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本の備忘録

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16年前くらいから、読んだ本の備忘録として、それから未読の積読本も相当溜まっていたので重複して購入しないようにと、書評というには拙い内容をとつとつとブログで綴っていました。 6…
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#毎日投稿

本のことをとつとつと

16年前くらいから読んだ本の備忘録として、それから未読の積読本も相当溜まっていたので重複して購入しないようにと、書評というには拙い内容をとつとつとブログで綴っていました。 6年ほど続けたものの、忙しくなって中座して今に至りますが、今回会社で綴っているコラムをアップし始めましたので、並行して過去の備忘録をこちらにもアップしてみようと思い立ちました。 一番新しくても6年前の本にはなりますが、いいお話は時代を越えますので何かの参考になればと思います。

部下の成長

以前、地域の会社を3社兼務していた時に、自分が住み暮らしていた地域の会社の業績だけがどうしても回復しませんでした。 その時に上司から一冊の本が贈られてきました。 タイトルは、「最高のリーダーは何もしない」。 手紙も何も添付がなく、ただ本だけが送られてきましたので、本の内容から上司の意図を読み取るしかありませんでした。 実際にはタイトルどおりに「何もしない」というわけではありませんが、一番しないといけないことは企業理念や方針を伝え続けていくこと。 そして、それを受け止

透明になった時の対処本

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2005年10月28日に投稿したブログより。 面白い本に出会えることは嬉しくそして喜ばしいことです。 娯楽のエッセンスがぎっしりとつまった、本の雑誌でここ30年のベスト1に選ばれた作品。まあ果たしてベスト1かどうかは別にしても、一気読みは間違いなしです。 透明人間って聞くと、俺らの世代はイクラを食べると透明になっちゃう下世話なマンガ(驚くことにまた新たに連載が

男の品格とは?

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年8月24日に投稿したブログより。 久々の教養本。ホント小説ばかりしか読んでなかったですし。 これは上司から薦められました。 しかも夜のお付き合いでご迷惑をおかけした相手からだったので、手渡されてタイトルを見た瞬間は、アチャーッという感じでした。向こうもニヤッとかこころもち笑っていましたし。 ただ、読み進めていくうちに、あ、あの人は私にもっともっと成

名前をもらった女流棋士

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年8月29日に投稿したブログより。 娘の名は棋士である高橋和さんからヒントを得て、というか、まんまいただいております。 で、ご本人のことをどこまで知っていたのかというと、娘の名前を決めた時には正直知っていたのはお名前だけ。 本書の単行本版を読んでいたのは私の両親の方で、ちょうど娘が生まれた際に、本やらテレビやらで目にしていたらしく、いい名前があると薦め

殺し屋小説の佳作

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年7月12日に投稿したブログより。 めちゃめちゃ抜きん出ている訳ではないけれども、新作が出るたびに手にしてしまう、そんな作家の一人です。 殺しの動機や、痕跡をきっちりと消して仕事をすることからも、消し屋を名乗る主人公の殺し屋小説。 一匹狼の主人公が淡々とターゲットを見定めたり、語ったりするあたりは、ローレンス・ブロックの殺し屋ケラー・シリーズを彷彿とさ

優しいお話

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年7月26日に投稿したブログより。 このテイスト好きです。 博士の愛した数式を読んだ時には、あまりにも作品自体がメジャーになっていたので考えもしなかったのですが、小川洋子のテイストって結構いしいしんじに似ているのかも、と今回読んでみて感じました。 フワフワとした感覚の中、意味不明と言うかヘンテコリンなキャラクターが出てきて、何だか分からないうちに絵本の

ブ厚くても一気読みで最高の読後感

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2005年12月21日に投稿したブログより。 おそらく今年読んだ中でも1,2を争う家族小説の佳作です。 前から気になっていたのですが、案の定今年の文庫王国ベスト1の座を獲得。それも納得の読み応えです。 娘二人と両親の四人家族が主役ですが、母親は20年以上のプチ家出中、お父さんは変化やトラブルを嫌う超ことなかれ主義、姉は甲斐性なしの男へ貢ぐことを生き甲斐とし、妹

ノンフィクションの佳作

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年7月4日に投稿したブログより。 いや、いい!!やっぱり、とてもいいです。 昨年読んだ本のナンバーワン、「聖の青春」と同じ作家による、同じ将棋が舞台のノンフィクション。 この人自身が将棋の世界の人だったこともあり、めちゃめちゃ想いが入っていますし、取材相手も皆作者のことをよく知っているので、ノンフィクションと言うよりは、むしろ自伝と言うか私小説のような

巧くて泣かせる短編集

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2007年8月28日に投稿したブログより。 親友が亡くなった男の子。 息子が突発性難聴に。 子供の脳内に悪性腫瘍が。 下半身麻痺の息子との軋轢。 などなど。 こういうのをさらっと描かせたら、非常に巧いこの作家。 ある日突然日常に降って来た苦しみ。 再び立ち直っていくその過程をしみじみと描くので、当然お涙頂戴となりますが、それを嫌味なく描ききるところが巧さ

紙面上で現場体験を

実際の現場のスタッフさんたちは共感して読まれるのではないでしょうか。 わずか120ページ余りの、マンガ本というには軽量ながらも、その中身はたっぷりと私たちの仕事の要素が詰まった一冊。 病院で患者さんを診るのと違って、その方の家でのあり様に関わっていく。 人もそれぞれですし、訪問するそのお家の中の様子や、ご本人とご家族との関係性、その上でご家族とこちらとの関わり方も千差万別です。 パステルカラーの柔らかいタッチの絵の中に、突然ギラリと射し込まれるリアルな表情や場面。

はずれのない作家

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2008年7月22日に投稿したブログより。 小粒ながら、冴えないモテない男女の短編を描いたらピカ一のこの作家。 いつも楽しく読んでおります。 今回も期待を外さずに定番路線の短編集。 この調子で書き続けてくれたら、近い将来何か賞でも獲って注目されること間違いなしか? サラッと読めてクスッと笑える。 もともとは珍しい版元から新書版で出ていた佳作です。 今日

サルでも解けるミステリー

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2008年11月10日に投稿したブログより。 ああ、あのユーモアはもう味わえないのだろうか。 正直、昔の荻原浩の作品が好きでした。 まあ、色々なジャンルを書いているようだから、また戻ってくれるかもしれませんが。 読禁法が個人的に施行されてから読んだ最初の一冊。 禁止された際は併読中だったということでご勘弁を。 それでも相当ペースダウンしています。 サルに言

お姉さんへの憧れ小説

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2006年5月20日に投稿したブログより。 薄い本だったので、あっという間に読了。 タイトルに書いたとおり、少年たちのお姉さんへの憧憬を交えた青春小説の佳作です。 ただ、単なる憧れのお姉さんではなかったことが、この小説のポイントです。 毎度信頼を置いている小説すばる新人賞の受賞作。 いまだにハズレなしですわ。 ただ、ネタバレ覚悟で述べますと、ネットを使い慣