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インドネシアの雄 halodoc、追いかけるAlodokter【激化する東南アジア・オンライン医療バトル!③】

こんにちは!
メプラジャパンCEOの 佐藤創(さとうはじめ)です。
note 30日連続投稿チャレンジ 3日目です!

今日は、昨日ご紹介した「Good Doctor Technology」の先をいくインドネシア・オンライン医療界のパイオニア「halodoc(ハロドック)」について最新の動向をご紹介します。

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(halodoc 公式HP
※ Google 翻訳でインドネシア語⇒英語に翻訳しています。

インドネシア最大のオンライン医療スタートアップ

halodoc は、インドネシア国内においてオンライン医療相談や医薬品配送サービスなどを提供する、国内最大規模のオンライン医療スタートアップです。

<会社概要>
・2016年創業/本社所在地 ジャカルタ(インドネシア首都)
・CEO:Jonathan Sudharta 氏(インドネシア出身、1981年生)
<事業内容>
・O2O ヘルスケアサービスを提供(O2O:online to offline)
 ・オンライン医療相談、病院検索など
 ・医薬品の配送(処方箋を受付し自宅まで1時間以内に配送)
・提携数:医師 2万名、医療機関 1400、薬局 1300
・月間ユーザー数:200万人超(この1年で 2500%の増加)
※ トラフィックは今年3月頃のデータで、現在はこれ以上の成長が予想されます。

※ 詳細は、今年 3月に書いたこちらの記事をご参照ください。

これまでの資金調達の累計金額は 100億円を超えるとされ、インドネシア国内外の投資家が出資しています。今年 3月には 65M ドル(約72億円)を調達し、その 4ヶ月後の 7月には、ビル&メリンダ・ゲイツ財団とグローバル大手保険会社のプルデンシャルとアリアンツからも調達しました。

私見ですが、オンライン医療サービスは保険(特に医療保険)との相性が良く、Health Insur-Tech(Insurance Tech) 企業はこれからさらに増えていくと考えています。オンライン医療企業各社も保険会社との提携や保険商品開発を狙っています。その意味でも、ここで大手保険会社が出資するのもうなずけますね!

国民健康保険制度 BPJS Health と提携

インドネシアでは、「BPJS Kesehatan(BPJS Health)」という国民健康保険制度が 2014年より開始されました。日本のように国民皆保険を目指しており、給与の 5%の掛け金(会社負担 4%・労働者負担 1%)によって国立病院と一部の私立病院での医療費がカバーされます。

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(BPJS加入者の保険証)

この BPJS と halodoc の提携が、先月(10月)発表されました!

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BPJS加入者は2019年 9月の時点で2.2億人(国民の83%)に達しており、halodoc は今回の提携によってこの加入者に対してモバイルを使ったオンライン医療サービスを提供します。

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(BPJSアプリ画面:ニュースメディア kumparanより)

まずは医療健康情報コンテンツ(メディア)の提供から開始とのことで、おそらく、halodocサービスをそのまますべて提供する形ではないかと思います。しかし国民の大半に対してリーチできるようになるのは大きいですね!

halodoc の競合、Alodokter

私の記事では halodoc と Good Doctor を中心に取り上げていますが、実はインドネシア国内のライバル企業は他にもあります。その中で最大のライバルは「Alodokter(アロドクター)」です。

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(Alodokter 公式HP

Alodokter はチャットでの医療相談、医師の予約、ECなどを提供しています。昨年末から「Alodokter Protection」という医療保険の販売も開始し、アプリ上で購入できる仕様になっています。

現在の MAU(月間アクティブユーザー)は 2,000万人。医師 2万人、医療機関 1,000施設と提携しています。

Alodokter は 2014年創業で、同じ頃にオンライン医療(主にはチャットでの相談)を提供するスタートアップ数社の中でも目立っている存在でした。そこに 2016年に halodoc が誕生し、様相が一変したような印象でした。

そんな Alodokter ですが、先月(10月)中旬に 33M ドル(約36億円)の資金調達を発表しました!

既存投資家でもある「Softbank Ventures Asia」や「Golden Gate Ventures」の追加出資に加えて、Philips など 5社以上が出資したと発表されています。ちなみにこの Softbank はビジョンファンドとは別のファンドです。

どうなる、インドネシアのオンライン医療業界!?

これまでご紹介したように、halodoc と Good Doctor によるバトルが激化することは必至。

その両社が政府との提携などをガンガン進めて行く中、 Alodokter が保険商品など組合せながらどう戦ってくるか、そして他の医療スタートアップがどのように戦ってくるかが見ものですね!

そして、このインドネシア国内でのバトルは、ASEAN 周辺国に広がって行きます。Good Doctor はインドネシアだけではなくASEAN全域への展開を進め、各地でのユーザー・ノウハウ・データを蓄積して成長していくと思います。その中で halodoc はインドネシア国内で圧倒的優位に立てるのか?はたまた halodoc も周辺国に展開するのか?

そして、Good Doctor が展開していくASEANの国々ではすでにオンライン医療スタートアップが育ってきています。その各地での戦いも熾烈化するのではないでしょうか?

このあたりのポイントに注目しながら動向を追っていきます!

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今日はここまで!
次回は、ASEANの国々でのオンライン医療スタートアップ動向についてご紹介します。

それではまた次回!

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関連記事「東南アジア・オンライン医療バトル!」

①国を動かす医療スタートアップたち
②平安&Grab 連合軍 Good Doctor Technology
③ インドネシアの雄 halodoc、追いかけるAlodokter
④ ASEAN オンライン医療スタートアップ一覧

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