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一回5000円の散歩。それでも電動車椅子を使う理由。

こんにちは。筋痛性脳脊髄炎/慢性疲労症候群闘病中のはえちです。

先日、母が来てたんです。親族一同地元にほぼ住んでいる中、我が家だけが外に出ているので、祖母やら妹やら親族の近況を聞いたり、母のぼやきを聞いたり、まぁよく喋りました。

あんまり、人の言うことにどうこう思わないのですが、母に言われて少し引っかかった言葉が。

「あなた車椅子いくらで借りているの?どれくらい使っているの?えっ週1?それじゃ1回5000円じゃない!?タクシー使った方が安いよ」

そうなんです。

私はWHILLという電動車椅子を自費でレンタルしています。月額2万円。

そして使う頻度はというと、まぁ週1か、週2か…それくらい。

天気が悪いと出ないし、通院とか少し大掛かりな外出があった週はもうそれだけで外出キャパ使い尽くしちゃうし、せいぜい、天気が良くて通院もない時に、家から200メートルの図書館に行ったり、ドラッグストアに行ったりするくらいです。

もし可能ならば、この2万円を家族でお出かけするのに使ったり、美味しい物を食べるのに使ったりできたらいいなと思います。

だけど、やっぱり私には必要なんです。

「自分の意思で移動する」

どんなに目的が側から見て大したことなくても、いくら通販で事足りたとしても、自分で移動できるという価値には代えがたいです。

そして、健康だった時には気づけなかったこと、母も気づいていないこと。歩く必要があるのは、家から目的地までだけではないということ。

家から目的地への移動は、タクシーで代替できます。

だけど、目的地の中でも、実はかなり歩くんです。スーパーの中、病院の中、図書館の中…。健常者の感覚では、歩くうちにほとんど入っていないと思います。よっぽど大きなショッピングセンターでもなければ。

でも、歩くうちに入らない程度の、スーパーの中を歩くことがものすごく大きな身体の負担になります。

「それくらい旦那さんに車椅子押して貰えばいい」

そうじゃないんです。

WHILLがあることで、小さな範囲であっても自分で自由に動けることに、私はとても救われています。

自費レンタル、現状では誰でも可能なわけではないことは承知しています。

夫の収入と夫の理解あってのことです。

身体障害者手帳を持っている人の中でも(私は持っていません)、補装具支給で電動車椅子が支給されるのは上半身にもかなりの障害をお持ちのごくごく一部の方だそうです。

道具でカバーできる不便は、もっと公的資金を入れて解消していいんじゃないのかな、と私は思います。

移動の自由は基本的人権なんじゃないでしょうか。

贅沢品だとは思いません。

怠さや痛みは道具で解消できないし、現状薬も見つかっていないけれど、移動の不自由は解消できる道具が発明されています。

自分で移動できることで、諦めなきゃいけないことも少なくなるし、他人の手を必要とする場面も減ります。仕事ができる人だって増えるかもしれない。あと、慢性疲労症候群のように無理をすることが悪化要因となる病気の人に取っては、移動負担を減らすことで、病気の悪化予防になります。自尊心の低下による精神的な病気も防げると思います。

●人手不足のヘルパー支援のニーズ軽減
●家族の介護・介助負担軽減
●病気悪化による医療費増大の予防
●自尊心低下に由来する精神疾患発症による医療費増大の予防
●患者自身の就労可能性の拡大

道具(車椅子)の支給に公的資金を入れることは、本人のみならず、社会的にも充分にメリットのあることじゃないかと私は思うのですが…。

どうでしょうか。

この辺り、まだまだ私は不勉強ですが、福祉政策などに詳しい方にコスト計算していただきたいなぁ…と思うところです。

人口減少への道を辿っている日本、道具で解決できることなんて安いものじゃないかと。

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