にすることができます。
またコンテンツコラボも打ち手になるかと思います。キャンペーン企画にアニメやアーティストなどといったコンテンツを起用することで、コンテンツファンを店舗に来店させてそのコラボ商品を購入させることができます。
このような客数を増やす施策に加えて、客単価を増やすキャンペーンの設計も重要です。キャンペーン参加に700円以上の商品購入をすると、といった金額条件を含めることで、通常なら500円分の商品を購入している生活者のさらなる購入を後押しすることで、流通側にとっての客単価を引き上げることができます。
これらの施策は、客数と客単価を増やす一例になります。セールスプロモーションを企てるときに重要なのは、メーカー視点だけでなく、生活者、そして流通の課題を解決する設計を意識していくことです。皆さんがセールスプロモーションを考えるうえでの一助になればと思います。