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新卒4年目、会社を辞めて海外でフリーランスはじめます

2020年3月に大学を卒業してから3年9ヶ月、ついに会社員という肩書を捨てることになりました。

この3年9ヶ月で2社に勤めてきた期間、いやそのもっと前からの全ての瞬間がこの決断のためだったように思います。

今週末に私は日本を出て、海外での生活をスタートさせます。
ずっとずっと夢見ていた期限のない海外生活。

そこに至るまでの気持ちの変化やこれまでの私の経験について、ここに書き綴ってみます。


2015年4月〜2017年5月 海外に興味を持ち始めた大学1〜2年目

遡りすぎ!という感じなのですが、今の私の価値観を大きく固めたのが大学生の頃だったので、どうかお付き合いください。

当時私は大学で外国語学部に所属しており、専攻は韓国語でした。

「なんで韓国語を専攻したの?」とよく聞かれますが、「父が在日家系の人なのだが、父も私も日本語を話し日本の文化で育ってきたのでこれを機に自分のルーツについて学ぼうと思った」と答えるようにしています。

ただこれも本当は正確ではなくて、他に勉強したいことがあったのだけれどその学部に合格できるか不安で、でも大学のランクは落としたくない、という超ありきたりな、そして超消極的な理由で当時とても得意だった英語の配点が異様に大きい外国語学部を受験することにしたというのが本当の理由です。

そんなひょんなきっかけではじまった大学生活。

その大学名を手に入れるというゴールに向けて戦略的に選んだ外国語学部で、18歳当時の私は海外への興味は一ミリもなく、「日本で一人暮らしもようせんのに留学なんて無理無理」と言っていたぐらいでした。

ところが周囲はそうではないため、夏休みになれば友達はこぞって海外旅行に出かけており、私も誘われるままに付いていくようになりました。

元々旅行はとても好きだったのであっという間に海外旅行の面白さに魅了され、ざっくり海外というものへの関心が膨らんでいきます。

そして3年生になった頃、同じ学科の友達が続々と交換留学で韓国へ旅立っていくのを見送った半年後、休学かつ私費でのソウル留学を開始しました。

これが海外にさして興味のないまま大学に入った私の海外との出会いです。

(一応補足すると、2年生だった2016年頃にTWICEやBTSが韓国で爆発的に流行っており、その影響で初めて韓国カルチャーにハマって韓国留学を決意したというのもあります。)


2017年6月〜2018年5月 韓国留学

そして私の価値観を大きく変えたのがこの留学でした。

”いい大学を出ていい会社に入って長く勤めて安定した人生を送る”ことがみんなの理想だと思っていたし、私も順調にそのレールを歩んでいました。

しかし意外なことに、留学中に出会う人たちは私のような学生だけではなく、社会人経験を持つ人も多かったのです。

日本人だと、高校卒業後に韓国の大学に進学しにきた、新卒で入った会社がブラックすぎて辞めてきた、海外生活への憧れを捨てられず30歳ギリギリでワーホリで来た、60歳を過ぎて退職後にまた新しいことにチャレンジしたくて来た、等・・・。

日本人以外ならもっとさまざまで、それまで考えていた”レール”なんてものから外れた(またはそもそもそういう概念を持たない)人たちがいくらでもいました。

海外で進学したり働いたりする、あるいはそれを目指している人たちの存在を知り、日本に生まれたからと言って日本に住み続ける必要はないのだとハッとさせられました。

2018年6月〜2019年6月 就活

帰国と同時に就活がスタートしました。

当時は3年目(私は1年遅れだったので4年目ですが)の6月に夏のインターン情報が解禁となり、そこから一気に就活モードになるというものでした。

留学中に「レールから外れてもいい」ということを知ってから、このままみんなと同じように大企業を目指すだけでいいのか?というモヤモヤを抱えつつ、この時はまだ「そんなもんだし」と思いながらごく普通に就活をはじめました。

興味があったのはキャッシュレス業界。
留学中、韓国では本当に現金を使わなかったので、帰国してからいちいち現金をじゃらじゃらさせないといけない煩わしさに一人でいつもキレていました。

いや電子マネーもQRコード決済もあるじゃん、と思うかもしれませんが、今では誰もが知るPayPayが最初に100億円キャンペーンを実施しその名をとどろかせたのが2018年12月、国が小規模事業者にもキャッシュレス導入を推進すべく実施したポイント還元事業が開始されたのが2019年10月なので、私が就活をはじめた時期はまさに日本のキャッシュレス業界が目覚める直前だったのです。

そうして、日本のキャッシュレスを進めたいという純粋な気持ちと、給与水準の高さや転勤の少なさなどの条件面で、業界トップの決済事業者である三井住友カード株式会社への入社を決めました。

