時に人は可笑しみの為にくだらない事をするのではなく、哀しみの為にくだらない事をします。

  暗い部屋の中でこのnoteを書いている。床には新作公演台本作業の資料や袋から出してもいない本がめちゃくちゃにばら撒かれている。机には大量の領収書、大切な書類、やや大切な書類、すげえ大切な書類が地層の様に積み重なっている。そうして暗い部屋でこのnoteを書いている。

 夕方に外から帰宅した。台本作業の前にやらなくてはいけない事務作業がタンマリあった。それを嫌な顔をしながら1つ1つクリアしていった。演劇は殆ど事務作業だ。必要な文書ファイルがいくら探しても見つからず結局また新しく作る時、無くしたと思っていたラーメン屋のポイントカードを見つけた時、その期限がとっくに切れていた時、とんでもなく気分が、理由もなく、哀しくなる。

 夜になって酒を呑んだ。お土産で貰った日本酒が大変美味しかった。そうして酔った。なのにさらに呑むから泥酔する。夢の中でコーヒーを飲む。夢の中だから美味しかった。

 私はコーヒーも紅茶も全く飲めない。ジュースも滅多に飲まない。周りの人たちはみんな飲める。羨ましいなって思う。特にコーヒー。

 今までも公演の度に制作されていた山河図によるティザー映画。今回も排気口新作公演『時に想像しあった人たち』のティザー映画が制作される。特報の映像が昨日発表された。是非チェックして欲しい。

  映像内で流れている音楽は『Komm, süsser Tod(甘き死よ、来たれ)』である。『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』の劇中挿入歌。ティザー映画のタイトルは『エウァンゲリオン』このややこしさに溺れる夏でいよう。

 私は夏になるたびに『新世紀エヴァンゲリオン劇場版 Air/まごころを、君に』を観返す。何だか元気になるからだ。みんなも観た方がいい。

 村上春樹を読んでいた。面白かった。先月も読んでいた。先月は『スプートニクの恋人』今月は『一人称単数』を読んだ。

 台本につまると近所の高級老人ホームの周りを散歩する。この前、職員の人に声をかけられた。「暑いですね」と言われたから「暑いですね」って答えた。

 いつか人は死ぬのだけれど、死ぬときは出来れば天井が高いところで死にたい。近所の高級老人ホームの天井は高い。

 いつか目の覚めるような夏に会えたらいいね。排気口新作公演は全ての生き物が希死念慮を抱きしめる9月下旬。そこまでを夏だと言い張ってここまで私は生きてきた。

 『Komm, süsser Tod(甘き死よ、来たれ)』の元ネタはビートルズ『Hey Jude』

 ねぇ、ジュード、落ち込まないで 悲しい歌だって、明るくできるさ
あの人を大切に想い続けるんだ そうすれば、良い方向に進んでいけるから

 いい歌だよね。皆さんの健康と穏やかさを祈って。

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?