見出し画像

拝啓、お金がないので成人式には行けません。

先日友人と遊びに行く日のすり合わせをした。今週の土日はどう?と聞くと友人は「あー、成人式あるから無理だわ」と言っていた。そうか、成人式なんて物があったのか。可愛い振り袖姿をカメラマンに撮ってもらい、両親に門出を祝福されるあの行事。一番輝かしい時期に美しく彩られる自分の姿に心を踊らすのだろう。なお、成人式の案内ハガキはとうの昔に捨てた。

こんばんは。当方発達障害持ち(ASD、ADHD併発)の20歳の女。働き盛りの年齢ではあるが諸事情により生活保護を受給している。貯金は皆無、月額76000円の健康で文化的な最低限度の生活を営んでいる。

私にはひとつ上の兄がいるが、兄の場合はコロナが怖いからと自分から出席を控えていた。私はお金が無いから行きたくてもいけない。着物をレンタルするお金も、スーツを買うお金も無い。そして祝ってくれる親も、写真を一緒に撮ろうと声を掛けてくれる友人もいない。何も持たず家から逃げたから就職用のスーツすら持っていない。

お金が無い、成人式、振り袖…と調べて独りで静かに泣いた。同じような境遇の人が他にもいると知ってほっとした一方で、お金の有無によって奪われる行事の虚しさに心が締め付けられ、裂けていった。親の振り袖を借りたという人もいるが、親から逃げた人間が振り袖を貸してと家に帰れるはずもなく。


今が一番若いというのに。悔しい。

いいなと思ったら応援しよう!