【2023年04月】読書記録と思考記録
幸福とは、自分の在り方・生き方を信じること
いろいろとご縁があって、福田恆存の『私の幸福論』という本を読んだ。
昭和の、しかも女性向けの雑誌に連載されていたとは思えないほど苛烈な主張が随所に登場するが、その内容は非常に論理的かつ現実的で、現代の文脈で語ってもまったく遜色がない。
こんな本があったのかと、自分の選書範囲の狭さを改めて認識した。
とても簡単にまとめると、福田の考える幸福とは、「自分の在り方・生き方を信じること」だと読み取った。
中でも「ひがみは、現実に敗北した不平家を生むと同時に、頑なつめたい勝利者をも生むのです。」という一文が特に印象的だった。
社会の中で生きているとどうしても、他人と比較する/比較されることは避けられない。
だがそれに気を取られすぎると、他人に勝つことだけが人生の目的になり、勝っても負けても結局は「自分」を失って不幸になる、というのが、福田が言外に言いたかったことなのだろうと思う。
日々忙しく過ごしているとこのことをつい忘れてしまうが、折に触れて思い出すようにしたい。
『私の幸福論』の次は『人間・この劇的なるもの』という本に挑戦してみたのだが、こちらは非常に難解で遅々として読み進まなかった。
ただ、人間の生に関するとても本質的なことが書かれているのだろうということは、随所から読み取ることができた。
今後自分の教養・読解のレベルを上げながら、繰り返しトライしてみたい。
4月の読了書籍
『私の幸福論』
幸福とは、自分の在り方・生き方を信じることである
『人間・この劇的なるもの』
人間は偶然と必然の弁証法を求める存在である
『経営戦略を問いなおす』
広く深い「観」を身につけることが良い経営戦略につながる
『「利他」とは何か』
利他=相手を愛することで生じた「良きこと」
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