駆け出しエンジニアのキャリア構築~大企業とズブズブの関係になれ~
こんにちは。タケシです。
今年は感染症のせいでエンジニアの求人や案件が激減し、転職市場は一気に買い手市場になりました。
2008年のリーマンショック後も転職市場は似たような状況でしたね。
突然の金融危機や災害、感染症などの外的要因で雇用の不安定化が起こり、失業したり再就職が困難になったりした人たちもいることでしょう。
今回は、駆け出しエンジニアが今後何があっても仕事で困ることがないように、どんな社会情勢下でも生き抜くためのアイデアをお伝えします。
【大企業の偉い人とのコネで生きていく】
これからお伝えするのは、一言でいうと大企業のおこぼれをもらいながら生きていく方法です。
夢も希望もない話で申し訳ないですが、自分の腕一本だけでのし上がることができるのはほんの一握りの人間だけです。
寄らば大樹の陰。
雇用の不安定化が起こっても、エンジニアの需要は減りますが完全になくなることはありません。
新たなWebサービス・アプリなどの開発案件は常にありますし、稼働中のシステムやインフラだって保守し続けなければなりません。社内SEだって必要。
大企業には体力があるので急に倒産はしませんし、それなりの人数のエンジニアをそろえる必要があるので駆け出しも抱える余力が残されています。
問題は不安定な社会情勢下で極めて限られた採用枠内に自分が入れるかどうか。
派遣・SES企業で待機するベテランや転職市場にいるハイレベル人材たちとその枠を争うことになり、駆け出しは不利なので搦め手を使いましょう。
それこそが大企業の偉い人(エンジニアの採用権限を持っている人)とコネを作り、自分を選んでもらう方法。
これから詳しく解説します。
偉い人の信頼を勝ち取れば右腕的存在として必要とされ、後述するようなおいしい思いができます。
【駆け出しが大企業の偉い人とコネを作る方法】
実務未経験で(特に異業種から)エンジニアに転職する場合、特別な事情がない限り大企業に直接入社するのはほぼ不可能です。
そのため、駆け出しのエンジニアが大企業とコネを作るなら、まずは大企業に派遣・請負・SESなどで常駐する企業への入社を目指しましょう。
その後、常駐している間に大企業内で信頼を勝ち取り偉い人とのコネを作ります。
1 | 派遣先でコネを作る
派遣会社の正社員になれば、SIer(元請け)や自社サービス開発企業などの大企業に常駐してプロパー社員と同じチームで働くことが可能。
派遣会社自体も上場している大企業だと失業リスクがさらに軽減されます。
プロパー社員の期待に応え、偉い人(派遣社員の就業可否を決める権限がある人)に認められると直接雇用(引き抜き)を打診されることもあるでしょう。
派遣先で偉い人とのコネを作るために必要なのは、自分達のチームに必要不可欠な存在だと感じさせること。
駆け出しエンジニアが最初から重要な仕事を任されることはありません。
派遣だとプロパー社員のアシスタント的な仕事からはじめて、できることを増やしていく中で段々と仕事を任されるようになるでしょう。
そのときに期待以上の働きができれば信頼度が高まり、必要な人材だと認識されます。
また、プロパー社員が興味を持てない仕事や面倒で誰もやりたがらない仕事などを積極的に引き受けることや、チーム内のコミュニケーションが上手く行っていない場合はメンバー間の架け橋となることも大事。
業務で必要なのに詳しい人が誰もいない技術がある場合、駆け出しがそれを独学やスクール通学により習得することでそれ関連の仕事を丸々任されることもあります。
このような状態になると、プロパー社員からは頼りにされ、偉い人からは一目置かれて「このような人材は自社にいないし手放したくない」と思われてコネが作れるようになります。
2 | SIerの下請けとしてコネを作る
規模が中堅以下のSIerやSES企業の社員になると、SIer(メーカー系・ユーザー系・独立系)の下請けとして客先常駐でプロジェクトに参画することになります。
商流でいうと2次請けくらいの企業に転職して、担当のプロジェクトで元請けSIerのプロパー社員や偉い人(下請けをプロジェクトにアサインする権限がある人)とコネを作って上流工程も任せてもらえるようになるのが理想。
元請けSIerの偉い人とのコネを作るために必要なのは彼ら彼女らが安心してプロジェクトを一任できるような懐刀的存在になること。
その下準備として、駆け出し時代はスキルを磨いて「独力で一通りの作業が遂行できる」レベルになり、参画したプロジェクトで活躍し元請けプロパーに優秀な人材として顔を覚えてもらえるようになりましょう。
そして自社においてリーダー的な役職となり、自分が担当するプロジェクトで実績を出して元請けSIerの偉い人とのコネを作ります。
SESという契約形態には多重派遣・偽装請負・案件ガチャという闇が生まれる負の側面がありますが、それと真摯に向き合い法令順守で経営するSES企業なら「大企業とのコネ作り」のために数年勤務するのもありでしょう。
