見出し画像

第21話 瞑想の秘密 其の弐 フロー状態と身心脱落

ネコ仙人とゆめみは、小川のほとりに座りながら、
瞑想について深い話題に没頭していました。
ゆめみの厨二的な問い
“瞑想で超絶的なパワーは手に入るのか?”
に対してのネコ仙人のアンサーはこういったものでした。

ネコ仙人 : 「そうだにょ〜、ゆめみはフローという状態について聞いたことがあるかにょ?」

ゆめみ : 「フロー⁉︎ うーん、、
たしかスポーツ選手とかの話で聞いたことがあるかも?」

ネコ仙人 : 「そうだにゃ、スポーツのような競技のパフォーマンスではよく聞く話にゃ。
そのフローとは、
ミハイ・チクセントミハイが提唱した、
ある特定の条件により集中力が極限にまで高まった状態のことなんだにゃ。
このフローという状態を紐解くと、
8つの要素から成り立っておるといわれておるにゃ」

ゆめみ : 「8つの要素??それってどんな要素なんですか?」

ネコ仙人 : 「8つの要素とはまず、

①行動に明確な目的があること
②直接的に即時フィードバックができる状況
③挑戦と自分の能力/スキルのバランス
④専念と集中

まずこれが大切にゃ。」

ゆめみ : 「それって、やっぱりスポーツとかの試合のことにもなりますよね?」

ネコ仙人 : 「その通りだにゃ♪
それから、

⑤自分(自己)に対しての意識が低くなる
⑥時間の歪み、時間の感覚が変わる
⑦状況や活動を制御/コントロールする感覚
⑧その活動そのものに本質的な価値がある

が続く重要な要素にゃ。」

ゆめみ : 「なんだかずいぶん抽象的でややこしくなってきましたね、、、大変な状態なんですね〜、、
アスリートでもない人がそれを習得するのって無理くないですかね?!」

ネコ仙人 : 「たしかにフローの状態を発揮するためにはそれ相応のトレーニングが大事だにゃ。
しかし、そこは挑戦するレベルと必要なスキルのバランスが大きく関わるんにゃ。」

ゆめみ : 「挑戦のレベルと必要なスキルの関係によって、フローに入れるかどうかが変わる?!」

ネコ仙人 : 「そうなんだにゃ。
挑戦のレベルが高すぎると不安になってしまう。しかし、同時にスキルのレベルを上げていけば、いずれ挑戦とのバランスが整うことになる。そしてそれにより覚醒して、その先にフローの状態が待っているって感じにゃ。」

ゆめみ : 「まぉたしかに、それってできたらすごく魅力的な状態ですよね〜。そっか〜挑戦とスキルバランスなんだ〜。それで、例えばフローの状態に入ると、自分の能力を最大限に発揮できたりするのかしら!?」

ネコ仙人 : 「その通りだにゃ♪
フローに入れると、自分の今持っている真のポテンシャルを引き出し、優れたパフォーマンスが期待できるんにゃ。」

ゆめみ : 「そっかそっか〜、、ンで、、
その〜、フローの状態って、瞑想とどう関係があるのかしら…?」

ネコ仙人 : 「ほほっそうだったにょw
たしかにフローと瞑想は違うものだにゃw
ただしその二つには共通点があるにゃ♪
瞑想を続けていくことで、フローと似たような感覚になれるんにゃ。」

ゆめみ : 「っていうと。瞑想を通じて、フローに入れるってことですか?」

ネコ仙人 : 「辿り着く境地の体験が、
非常に似ているにゃ♪
瞑想をしていると、ある時、
心身が解放されて心地よい状態になることがあるんにゃ」

ゆめみ : 「心身の解放、それとフローの状態と何か接点があるのですか?」

ネコ仙人 : 「そこなんだにゃ、
フローと瞑想の共通点、
それは ”身心脱落” にあるにゃ。」

ゆめみ : 「身心脱落??、それってなんですか?」

ネコ仙人 : 「”身心脱落”とは、禅の曹洞宗の開祖、道元が悟りを開いた時の言葉だにゃ。
身も心も一切を離れて、苦しみから解放されるという意味だにゃ。」

ゆめみ: 「へぇ、禅の教えの中に心身の解放があるのですね。えっとその、、
心身の解放とフロー状態って何か関係あるのですか?」

ネコ仙人 : 「実はフローの状態に入ることとは、
心身が解放されるような心地よい状態になることでもあるにゃ。」

ゆめみ : 「フローと心身脱落って、同じような境地にいるってことですか?
それはなんだか不思議でおもしろいな☆」

ネコ仙人 : 「その通りだにゃ♪フローも瞑想も心身が解放される状態という点においては非常に近い状態を体験しているにゃ。」

ゆめみ : 「でも、フローは、主にパフォーマンスで発揮されて、瞑想は心の状態というか、精神の状態って感じですよね?」

ネコ仙人  : 「そうなんだにゃ、まぁ見方を変えればアプローチは違えど同じ境地を目指している。
スポーツおいても精神の状態はとても重要な課題。そして、瞑想においても身体の調子や健康は問題になることもあるにゃ」

ゆめみ : 「つまり、フローの状態は試合の結果を求めるのに加え、行き着くところは心身の解放で、瞑想においても、心の安定を求める先に、辿り着く境地に心身の解放があるってこと!?」

ネコ仙人 : 「まさにその通りだにゃ♪
フローも瞑想も、それぞれ心身の解放へ向かっており、それは人の思考やパフォーマンスにおいて、
能力を最大限に発揮できる状態ともいえる。
つまり、心身の解放、身心脱落の状態は本領発揮のスタート地点とも言えるのかにょw」

ゆめみ : 「難しいことに挑戦しスキルをあげることで、フローに入れるようになり、心身の解放を体験する。
瞑想を続けることで気づきをおこして、ある時、
身心脱落を感じれるようになるってことですね!」

ネコ仙人 : 「まぉそれがひとつのフローと瞑想の共通点と、とらえることはできるかもしれんにょ♩」

ゆめみ : 「おもしろいですね、フローと瞑想にそんな共通点があるなんて☆
どちらも何かに向かっていく姿勢があるからこそ、その先にある”身心脱落”の過程に入っていくのね!」

ネコ仙人 : 「そうだにゃ🎶
大切なのは何かに挑戦することで成長していく、
そしてその過程を楽しむことだにゃ♬」

ゆめみ : 「うん、なんかワクワクしてきた!はやくその瞑想のやり方を教えて!」

ネコ仙人 : 「ほほっwそうだにゃ♬
それではいよいよ
瞑想の実践に入るとするかにょ。

名付けて、

集中瞑想 壱の型「呼吸瞑想」だにゃ‼︎」

ゆめみ : 「ッッ‼︎‼︎」

ゆめみはネコ仙人の少年漫画的アプローチに、
さらに心を踊らせた。

ゆめみ : 「はいっ‼︎ お願いします!!」

こうしてゆめみとネコ仙人は、フローに関する興味から瞑想の深い話にまでおよび、
いよいよ瞑想の実践へと向かうのであった。

つづく

この記事が参加している募集

新書が好き

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?