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クララ
2024年4月4日 06:04
気がつけばここにいる。この場所の、巡る四つの季節のすべてに、私と物言わぬ兄との時間が刻まれている。マリーベル、マリーベル。変わらぬ兄の声を胸に墓地を行けば、うららかな春の昼下がり、芽吹いた緑があちこちで古びた墓碑を優しく包み込み、いつになく穏やかな気持ちになれた。 頬を撫でる風につい、癖で髪をなで付ける。いつもは下ろしている長い髪、細い巻き毛は風に絡みやすい。けれど今日は一日歩くつもりだっ