α7Ⅳを買った。いや、買ってしまったんだ。
私は10年来のCanon党で、Canonの5D Mark2~5D Mark3世代の愛好家です。つまり、肌色に黄色味が入っているのや、シャドウにグリーンが載っているのは許せない!みたいな生き方をしていたわけですが、そんな私が、機材の老朽化に伴い、とうとう蔵替えをしました。しかも、キヤノンでは無くSonyに。
撮ってだし画像を見ながら、その気持ちの変遷を機材と共に綴ります。
αEとの7年くらいに及ぶ戦い
①α7II
以前からSonyを持っていなかったわけではなく、サブ機に使おうとしては挫折、ということを5年ほど繰り返していました。初めに買ったのはα7II。色はともかく、オールドレンズ母艦としては優れていたためでした。
ただ、これをメインマウントとするには、怒られそうですが当時の5D2や3と比べておもちゃにしか見えず、正直ピンとこなかったわけです。当然α7初代なども同様で、仕事に使うなんてもってのほかで、趣味でぜいたくに使うにはいいかな、程度でした。
結局、700カットほど撮った時点でその時の自分は飽きたらしく、ここで7Ⅱは消えていきます。当時価格で10万円の価値は見出せなかった様子。今だと(ぜいたくな遊び道具としては、)わるくないかもしれませんね。手振れ補正付きだし。
②(ちょっと違うけど)RX1
逆にこいつは今でも好きで、でも持ち歩くことをあきらめたαシリーズのような何か。映りとコンパクトさは満点なんですが、いかんせん本当に衝撃に弱く……ガラスのような繊細な扱いを必要とされるカメラでした。車から降りるときに座席から床に落としてしまった50cmが致命傷となり、還らぬカメラとなりました。
ただまぁ、AFは遅いし脆いので、当然のように仕事機材には使えないわけですよ。誰かに触らせることもできないし。こちらも高価な趣味機材でしかなかったわけです。なんともピーキーなカメラ。
③α7Sでようやく慣れてくる、何かに
α7Sを見つけたのはカメラ屋のジャンク売り場で、なんと5万を切る価格で手にしました。確か2021年の初め頃。こいつは初代α7と同時期と思えないくらいには出来がいい。なぜならAFが暗所に当時比で圧倒的に強く、ISOオートで撮ってもそれなりに絵になったから。マニュアルモードでSSを固定してあげれば仕事をしてくれるカメラだったので趣味機としては現在も重宝しています。
まあ、でもそれでも趣味機にしかなりえないんですよね、A3で印刷してもちょっとしんどそうにするもので。あとやっぱりAFはだめだめ。どれだけいいレンズを奢ってもきっとそんなに早くならないんだろうな~って思います。雰囲気を味わうカメラ。
まとめ:2021年の11月時点では、趣味機にしかなりえてなかった
なので、描写が気に入るタイミングはあるけど、AFは怪しいし、純正レンズの取り回しが貧弱なグリップでは好きになれないし、シングルスロットを長く続けるし、7Ⅱまでは完全に眼中にありませんでした。仕事ではつかえないなぁ、と。
これが7Ⅲになってデュアルスロットになった時は多少気にはなったんですが、相も変わらずグリップが頼りないことと、結局根本的な背面液晶での映りがピンとこないことと、シャッターフィールが気に入らないことなどから見送っていました。
趣味機材にするにはそろそろ微妙な価格になってきたのもありますし、2400万画素(5D Mark3とほぼ一緒)だったし。まぁ難癖付ける割には基礎性能(AF/AE)にあんまり文句言ってないのは、その辺はだいぶ向上が見られたからですね。これが、2021年12月に、ちょっと変わってくるわけです。
写りもそこそこでグリップがでかいα7Ⅳ
そう、出たんですよα7Ⅳが。Jpgの写りを細かく設定できるため液晶画面での見栄えも前より数段階向上し(Canonより結局まだ好きではないけど)、うるさくないクライアントには気づかれない程度にきれいな肌色が出るようになりました。
しかもグリップがでかい。これによって5D3と大きさはあまり変わらなくなりましたが、FE24-105mmがちゃんと振り回す気になれる。それでいて動画も順当進化し、3300万画素あれば今までの中判に近い使い方だって(ちょっと無理すれば)できなくもない。
動画のことを1mmでも考えるクリエイター/個人事業主の方であれば、いったん迷わず買えるカメラが、ここでようやく出てきたわけです。これはちょっと衝撃でした。ようやく来たんだなぁ、という感想。
これらがあって、もうOHを何度も重ね、そろそろ治せなくなってきたEF24-105mmを見ながら、マウント変更をとうとう決意したわけです。ここまで7年。ぶーぶー言って使ってた人間が、とうとうSONYに魂を売りました。2022年の12月末、ついにマウントを切り替えたわけです。
相変わらず撮ってだしの作例
このあたりの描写はRX1をほうふつとさせる黄色いべたっとした描写。この辺はまだうーんって感じだったので、確か電車に乗りながらルックをすこし弄っていました。ただ、ここでもわかる情報量の多さというか、RAWの余裕を今までよりは感じます。
このあたりを見ても、全体的に余裕があります。いじればどうにかなるし、いじらなくても悪くはないし、なによりトリミング耐性が高い。最新のカメラだな~、と感じます。
こうしたスナップを撮るたびに感じる高い実力。ただ、3300万画素のJPGはLだと20MBを超えてしまうので、いまのα7Vまではいらないかなと同時に思ったりします。あっちだと40MBくらいだと思われるので、データの編集が大変そうだ……
そろそろ小さくまとめます
実際に仕事や趣味のポートレートで使っても、その色味の改善具合は一目瞭然。肌色がちゃんと肌色といえる……そんな当たり前と機材への信頼感をようやく感じることができるようになりました。α7Cでは当然のようにダメなんですが。(FE70-200mm f4であっちはピントを外しまくります)
ようやく、すべてを「こんなものでいいか」と思えるようになったミラーレス、そしてα。これがまた5年後くらいにはすごい進化をしていそうで楽しみですが、今はとりあえず、この高画質描写にドキドキしておこう。肌色ももうちょっと追求しつつ。
フルサイズ+24-105mmという組み合わせを長く愛好する私ですが、最近は20-70mm f4など、意欲的なレンズが次々と出ています。こうしたレンズもうまく取り入れながら、最適な環境を追い求めていきたいなぁと思います。こうして、私はめでたく(?)ついにαに陥落。
「とりあえず写ればいい」「でも撮ってだしで見たくない色は見たくない」そんな人間がようやくαと和解した、7年の軌跡でした。おしまい。
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