【talk】夫との馴れ初め
子供のころから家庭を持つことへの憧れを抱いていた私は、26歳のときに婚活を始めました。
いわゆる好きな男性のタイプは「男らしい人」だったのですが、俺についてこい!な感じというよりは、何があっても動じない冷静さを持っていて私が全体重をかけて寄りかかっても大丈夫と感じられるような、大きく構えた人に魅力を感じていました。
そういう人と一緒にいると安心することができたんですね。
婚活中は毎週のように出会いの場に誘ってくれる友人が何人かいたので、そこから沢山の男性と出会うことになりますが、私はなかなか好きになる人に出会うことができませんでした。
そうして婚活を3年ほど続けたとき、夫に出会います。
夫は私の高校時代の友人からの紹介で、まず2週間ほど連絡を取り合っていたのですが、言葉が丁寧で静かで優しく、会う前から良い印象を抱いていたことを覚えています。
好きな本を紹介し合ってお互いに読んだ感想を言い合ったり、趣味のお話をしたり、行って良かった旅行先について教えあったり、他愛のないことばかりですが穏やかなやり取りが続いていました。
その後2人で初めて会ったのですが、初対面のときは夫に対して特に何も感じていませんでした。
夕食を食べるには少し早い時間の待ち合わせだったので、先に喫茶店で過ごしたのですが、そのときも何も感じていませんでした。
その後食事をしながらあれこれとお話をしていたとき、いきなり視界がサーッと明るく晴れていくような、そんな感じがしたんですね。
ビビビッというやつでしょうか。
そのとき、夫がまさに私の思い描いていた理想の人であることに気が付きました。
その後お付き合いに至り、1年後、出会った日に入籍しました。
出会った日から理想の人だった夫は、結婚して2年経った今も理想の人でい続けてくれています。
実は私は夫と出会う1年ほど前に、私の両親の反対により別の男性と一度結婚が破談になっており、とても傷ついたことがありました。
そのときは立ち直るのに時間がかかり、精神的に辛い日々を送っていました。
婚活が上手くいかず、明るい未来が見えなくて不安でいっぱいで、お風呂で膝を抱えて泣いていた私が、こんなに幸せな結婚をすることが出来るとは思っていませんでした。
挙式は親族のみだったのですが、タイトな日程だったにも関わらず、たまたま式場の方でキャンセルが出て希望の日に挙げられたり、新居を探しに仲介業者を訪ねたときに、たまたま前日にリフォームが終わったばかりの物件に一番最初に見に行くことができて決められたり、他でもいくつか幸運を感じることがあり、まるで神様に祝福してもらっているかのような不思議な感じがしたのを覚えています。
婚活時代は色々なことがあり、しんどい思いも沢山しましたが、全て無駄ではなかったんだなと今は感じます。
これから先の長い人生、何が起こるかはわかりませんが、今ある穏やかな毎日を大切に過ごしていきたいです。
夫に出会えていなければ、今も結婚していなかったかもしれません。
この世に生まれてきてくれてありがとう。
私と出会ってくれて、好きになってくれてありがとう。
一度きりの人生で一緒に生きられることを幸せに思っています。
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