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「Ghost of Tsushima ( ゴーストオブツシマ )」のすばらしさを川柳で語りたい

先日の4連休は、すべて「Ghost of Tsushima ( ゴーストオブツシマ )」にもっていかれました。

まったくのノーマークでしたが、買って本当に、本当に良かったです。以下、アマゾンの作品紹介の引用ですが、

Ghost of Tsushima ( ゴーストオブツシマ )は、武士の道から外れた境井 仁(さかい じん)が、冥府から蘇った「冥人(くろうど)」となり、対馬を敵の手から解き放つ。 期待のオープンワールド時代劇アクションアドベンチャー

この、オープンワールド時代劇という強烈なジャンル名!!

時代劇がエンターテイメントとしてAAAタイトルのゲーム(しかも海外発!)になったのが熱いですね。全世界の累計売上本数は発売後3日で240万本とスマッシュヒットとなりました。現在でも品薄状態が続いているようです。

今回、この「Ghost of Tsushima ( ゴーストオブツシマ )」について、ゲームの核となるループがある程度つかめたので、本作の面白さや、なぜ日本のユーザーに合うのかをゲーム分析していきたいと思います。

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まだ序盤ですが、あまりにも面白かったので是非語りたいですし、感動を共有したいと思います!

この記事は以下の人に読んでぜひ読んでいただきたいです。

・現在「Ghost of Tsushima ( ゴーストオブツシマ )」をプレイ中の方
・購入を検討している方
・オープンワールドジャンルが好きな方

※約15時間ほどプレイしての所感になります。ネタバレなどは極力避けますが、ある程度技名など要素を紹介しますのでご了承ください。

特に、今購入を迷われている方、海外のゲームやオープンワールドに抵抗がある方にぜひ購入を呼び掛けたいです!

3つのキーワード川柳でまとめてみました。

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【其の壱】技の切れ 遊ぶ手指に 汗が散る

まず第一に言えるのが「侍とは?」という問いに、的確に応えるかのようなキャラクター操作。

主人公の境井 仁は武士としての生き方を重んじる、まさに日本人の描く侍像というべきキャラクター。

操作はとてもシンプルで、極端に言えば基本アクションの「連続切り」と「防御」さえわかれば、ある意味切り合いだけで進めるほどわかりやすいシステムです。

ここに、相手の有利に立つ「構え」や「暗具」などサブウェポンの操作が入ってくるのですが、注目すべきは「自己満足感」

相手を切り伏せ、刀の血をぬぐう際の静と動の緩急もさることながら、亡骸に対し一礼を添えられたり、一騎討ち(ガンマンの早打ちのようなシステム)に成功した時や隊長格を倒した時に、過剰なまでにたっぷりスロー再生でやられるさまを見せつけるあの外連味!

特に好きな要素として、盾兵など硬い敵をよろめかした時に、奥義”紫電一閃”で一撃で倒した時のあの「獲った感」は本当に癖になります。

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このように、自分の操作がそのまま侍としてやりたいことを満たしてくれる「侍になりきるゲーム」を豪語する作品です。

私も時代劇や黒沢監督の映画のファンというわけではありませんが、日本人が感じる、あの時代劇の「カッコいい!」をまさに体験でき満足できる操作です。しかも簡単に!

さて、次はそんな侍をさらに活き活きと彩る世界観の描写について。

【其の弐】風と草 はやし立てるか 道しるべ  

空気と匂いが伝わるアートデザイン。それが本作のもう一つの売りです。

一般的に「ICO」や「風ノ旅ビト」など、いわゆる雰囲気ゲームとしての側面をもちつつ、しっかりとゲームとしての必要な情報を与えていくのに驚かされます。

本作はオープンワールドとなるため、あらゆる目的に向かって移動しなくてはなりませんが、世界観を非常に大事にしている作風のため、どのようにマーカーや誘導が表現されるか気になっていました。

本来、ゲームというものはUI(ユーザーインターフェイス。HPゲージやタイマーなどの表示)を使ってプレイヤーにゲームの情報を与えますが、わかりやすくしたり、目立つとプレイヤーの没入感を損ないます。「メタ発言」のような感じですね。

逆に、雰囲気を重要視したゲームはUIを排除したり必要最低限になったりますが、これもプレイヤーが現在の体力や行先が分からなくなるなど、ゲームプレイへの障害も出てきます。

そのため、UIなどの表現方法はゲームデザイナーの腕の見せ所です。

そこで驚いたのが「目的地に向けて風が吹く」という仕様。これには度肝を抜きました。

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さりげない表現なのですが、世界観を損なわないどころか、むしろ風情が出ているうえに、目的地まで非常にわかりやすく導いてくれる、神がかった表現となっています!

