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萩原珈琲の「ブレンド」。実は2つの系統。その②オリジナル系ブレンド。

萩原珈琲のブレンドには、大きく分けて2つの系統がある。1つは、昭和から続くクラシック系。そして、もう1つが近代的な手法で配合しているオリジナル系だ。今回は、後者「オリジナル系」について、その誕生背景や特徴をご紹介。

■ 現在の萩原珈琲を支えているブレンド。
豆の種類をたくさん混ぜて、互いに補い合うブレンドという言葉がぴったりのクラシック系ブレンドに対し、このオリジナル系ブレンドの最大の特徴は「個性を活かす」配合になっている。これは、豆の品質や供給が「安定的」に入荷されることを大前提としていて、ベースとなる豆をたっぷり使用し、その個性を残しつつ「飲みやすく」仕上げる。結果的に、配合している「豆の種類が少ない」ことが最大の特徴。

例えばエチオピア・モカなどは、熟れたいちごの様な果実感が特徴で、少し酸味も強い。この香味を残しつつ、少し酸味をやわらげたり、重厚感を加えたり。決して特徴が消えてしまわないように、細心の注意を払っている。

■ 計量方法は現在と同じkg法。
クラシックが未だベースに尺貫法を用いているのに対し、オリジナル系ブレンドは「kg法」を用いている。さすがに、現在手法だけあって、1㎏、5㎏、10㎏と何でもきりの良い数字に合わせることができるので、とても便利。100gというオーダーにも対応できちゃう優れもの。

■ 現在の種類となるブレンド5種
オリジナル系ブレンドには次の5種がある。
①:オリジナル・ビター ( ニブラブレンド ) 
 サントス・ニブラの切れのある苦味を活かしたブレンド。
②:オリジナル・ブレンド (モカブレンド) 
 エチオピア・モカの果実感を残しつつ、飲みやすくしている。
③:オリジナル・マイルド (スプレモブレンド) 
 コロンビア・スプレモの強い甘みと、透明感を重視。
④:オリジナル・スイート (キリマンジャロブレンド)
  キリマンジャロの鋭い酸味と重厚感を活かした配合。
⑤:オリジナル・アメリカン (グアテマラブレンド) 
 グアテマラの軽やかな口当りを引き出し、飲みやすくしている。

■ 長所と短所
配合のシンプルさから、最大の長所は「生産国の風味を感じつつ、飲みやすい」ことだ。モカ単体だとちょっと酸味や個性が強くて苦手、でもモカブレンドなら飲みやすい。これが、ブレンドコーヒーの真骨頂でもある。

一方で、豆の配合数が少ないことから、風味を補い合うことができず、「加熱や保温」にはめっぽう弱い。熱を加えると香りの変化(劣化)がとても目立ってしまい、せっかく引き出した個性が台無しになることも。抽出の方法は自由だが、やはりおすすめは「淹れてすぐに飲む」ことが重要になってくる。もちろん、クラシック系ブレンドのような、複雑な配合で互いの風味を補い合っている場合でも、すぐに飲むことをおすすめしたい。

かつての昭和喫茶ブーム、「不安定」が前提だったクラシック系ブレンドの誕生背景。一方で、安定が当たり前となった現代。お客様のニーズ、こだわりの高まりとともに誕生した

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