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技術者不足だからこそ、骨の髄まで使い潰しそうで怖いというのが部外者の素直な感想。

サイバー攻撃から情報システムを守る「ホワイトハッカー」の国内競技会で、学生ら若手が企業の技術者を圧倒する場面が増えているそうだ。素直に頼もしいと思う反面、企業が抱える技術者たちに停滞の危機が迫っているのでは? と重い不安も過った。

#COMEMO #NIKKEI

日本最大規模のコンテストでは社会人チームを押しのけ学生チームが優勝。海外で最先端のセキュリティー技術などを積極的に学び力を伸ばす若者が増えているためだ。不足する技術者を渇望する企業も食指を動かし始めた。

技術者不足に企業が食指を動かすと聞いて、人手不足解消への期待よりも学生たちの安否が気になるのはなぜだろう?

身近に居る業界人の体験談のせいか、「日本のIT技術者」=人手不足予算不足を理由に、点滴を打ちながら使いつぶされ、使い捨てられる犠牲者。という偏見に満ち満ちたイメージがどうしても拭えないからだ。

事実、2019年12月に開催されたセキュリティー技術を競うコンテストの課題が「ウェブサイトの脆弱性を指摘されたが、予算の都合で直せない。攻撃を食い止める安価なセキュリティーシステムを設置してほしい」だったのだ。

うん、予算の優先順位と配分がすでにおかしい。そして経営トップの判断もおかしい。単なる費用じゃなくて先行投資なんだってば!

時間もない、予算もない、人手もない。
けれど製品の質は優良で。

こんな無茶が当たり前のようにまかり通る環境で、技術者が後進の育成にはげみ、意欲的に自身のスキルアップにいそしめるとは到底思えない。むしろ正気がガンガン削れていくだけだ。もちろん、それに続く後輩たちの未来も。

セキュリティに金はかけないけど質だけは要求すモンスターな経営層。もういっそSFみたく物理的に脳髄書き換えたほうがいいんじゃないかと思ったことは多々あれど、現時点で最良な手段がない以上は最善を尽くすしかない。

一応、経営層に訴える手段はあるけれど、結局、時間と労力を奪われるのは現場の人なんだよな……。

詳しい内容までわかれとは言わないけれど、せめて、経営におけるリスクくらいは自主的に理解してほしい。そして人と予算を寄越せ。

「知識欲と好奇心の尖兵」の職務を全うするため、いただいたサポートは色んな意味で色んな方面に投資させていただきます。ときどき紅茶と簿記・会計。そこそこ愉快な生態もたまにレベルUP