これ考えついたとき、ゲームデザイナーさん絶対ガッツポーズとったろうなぁ…。

他にも、細かい目的地については金色の鳥が導いたり、プレイヤーのUIも気合ゲージを新月→満月に見立てた増加ゲージなど、世界観を大切にした作りに感服しました。

最後に、本作のゲームループについて語りたいと思います。

【其の参】探求の 深き螺旋に 胸躍る

ゲームとしての丁寧さは上記のとおりですが、ゲームとしての面白さの基礎固めも非常に注目したい点です。

本作は、

[探索と成長]→[敵との戦闘]→[物語の進展]→[探索と成長]~…

といった具体に、オープンワールドの王道的なゲームループで構成されていますが、このループにもプレイヤーの探求心をくすぐるさまざまな仕掛けが用意されています。

例えば、プレイヤーキャラにバフ効果をかける「護符」は、1つセットするごとにスロットが必要になるのですが、「護符」の獲得はアンチャーテッドシリーズのようなアスレチック的ステージに挑み、スロット拡張はお稲荷さんをお参りするために、キツネを追いかける(ちょっとモフれる!)というここでも世界観と遊びを両立させたシステムになっています。

他にも気力の上限解放に竹筒の試し切り(ちょっとムズイ!)や、体力上限解放はなんと秘湯探し(ちょっと入浴シーン!)など、和のテイストを追いかけつつ、陳腐にならないような範囲でうまくまとめ上げています。

そして、プレイヤーがガンガン強くなる!もうこれが本当に気持ちいい!「ウィッチャー3」や「スパイダーマン」などのスキルツリー形式をとっていて非常に自由度がある成長要素に加え、装備品の強化も可能で、次々に戦闘の幅が広がり、プレイヤーを飽きさせません。

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敵もしっかり手ごわくなりますが、自分の苦手な敵に対して優位に立てるスキルがいくつもあるので、自分に合った戦略が立てられるのも深みを出しています。

遊びの深さと丁寧さが、何よりこのゲームの評価を上げている点ですね。

【まとめ】海の向こうから届いた、愛が詰まった恋文(ラブレター)

本作のディレクターがインタビューに対して「時代劇へのラブレター」と答えていましたが、まさにゲームから愛を感じることの出来る、愛の詰まった作品でした。

正直、昨年発表されたトレーラーやタイトルを観て、「海外スタジオが作る侍のゲーム」に期待はわきませんでした。むしろ色モノゲームとしてとらえていました。今思えばプレイ前後でこんなに印象が変わったゲームは初めてかもしれません。こういう方も多いんではないでしょうか。

作り手の時代劇と和の雰囲気、何よりゲームをこよなく愛する心意気を感じました。もし迷われている方がいたら、ぜひ購入をおすすめします!

私は、ゲームに限らず面白い作品に欠かせないものは「自分の生み出すものへの愛」だと思っています。心を熱くさせるゲームに出会えたことを感謝しつつ、最後まで遊ばせてもらいたいと思います。

またクリア後に、大いに語りたいと思います!

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【はこ森】


※編集後記※

最後まで読んでいただきありがとうございます!

こんなに「買って良かった」と思えるゲームはなかったと思います。

「ウィッチャー3」や「ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド」も同じく『俺、世界救ってる感』が半端ないです。オープンワールドの醍醐味ですね。

上記で書かなかったのですが「和歌を詠むシステム」にたどり着いたとき『きっと、これは神ゲーなんだな…』と確信しました。

今年のゲームオブザイヤー(GOTY)は間違いなくノミネートされるでしょうね。

もしこの記事がきっかけで購入された方や共感いただけた方は、ぜひコメントいただければ幸いです!

最後まで読んでいただきありがとうございます!ゲームという存在を、プレイするだけでなく感動の共有が出来るツールとして盛り上げていきたいですね。スキ、フォローなど大変励みになります。また、読んでいただければ幸いです!