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牛丼と映画

ここ最近、たまたま観たドラマや映画に、牛丼がやたらと出てくるのです。
そのたびに牛丼を食べたくなり、先週末はすき家に行きまして、心も胃袋も牛丼まみれでございます。

そういえばむかし、牛丼が出てくるシーンで泣いたことがあったよなぁ。と思い出しまして、映像の中の牛丼シーンについて感じたことを書き留めてみようと思います。




以下、ネタバレや個人の感想が入っています。



『モテキ』

麻生久美子さんが岡村靖幸さんのカルアミルクをBGMに、牛丼をかっ喰らいながら想いを吹っ切っていく様にカタルシスを感じます。
早朝の逆光の中、肉を次々頬張る女子のなんと健やかなことか。ほっぺのご飯粒が愛おしい。
映画前半の麻生さんの役どころが痛々しいばかりに、この牛丼による浄化はとてもとても清々しく、観ている私も明日から頑張ろー!と感じられる良いシーンです。


『箱入り息子の恋』

初恋のときめきやそわそわ、胸の高鳴り、恥ずかしさがふんだんに散りばめられた恋の映画の教科書のような作品だと思います。

夏帆さんが1人で想い出の牛丼を食べながら泣くシーンが印象的です。
吉野家のカウンターの配置を利用した仕掛けも絶妙で、泣けるのに笑えるシーンに仕上がっており、感情がころころ転がされる演出が小気味良いです。

この映画で私は生まれて初めて、牛丼を食べる人を観てもらい泣きする(しかも号泣)という体験をしました。
牛丼という日常的なアイテムに想いが乗って、こんなにもエモーショナルになるなんて衝撃でした。

終盤、星野源さんが走ります。
走る行為は青春そのもの。
衝動にまかせて走る若人はいいもんですね。


『エルピス-希望、あるいは災い-』

長澤まさみさんがドラマ終盤に豪快な牛丼食シーンを魅せてくれます。
大地に根を下ろすように両足でしっかり揺るぎなく立つグラウンディングをするために肉を頬張り咀嚼するイメージが浮かびました。

肉を飲み込んだ後、「あ、なんかなんとかなる気がしてきた」と長澤まさみさんの台詞が吐かれ、牛丼によって本来の自分を取り戻したような表情をします。

眞栄田郷敦さんと超絶笑顔で牛丼を頬張る2人は、ここまでの長い戦いの末の戦友との祝杯に牛丼を選び、互いの疲れを労いながら英気を養い、これから始まる「なんとかなる気がする」未来に向かって行くのでしょう。

この光景を見るためにこのドラマがあったのではないかと思えるほどに素晴らしいシーンです。

ちなみにこちらの牛丼屋さん、メニューが潔くてかっこいい。私も行ってみたい。


『前科者』

こちら、ドラマ&映画ともに牛丼シーンが多発します。
保護司の有村架純さんが保護観察中の前科者の社会復帰を助けるため、最初の面談で必ず手作りの牛丼をふるまうシーンが入ります。
手作りの牛丼を実際に口にする前科者さん達は皆ほぼ無表情で食べるし、牛丼のビジュアルがそれほど美味しそうに見えないところにリアリティがあります。

社会復帰するために「地に足つけて生きていく」スタートラインに牛丼を振る舞う行為には『エルピス』同様、グラウンディング的な雰囲気を持たせているように感じられます。

罪を告白するときはかつ丼。
罪を赦していくときは牛丼。
みたいなイメージができつつあるような気がします。


『マイ・ブロークン・マリコ』

親友の遺骨と共に2杯の牛丼をかき込むのは永野芽郁さん。

こちらは弔いの儀式に牛丼が使われています。
牛丼にお箸を立てて親友を弔いつつ、髪の毛をむすび、割り箸を歯で押さえて割り、牛丼をかき込む背中が50秒程のシーンで描かれます。

遺骨を誘拐して旅に出る最初の朝、牛丼を食べることで覚悟を決めていく行為のようにも感じられました。

口が悪く、喫煙したり、飲み屋でジョッキビールを飲んだり、永野さんのこれまでのクリーンなイメージからはみ出た女性像なのですが、人間臭くて愛おしい。
親友役の奈緒さんも、癒えない傷を抱えた複雑な役柄でしたが艶めかしくて目の離せない愛おしさを感じました。


『キン肉マン』

そういえばキン肉マンも牛丼が大好きだったなーと思い出して調べていたら、新しいキン肉マンが制作発表されるとのことでした。
弟が観ていたキン肉マンを一緒に鑑賞していたため、キン肉マンが歌う牛丼の歌は今でも脳内再生できたりするのですが、新シリーズの中でも牛丼がどのように扱われるのか興味津々です。


まとめ

どの牛丼も、変化を受け入れるための小道具のように使われている印象を強く感じます。
そしてどの映像の牛丼シーンも美しくて力強い。

大地の草で成長した牛の肉をいただく行為は、つまりは地球を食べていることと同じなのではないかしら。と思うのです。
ということで、
牛丼は地球!
と、極論をさらしてまとめとさせていただきます。


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