6歳の息子が日記を書き始めた
土曜の午前中、買ってまもないダークブラウンの学習机に向かって、息子が一心に何かを書きつけていた。
通っている放課後デイでもらったプリントの余りはなかったはずだ。
背中に近づいてみると、手のひら大のノートに力強い筆跡でひらがなを綴っている。
何書いてるの? と問いかける。
息子は「日記」と答えた。
半年くらい前からスケッチブックに「にゃんこ大戦争」や家、寿司屋の絵は描いているが、日記を書き始めるとは思わなかった。
日頃手帳やノートをまめにつけている母親としては喜びを禁じ得なかった。
「このノートさがしてたんだ」
日記を見せてほしいとせがむ私に、息子が快く差し出したのはくら寿司でもらったBT21のミニノートだった。
つまり息子はある程度前から、日記をつけようと考えていたのだろう。
非常に分かりにくいが、右端に日付が書かれている。
主に何をしたのか行動の記録と、現在インフルエンザにかかっているため体温まで書いてある。
それにしても、突然すぎる。
興奮気味にいくつか息子に聞いてみた。
そこまで考えるようになったのか。
身長が伸びたとか、乳歯が抜けたより、私にとっては感慨深い成長だった。
来週息子の卒園式がある。
6歳ながら、たくさんのできごとを抱えてここまで生きてきただろう。
日記をつけ始めたのは、息子なりにその日その日を大切にしたいという気持ちの表れなのかもしれない。
日記がいつまで続くかはわからない。
けれど、荒々しいひらがなや大きすぎる句読点を眺めていると、息子の意思で書かれた文字に胸が熱くなった。
※ヘッダー画像はみんなのフォトギャラリーからお借りしました。ありがとうございます。
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