新しくセーブもロードも出来ないけれど。

 今日は休みだった。昨日は労働だった。基本的には労働三昧。公演トラブルの連続でいつの間にか貧乏ったれになって、粛々と借金(かしきん)を払うべく賃金(もらいきん)を積み重ねる日々。全くもって幻想的だ。

 最近は労働の休憩中に岡室美奈子『テレビドラマは時代を映す』を読んでいる。端正ですっきりとした文章から浮かび上がる冷静で時に情熱的なテレビドラマへの眼差し。普段まったくテレビドラマを観ない私のような人間でも楽しめる一冊だ。素晴らしいテレビドラマへの入門としても。

 家に帰ると来るべき台本作業の為にネタ探しというか、色んな方向性を考えて参考になる様なものを読んだりしている。偉そうに書いたが要は勘で好きなものを読んでいるだけだ。吉村萬壱『ハリガネムシ』と小川洋子『夜明けの淵をさ迷う人々』をここ数日のうちに読んだ。どちらも非常に素晴らしい作品だった。

 中断していた田辺聖子読み直し月間を再開しようか、ミステリーを数冊読もうか迷っている。とりあえず久しぶりに大江健三郎は読もうと考えている。そうそう、マリアーナ ・エンリケスの新刊が去年出ていた事を知る。『わたしたちは火の中で失くしたもの』から読み返そうかしら。多分殆ど内容を覚えてないな・・・。

 年々、記憶力が低下している。先日も図書館で取り寄せた一冊に津村記久子『浮遊霊 ブラジル』があった。去年『つまらない住宅地のすべての家』という大変素晴らしい作品を読んでから折に触れて読み進めている作者の短編集だ。本屋で買った長編は数冊積読してある。まだまだ暑さの盛り。どうにも本への集中力も低下気味なので、とりあえず短編集を・・・。という心持で取り寄せたかの作品。さっさく図書館のロビーで読み始める。と、冒頭の文章から「あれ?なんかこれおぼえがあるぞ」と既視感が。得てして読んだことのある本だったのだ。

 これを貴方はささやかな事件だと苦笑するかもしれない。わざわざこんな例を取り上げて記憶力の低下だなんてと思うかもしれない。

 しかし、私は今まで基本的に本は一回読んだら忘れない口だったのだ。観た演劇も内容や台詞を大抵覚えているし映画も同様だ。これが読んだことを忘れて挙句に図書館で取り寄せて、ページを開くまでそれを思い出せないとは・・・。正にガーン!!である。

 この前はパブリックイメージリミテッドはおろかセックスピストルズも出てこなかった。名前忘れ。あのあれあれ!!アナーキストって歌うパンクのやつ!!しか出てこない。

 the 原爆オナニーズもオナニーマシーンも出てくるのにセックスピストルズが出てこないなんて。夜伽よりも自涜という事なのか・・・。

 真心ブラザーズの名曲「秋風」の一節が頭に浮かぶ。「こんな僕に似合うのは 秋風 オナニーぐらいだ」こーいうのはスラスラ出てくるのに、、、。

 皆さんの穏やかさを祈って。

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