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濁りのない観察の目から生まれる宝石のような作品〜小原古邨

〜 小原古邨の子ども時代 〜

古邨は日本の季節の色彩と生き物たちの姿を
天才的な観察力によって生涯描き続けた画家です。

その作品のどれもが丁寧に描かれ、
自然や昆虫や動物たちへの愛の眼差しが
向けられています。

古邨についての経歴や資料はとても少なく
詳細に知ることはできません。
なので古邨についてわかっていることを元にして
私の思うことを書いていこうと思いました。

今回は古邨の子ども時代について。

古邨の父は加賀藩に仕える家臣で祐筆でしたが、
古邨が5歳の時に他界しました。
家族は7歳年上の兄と身重の母がいました。
そのため、生活は困窮していたようです。

「たそがれ清兵衛」
みたいだったのかな?

父譲りの才能を持ち合わせた古邨は
7歳の頃から鈴木華邨の下働きをしながら
絵を習得したようです。

古邨の絵には鳥や昆虫、
動物の親子、つがいの姿が
たくさん描かれています。

親子シリーズの中でも
私の好きなのがこの
「芭蕉とニワトリの親子」

私はこの絵を見ると、母と一緒の
まだ幼い小さな古邨に見えて仕方がないのです。

歩きたての古邨と元気だった頃の母。
・・それは家族で過ごした記憶。

7歳で有名な画家の下働きをしながら
その道を極めた天才画家、古邨の内には
野心などではなく・・

自然や生き物を観察し描くことの中で
満たされていくもの
癒されるもの
支えてくれるものや生きる力を
自分に与えて続けていたのではないかと・・
私はそう感じました。

濁りのない観察の目を持ち、自然の変化、
生き物たちに寄り添うように描く古邨。

私はこの絵を見ると、
子ども時代の古邨がそこにいるようで
涙腺が緩んでしまうのです。

宿命に負けないことを
この絵は私に教えてくれるのです。

                 ーキョウコ

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