排気口の未来へ投げキッスの巻。
早いもので9月が終わる。あんなに暑かった日々が嘘の様に、今は肌寒い風が吹いている。日は短くなり、夜の時間が増えた。ふと空を見上げると、澄んだ青が鮮やかに、しかし、淋しげに目に映る。
夏の想い出は暑さではなく、寒さで溶けていく。あの頃握った手も、握り返すいとまもなく離れていく。私たちは何十万という言葉を知りながらたった一つの別れの言葉も上手く言えない。
いよいよ公開された排気口の放課後投げキッス宣言特別回『未来への投げキッス』本来は完全新作のラジオドラマを放送する予定だったのだが、私の台本作業の遅れで、それが叶わず、急ピッチで制作されたのが今回の『未来への投げキッス』回である。完全新作のラジオドラマは来月に放送する予定だ。お楽しみに!!
急ピッチ&懺悔の意を込めて菊地穂波役を私本人がやったが、今まで演技などした事がない故にこうして改めて編集を終えたものを聴くと、役者の方々の凄さに感服する。本当にすごい。今回出演して頂いた素晴らしい役者の方々、亀田梨紗さん今村美歩さんそして山河図の澁谷さんに感謝。
排気口の放課後投げキッス宣言は他の排気口の3人、佐藤暉、中村ボリ、坂本ヤマトがメインだ。私も参加するが、台本作業が入ると欠席が続く。そんな中でも彼ら彼女ら3人の愉快で楽しい放送は毎週月曜日に更新されていく。今まで聴いてくれた皆さんの、これをきっかけに聴こうかなと思う皆さんの、これから訪れる秋の夜長、そして、冬の寒夜のお供に。排気口の放課後投げキッス宣言はいつでも貴方の味方です。どうか1人の時も、1人だという理由では泣かないで。声だけでそう祈っています。
今回の特別回『未来への投げキッス』は私の趣味趣向が山盛りだ。ややマニアックな向きもあるが、完全新作のラジオドラマはもっとポップでキュートだ。そんな作品を目指したいと思う。
けれども『未来への投げキッス』も私、ひいては、排気口の本質でもある。すなわち、恋や誰かを想う事は、あらゆる全てを超えて、伝え合う事の肯定なのだと。来年の排気口新作公演にもこのような想いは繋がってくるはずだ。
『暗愁行尸』から私たちを知ってくれた方も、昔から観に来てくれる方々も、今回の特別回は楽しめると思う。
くだらないし、ふざけてしまうけど、意味も分からない台詞も沢山あるけれども、私たちは伝え合う事の素晴らしさを信じている。分かり合えない事だけが分かり合えるのだとしても、手を伸ばし続ける今この瞬間を信じている。
後悔を抱きしめながら、未来の祝福の花束も受け取れる。私たちの身体はそんな風に出来ています。皆さんの穏やかさを祈って。
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