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収入のない仕事を遂行する

今年の2月からしばらくnoteを休んでいた。

Webライターの仕事で落ち込む出来事があり、入れ替わりに大規模な引っ越しが決まった。2〜6月は引っ越し関係の予定に追われ、7月からは息子の転園、8月の記録的な真夏日が続いた頃にnoteを始めてから1年の通知が来た。

その間、noteを時々覗いて気が向いた記事だけ読んでいた。しばらく投稿していないので足跡を残したくなくて、フォローしている方へスキは押せなかった。

noteに居づらくなった最たる理由は、あれだけ張り切ってWebライターへの道を踏み出したのに、ちょっとしたことでつまずき続けられなくなった後ろめたさだった。

こちらの非の可能性と、不誠実

昨年11月〜今年1月まで継続案件を受けていたクライアントと音信不通になった。

完了前に連絡が取れなくなったのではなく、次の依頼のスケジュール調整について連絡が来なくなったのだ。

音信不通の理由は分からない。こちらに非があるとすると、この記事かもしれない。

私は誰かにとっての「正解」を差し出す発信をしたいだろうか。仮にそういった発信が誰かの助けになったとしても、逆にその人の自分で考える力を奪い、依存性を高めてしまうのなら、したくないのが本音だ。

当時受けていた案件はゲームアプリのレビュー記事だった。上記の記述の後に「仕事となるとそうはいかないが」と付け加えているが、もしクライアントがこの記事を読んでいたとすると「お前などこちらから願い下げだ」と憤慨されても仕方ない内容だっただろう。アプリのレビューはまさしく、ひとつの「正解」を差し出す記事だからだ。

かといって、何がいけなかったのか問い合わせる労力を要するくらいなら別の案件を探すほうが賢明だ。
こういったケースは別段珍しくないのだろう。クラウドソーシング上のサービスで相談したところ、他のユーザーの方から別ジャンルで知識をつけ案件を受けた方がいいとアドバイスをもらった。

だが、新しい知識をつける意欲は湧かなかった。私はこの件で顔の見えない相手への不信感が募った。
こちらも10年弱正社員として勤めてきた経験がある。依頼をやめる際一言も連絡がないのは不誠実ではないだろうか。中高生の突然終わる文通とは違う。

ライター業界はそういう世界だと言われたらそれまでだし、私も非難されても仕方ない。今となっては音信不通になってむしろ良かったのかもしれない。

夫の意向は「主婦を遂行すること」

音信不通の件でひとり悶々としていたところ、夫と衝突した。曰く、「優先順位をはき違えていないか」だった。

私が夫よりも収入が高いのならまだしも、Webライターはすぐに一定額の収入がもらえる訳ではない。決して豊かではないが、現在は夫の収入だけでも何とか暮らしている。
働きたい、少しでも家計の足しになればという意思は尊重するけれど、仕事が上手くいかず家事や育児にもがたつきが出るくらいなら、家のことに専念してほしいとのことだった。

私は結婚後も正社員として働いていたが、元々精神面から調子を崩しやすく、帰宅後毎日のように泣いている時期があった。見かねた夫は私の調子を鑑みて辞めてもいいと進言してくれた。

加えて現在はコロナ禍もあり、仮に復職したとしてもコロナウイルスに感染しては元も子もない。

6月末に求人サイトで見つけた職場の面接に行ったものの、未経験の仕事のためか不採用だった。再就職に向けてハローワークなどで相談したい気持ちもあったのだが、下手に動けない状況下なので、現在は主婦業の遂行と、夫と手分けして息子の面倒をみることが仕事になっている。

収入がない=働いていない、ではない

幸い、周囲に専業主婦であることを責める人はいない。それでも日中家にいることに罪悪感を感じるとある人に打ち明けたところ、家事も立派な仕事だと言ってくれた。

Webライターについても、ライター業をこなしている方からすると「たかが1件クライアントと音信不通になって辞めるなんて」と呆れられるだろう。申し訳ない気持ちもある。

ただ、私には他にもやらねばならない仕事がある。収入は得られないが、「まずは目の前のことをこなせなければ、それ以上のこと(=報酬が発生する仕事)は出来ない」。精神的に脆く家事が不得手な私を熟知し、何度も喧嘩してきた夫の言葉だ。

後ろめたさを感じていたのは私だけだった

話をnoteに戻す。
noteを書くにあたり、私は一度名乗った肩書きに囚われすぎていた。大した数もこなしていないのに、自分だけが後ろめたさを感じていたのだろう。
思ったことを文章にして綴る、そうしたいなら何者であってもそうすればいいだけの話だというのに。

現在は再就職の展望を考えつつ、家事育児以外の時間は小説を書いている。小説の執筆は10歳の頃から今でも続いている。
今後はもっと気楽に、好きなことや感じたことを素直に書いていきたい。
大山はじめ名義の記事も、これで最後にするつもりだ。

※表紙画像はみんなのフォトギャラリーよりお借りしました。ありがとうございます。

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