2019年7月〜2020年3月 海外に行きまくる学生最後の1年

就活が終わってからは、残り1年を切った学生生活をどれだけ充実させられるか、つまりどれだけ海外旅行ができるかだけを考えてひたすらバイト漬けの日々。

ずっと諦めきれなかった英語留学のために夏に1ヶ月間だけセブ島に行ったり、その流れで韓国以外で初めての海外一人旅を経験したり、韓国の大好きなアイドルに何度も会いに行ったり、やりたいことをこれでもかというぐらいやりきった1年でした。

そして何より記憶に残っているのが、2020年2月から1ヶ月かけて行った卒業旅行です。

2020年1月に日本でも新型コロナの話題が絶えなくなっていたのですが、まだ感染爆発する前の2月上旬に出国しました。

行き先はベトナム、インド、トルコ、ベルギー、フランス、オランダ、チェコ、ハンガリー、オーストリア。
行きは友達と二人で行ったのですが、インドで解散してそこから一人で欧州に入りました。

それまではアジア旅が主だったので、一人で欧州を渡り歩くということに最初は緊張感もあったのですが、次第にリラックスして旅を楽しめるようになっていました。

そして私が人生で一番幸せを感じた瞬間もこの旅にありました。

ベルギーの首都ブリュッセル。夜にムール貝とベルギービールをたらふく嗜んだ後、ほろ酔いかつ小雨降る中で見たグラン=プラス(通称”世界で最も美しい広場”)のライトアップ。
なんのしがらみもなく、なんの心配もなく、こんなに素晴らしい景色を見られている現実に陶酔してしまいました。

今思えば、一人で3週間も異国を楽しんで歩けていることに対する自己効力感のようなものも混ざっていたのだと思います。

一人で旅をしながら目頭が熱くなる体験をどれだけの人ができるだろうか?
そんな悦びを噛み締めた瞬間でした。

そして欧州でもコロナが猛威をふるい出す少し前に帰国しました。

2020年4月〜2022年10月 三井住友カード在籍時代

コロナの流行により入社式も簡易的なものになり、新入社員研修は全てオンライン、配属後も出社は3日に1回と、何もかもがイレギュラーな状態ではじまった社会人生活。

最初の配属は法人営業の部署でした。
他の同期はコールセンターや定型業務がメインのバックオフィス系の部署に多く配属される中で前線の営業に配属されたのは、その後のキャリア形成においてとても幸運でした。

チームの関係性は非常に良いもので、コロナが落ち着いてからは何かと飲みに行っていたし、転職後もたまに会ってくれたりするぐらい人間関係には本当に恵まれていました。

一方で仕事においては、「何をやるか」以上に「どのようにやるか」が重要視されており、業務遂行上での暗黙のルールを理解しきれていないことで、1年目のうちは怒られることもありました。

慣れてくるとそういうものも自然とこなせるようになっていくのですが、「これは誰のための仕事なのか?」という違和感が大きくなっていきました。仕事は顧客ありきのものなのに、常にみんなが上司のため、会社のために働いているようなものだったのです。

トップダウンが強く効くことは会社を大きく動かす上でのポジティブ要素でもありながら、同時に現場社員の疲弊を伴うものでした。

そんな環境なので、みんな大好きな人たちなんだけど、キャリアの観点で10年後あの先輩みたいになりたいか?と言われると答えはNO。
常に社内に目を向けながら誰かに言われるがままにタスクを消化していくのではなく、仕事そのものの意義を感じながら働きたいと思い、3年目の6月から転職活動を開始しました。

2022年11月〜2023年12月 リクルート在籍時代

転職サイトでたまたまスカウトが来ていたリクルートのSUUMOの営業職。リクルートってなんかみんな良いって言ってるイメージあるし面接練習にもなりそうだしとりあえず受けてみるか、と応募したのがきっかけでした。

しかし、面接に向けて企業研究をする過程で、私の中で魅力的な求人に変わっていき、結果入社することになります。

入社後はカルチャーショックを受ける毎日。いい意味で驚くことばかりで、こんなにも会社によって何もかもがちがうのだと知りました。

そして面接の時からですが、「なぜリクルートにを選んだの?」という質問を頻繁に受けるのですが、これに対していつもこう答えていました。

「好きな時に好きな場所に行けるライフスタイルを叶えたい、そのためには会社に雇われて仕事をするのではなく自分で仕事ができるようになる必要がある。リクルートだったらそういう目線で色々勉強できそうだと思った。」

これも正直後付けの理由ではあったのですが、その内容自体は本当だったので色々な場面で語っていると、いつのまにか「海外に行きたい」という夢が自分の心の見えるところに内在化していくのでした。

