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本の備忘録

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16年前くらいから、読んだ本の備忘録として、それから未読の積読本も相当溜まっていたので重複して購入しないようにと、書評というには拙い内容をとつとつとブログで綴っていました。 6…
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2021年10月の記事一覧

おかしくも切ない私小説

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2010年5月30日に投稿したブログより。 アル中の戦場カメラマンの私小説。 鴨ちゃんと言えば、サイバラ漫画のファンはご存知かもしれませんが、「毎日かあさん」の漫画家・西原理恵子の元夫の中毒者。 亡くなる前、癌が判明して再び家族一緒に住む前の、入院中の顛末を私小説風に描いています。 最後に、「フィクションです」の断り書きがありますが、ほとんどの読者はそうでは

この作家もハズレなし

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2009年4月29日に投稿したブログより。 この作家も幅広いジャンルを押さえています。 時代、スポーツ、SF、警察ものと多岐に渡れどほとんどハズレなし。 今回は「キューブサット」が題材に。 キューブとは立体、サットとはサテライト、つまり人工衛星のことですね。 高校生の素人集団が、ひょんなきっかけで人工衛星を飛ばすというお話。 知識もやる気もない奴らが、仲

若い作家の台頭

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2011年2月5日に投稿したブログより。 年とったと感じます。 早稲田大学在学中の有望株。これを書いた時は20歳か、まだ10代の時だったかも。 気になっていて、たまたま安売りしていたので買ってきましたが、生まれ年を見て、「げっ、若いな、失敗したな。」と言っていたら、カミさんに「年齢で決めなくてもいいでしょ。それに自分何歳だと思っているの。自分より若い人は沢山い

出馬ノウハウ満載小説

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2009年7月5日に投稿したブログより。 タイミング的に選挙の時期ですね。 積読本より。 作者名ありきで購入していたので、タイトルからはギャンブル小説かと思っていました。 ある意味物凄いギャンブル小説でしたけど・・・。 アマルフィの原作者ですね。ホワイトアウトでの原作者でもあるから、織田裕二好きなんでしょうか? 何故か映画ドラえもんの脚本なんかも手がけて

ミステリーよりも人間関係

これまで多くの本を読んでまいりました。 移動時間の多かった時には、年間250冊くらい読んでいて上司に制止させられたこともあります。 そして、家に置いている未読の蔵書数は1,800冊あまり。 今から月間10冊ずつ読んだとしても、あと15年かかります。 どうするのでしょう(-_-;) 様々なジャンルの本を読んでくると、不思議なものでどれも嫌いにはならないのですが、今の時期にはこういったジャンルはあまり読みたくないとか、なぜかひたすら同じジャンルばかりにハマってしまう周期

西遊記の世界とツンデレの融合

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2010年9月19日に投稿したブログより。 日本ファンタジーノベル大賞受賞作。 西遊記の世界観に、ユーモラスでキュートな師弟の恋愛模様を足したような物語。 西遊記と違うのは、師匠の方に本当に力があるということ。 師匠は仙人。そして見た目は若い女性。 弟子は弱気な道楽青年。 そんなダメダメっぽい感じの弟子ですが、ぐうたら過ぎたのが吉と出たのか、どんな摩訶不

子供に読ませたいサイバラ節

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2010年9月19日に投稿したブログより。 とてもインパクトのあるタイトルです。 でもタイトルの毒に騙されてはいけません。 この作家の根底に流れるもの。 読めばその大切な想いがきちんと伝わってきます。 働きなさい。 働くことが、しあわせにつながるのですよ。 不器用でも、温かくしみじみと伝わってくるサイバラ節でした。 このシリーズは、「学校でも家庭でも

青春小説のお手本

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2009年9月14日に投稿したブログより。 よくあるスポーツ小説と言われれば、まあそうです。 でも、逆説的に言うと、スポーツ小説はこうでなくっちゃ、と思います。 代表的なサッカー小説「龍時」とは違って、世界を視野に入れるような主人公たちではなく、キャプテン翼のようなヒーローがいるわけでもありません。 皆、どこにでもいるような町内少年サッカーチームのメンバーで

和製伝奇ホラー小説の元祖

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 最新作の白鯨 MOBY-DICK、珍しく海外作家くらい高かったですが我慢できなくて購入してしまいました。 2009年9月21日に投稿したブログより。 21年振りのミスター・仙人こと、闇狩り師シリーズ最新作。 読中の感覚も21年前と変わりません。 妖についての解釈が、少し陰陽師っぽくなったかな。 でも、そもそもは陰陽師の原点でもありますし。 これを読んで気

らしくないのか、らしいのか?

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2009年10月1日に投稿したブログより。 ビートルズのリマスター版「ゴールデンスランバー」を聴きながら読み始めました。 この歌は小説のタイトルにもなっていますよね。 トリビュートでスティーブン・タイラーが歌っているのも好きです。 今までとは違った作風とは聞いていましたが、確かに伊坂幸太郎っぽくないといえばない。 でも伊坂幸太郎らしさも随所に感じられます。

ホロ苦ポップなミステリー

週末や祝日は、過去の読書ブログからの転記が多くなってしまいますが、お付き合いのほどよろしくお願いいたします。 2009年10月12日に投稿したブログより。 まだ、ストロベリーナイト・シリーズや武士道シリーズに出会う前の記録ですね。 少し前に竜巻ガールという小説を読みましたが、どちらもタイトルが似ていてまぎらわしいですね。 まあ、両方読みたいものだったのでいいのですが。 こちらはロックなギター少女が主人公のお話。 天才ギター少女と、その少女を売り出したい気弱なスカウ