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【鉄欠乏性貧血と栄養】

貧血になったらとりあえず鉄を摂っていませんか。
この考え方は安易な考え方です。

鉄欠乏性貧血にはヘム鉄・ビタミンB群・ビタミンC・ビタミンE・ビタミンA・たんぱく質・亜鉛が必要です。

貧血は症状でありながら診断名ではありません。そのため基礎疾患を探る必要があります。血液検査を行うと「ヘモグロビン低下があるため貧血」
→鉄を摂取しましょう。となるのが鉄板です。

小児においても、鉄欠乏性貧血が発達障碍や行動異常を伴う事がある。
なので鉄欠乏性貧血は子育ての頃から【予防】が大切となります。

鉄不足が起こる原因

【吸収の低下】
胃切除や、無胃酸症、疲労により胃酸分泌低下が起こると、胃酸の作用による鉄の吸収ができなくなります。またダイエットや偏食により、鉄そのもの摂取量が少なくなります。

【需要の増大】
成長記の子供、スポーツ選手、妊娠・授乳により胎児や乳児への鉄供給量が増え、鉄不足や生じます。

【喪失亢進】
消化管潰瘍、月経、子宮筋腫、子宮筋膜症、がんなど慢性的な出血により鉄を失います。消化管の出血は100mlで50mgの鉄を喪失し、月経は月に30mgを喪失します。

食べ物から吸収できる量

ヒトは食べ物から10~15mgの鉄を摂取したとすると、吸収できるのは1mgと言われています。全項目の胃酸が少なくなると、吸収低下が起こるように、鉄だけとっても計算通りにはいかないことがあります。そのため、ほうれん草・プルーンなどから取れる非ヘム鉄の吸収を促進するには、ビタミンCの摂取、たんぱく質摂取、胃酸分泌などが大切になってきます。食物繊維の多量の摂取やタンニンの摂取は鉄の吸収を阻害します。

生体内の鉄は2つに大別される

赤血球内のヘモグロビンに含まれる鉄【ヘモグロビン鉄】
肝臓などに貯蔵される鉄【貯蔵鉄】

鉄が不足すると、貯蔵鉄が減少し、貧血のない鉄欠乏を経て、鉄欠乏性貧血となる。健常成人の鉄量は約3000mg(3g)で、鉄が満たされている場合は、日常生活に支障はありません。

食事面から考える鉄欠乏

鉄の吸収は、消化管で決まります。
個人の赤血球生産能、貯蔵鉄量、食事量の鉄の量と質、吸能、阻害物質により、体内に吸収される鉄は1~50%まで変動する。そのため、吸収率の良い鉄を摂取できる食事が求められる。

貧血は赤血球の大きさと数で決まる

赤血球は酸素をエネルギーとして使わない。
代わり、人類で最も大切な栄養素【ブドウ糖】を利用する。
酸素を運搬する赤血球が酸素を使ってしまっては本末転倒。
運動中も酸素を消費しないので合理的ですね。

赤血球の形状はコレステロールに依存している

赤血球の形はドーナッツのような形をおり、血液中のコレステロールは赤血球膜の材料となる。コレステロールが減少すると赤血球は球状化します。
赤血球はドーナッツのような形状をしているため、直径よりも小さな毛細血管をカラダを折りたたみゆっくりと進むことができますが、球状化すると毛細血管を通りにくくなります。酸素の運搬ができなくなるということです。

赤血球の寿命は120日

赤血球膜は他の細胞よりも活性酸素に弱いいため、アルコールの摂取は、代謝過程で多くの活性酸素が発生し、赤血球が壊れやすくなります。血液検査での数値にも変化が現れます。

鉄欠乏に伴う症状

・顔面不良 眼瞼結膜 まぶた裏の蒼白 息切れ 動悸 頻脈 心拡大 頸静脈コマ音 収縮期心雑音 頭痛 めまい 失神発作 耳鳴り 狭心症 易疲労感 倦怠感 脱力感 間欠性跛行

吸収率の良い鉄とは


①肉・魚などの動物性食品に含まれる【ヘム鉄】
ヘム鉄は体内への吸収率が高い
②植物性食品や卵・乳製品に含まれる【非ヘム】
非ヘム鉄は吸収率が低いという違い。
非ヘム鉄はタンパク質やビタミンCを多く含む食品と一緒に摂取することで、体内への吸収率がアップします。
効率よく鉄を吸収するには①の肉・魚から摂取することがおすすめです。

それでも鉄欠乏性貧血が改善されない場合は、その他の栄養素の不足が問題となっている場合があります。もしもいろいろ試してみたけど、症状が改善されないという方はご相談下さい。

そして、もしもあなたも周りで鉄欠乏性貧血でお困りの方がいらしゃいましたらこのnoteをシェアしていただけると幸いです。

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