また、その夢を会社のみんながいいねと言ってくれるし応援してくれるので、「将来のいつか叶ったらいいよね」ではなく「叶えるためにどうすべきか?」という考えに自然と変わっていきました。

結果的にリクルートには1年しか在籍しなかったのですが、もう一度会社員をやるなら必ずリクルートに戻りたいと思えるぐらい素晴らしい組織でしたし、ここにいたからこそ人生でまたとない大きな決断ができたと思います。

2023年3月〜 SHElikes入会

もともと3年以内にはリクルートを辞める(=海外に飛び立つ)決断ができれば、と考えていたのですが、これが1年でできてしまったのは、SHElikesへの入会も大きかったです。

SHElikesはWeb系のスキル習得のためのスクールという側面が大きいのですが、正直それらの講座はそこまで活用できていませんでした。そんな中、転機がありました。

ルイス前田さんの特別講座に参加したことです。

海外ノマド生活をテーマに講演がなされていくのですが、一番衝撃を受けたのが、海外に移住したいならまず会社をやめて物価の安い国に移住してしまうのが先、というお話でした。

というのも、みんなが考える”副業で20万円ぐらい稼げるようになってから会社をやめよう”だと時間がかかりすぎるしかなりハード、そもそも20万円というのは日本の生活水準に合わせた金額設定。
物価の安い国に行けば必要な生活費をまず下げられるのと、会社をやめるので24時間365日を自分の仕事(≠会社の仕事)にあてられるので、こちらの方が生活黒字化までの期間を圧倒的に短くできるというものです。

聞いてしまうとかなり単純な話なのですが、そんなこと全く考えたことがなかったので脳天が突き破られるような衝撃を受けてしまいました。

その瞬間に、年内に会社を辞めて海外に飛び立とうと決意しました。

そしてもう一つSHElikesに入ってよかったと思っていることがあります。

SHElikesは仕事案件のプラットフォームの機能も持ち合わせており、あらゆる雇用形態や職種の求人が日々紹介されています。
また、契約に至る場合はSHEを含めた三者間契約になるのでトラブルも起こりづらく、報酬も一般的なクラウドソーシングサイトと比較してかなり高く設定されています。

これを使わない手はないと思い、フルリモートで業務委託として働ける求人を探していたところ、自分の経験にぴったりマッチする求人(しかも転職活動の時に見ていた憧れの企業!)が出てきたのです。

すぐに応募し面接を受けた結果、なんと採用いただけることになりました。

これを書いている今すでにお仕事がスタートしていますが、これまでの経験を活かしながら初めての分野のスキルを獲得できるお仕事で、かつ風通しも非常に良い雰囲気の環境なので、本当に運が良かったと思います。

SHElikesではただスキル習得をするだけではなくキャリアを積むための機会がたくさん設けられているので、それを活用しまくるべきだなと、誰か見てくれているかもしれないシーメイトさん(SHElikes会員の総称)に伝えたいです。

前述の通り、私はSHElikesの講座をちゃんと頑張ったわけではないものの、新しい考え方を知れたり仕事につながったりしています。

自分のYouTubeチャンネルを立ち上げ、旅系のVlogを投稿するようになったのも、SHElikesに入会をして自分の意識と行動が変わっていったからでした。




今後の予定

夫の希望もあり、まずは1ヶ月間、セブ島で語学学校に通います。大学生の時に一度お世話になった学校です。

その後はバリ島に行くのですが、以降の予定はまだ何も決めていません。

ぼんやりと今年行きたい都市はいくつかあるので、いわゆる海外ノマド、海外試住っていうものをやってみようと思います。

ここにずっと住みたい!と思う場所に出会えればどこかで定住をはじめるかもしれないし、やっぱり日本が落ち着くな〜と思えばあっさり帰国してるかもしれません。

1年後どこで何をして何を考えているのかまったく予想がつきませんが、導かれるがまま生きていけたらいいなと思っています。

さいごに、出国前夜の今、思うこと

明日の飛行機でまずはセブ島に向かいます。
荷造りを億劫に感じながらギリギリまでこれを書いているのは、人生の大きな転換期である今このタイミングで考えていることを記録しておきたかったからです。

収入面での不安が全くないと言えばウソになりますが、何とかなるだろう、というか、何とかするしかない、と結構強気な気持ちです。

幸いにも、東南アジアであれば1年は無職でも過ごせるぐらいの貯金はあるので(勤めてきた会社に大感謝)、稼ぐことばかりに気を取られるのではなく、純粋に生活を楽しむことを忘れないでいたいなと思います。

常に「将来のいつか」に備える生活よりも、「毎日が人生本番!」と思える日々にしたい。

物質的な豊かさ、金銭的な豊かさではない幸せを感じられる人生を歩みたい。

これが今一番強く思うことです。


2024.1.12  へばらぎ

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