ただし、SIerとの直接かつ強力なコネや営業力がなく、エンジニアの案件が紹介できない企業や元請けと自社の間に仲介業者が複数入るような企業には入社をおすすめしません。
【大企業の偉い人とのコネの活かし方】
1 | 派遣先とのコネで生きる
1-1 やりたい仕事で生きていく
コネを作る前は自分のスキルセットでは挑戦できなかった仕事も任せてもらえるようになります。
1-2 社内異動で生きていく
大企業に派遣されていると、派遣先の部署で人員削減せざるを得ない場合でも(派遣先の)偉い人が人材の足りていない他部署での就業を提案してくれることがあります。
派遣契約ではありますが実質的な社内異動ですね。
派遣先部署の偉い人からの信頼度MAXだと、自社との契約終了にならないように空きポジション探しや他部署の偉い人と話をつけるところまでやってくださいます。
このようなセーフティネットがある点が大企業の魅力ですね。
1-3 グループ内転職で生きていく
大企業やその子会社・グループ会社で働いた経験があると、社内システムや人間関係、仕事を進める上でのお作法に精通します。
私の場合は某通信キャリアのグループ会社に派遣されていた経験があったので、その経験が買われた結果、別のグループ会社や親会社の下請け企業の求人を紹介され面談でも高評価をいただきました。
このように、大企業との縁が一度生まれるとそれが活きる子会社・グループ会社間で再就職先を見つけることが容易になるというメリットもあります。
1-4 システム属人化で生きていく
これはあまり褒められた方法ではありませんが、コネがあればシステムやインフラの運用を丸々任されることもあります。
運用担当者が長い間自分1人だけだと構成や設定がブラックボックスとなり仕事のやり方も属人化してしまいます。
これによりそのシステムやインフラが稼働し続ける限り、働き続けることが可能でしょう。
1-5 人材の斡旋で生きていく
派遣会社の正社員エンジニアは、スキルの高さよりも「派遣先企業に自社(在籍している派遣会社)のエンジニアを何人送り込んだか」の方が上司から評価されやすいです。
そこで、派遣先の偉い人とのコネを活かせば、募集中のポジションに自社のエンジニアを推薦して多数送り込むことができるようになります。
優秀な人材が派遣されれば偉い人とのコネはより強固になりますし、自社での人事評価も高くなるでしょう。
2 | SIerとのコネで生きる
2-1 上流工程や大規模案件で生きていく
元請けSIerのプロパー社員とコネができることで、上流工程や大規模案件に挑戦する機会を得ることが可能。
これにより経験値を積み、転職市場でさらに価値のある人材になることができます。
2-2 製品知識・スキルで生きていく
これは主にメーカー系SIerでインフラエンジニアが生き残る方法です。
メーカー系SIerがインフラ基盤の構築案件を行う場合、当然のように親会社(ハードウェアメーカー)の機器を導入します。
そのため、自分がコネを持つメーカー系SIerの親会社のサーバ・ストレージやソフトウェア(日立製作所が開発・発売している統合システム運用管理ツールのJP1など)に精通し、スキルや経験も豊富な場合、偉い人から重宝されます。
また、そのメーカー系SIerの商流に関わる企業においては、前述のスキルや経験が中途採用の選考時に高く評価される強みになるので食いっぱぐれることもなくなるでしょう。
2-3 人材の斡旋で生きていく
誤解を恐れずに言えば、社長自身が客先常駐しているタイプのSES企業はこれで生き残っている印象です。
彼らはSIerのプロジェクトに自分を含むエンジニアをSESで客先常駐させることで売上を稼いでいます。
このように元請けSIerの偉い人とのコネを活かして独立しSES企業を創業してエンジニアを斡旋することで生きていくことも可能。
また、中堅以下のSIerやSES企業の社員まま、元請けSIerの偉い人がいる拠点にエンジニアを斡旋しまくることで、所属企業内で一大勢力を立ち上げ管理職に出世(送り込んだメンバーの人事管理・現場監督・営業などを行う)することもできるでしょう。
ここまでくるとエンジニアとしての技術力ではなく政治力が必要になりますね。
まとめ
これまでの内容をまとめると以下の通りです。
これは未経験から転職する弱者のための生存戦略です。
圧倒的な技術力もない。革新的なプロダクトを生み出す才能もない。英語力や営業力などの強みも特にない。
そんなゲームで例えれば主人公ではなくモブキャラ、戦国武将で例えれば織田信長のような大名ではなく名もなき国人領主のような凡人のためのキャリア構築方法ですが、その分汎用性が高いです。
大企業の偉い人に好かれるための具体的なテクニックについてはこちらのエントリーで詳しく解説しましたのであわせてご覧ください。
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