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【生活と読書】7/15-7/21 わたしだけの感想

7月15日(土)
子どもの習い事の後、夫の希望で映画『君たちはどう生きるか』を観に行く。
青鷺以外の情報がないままの視聴が不安だったけれど、結果、ここ最近感じたことがなかった映画体験になった。今まで見たことがあるジブリ作品の中でいちばん意味がわからなかったけれど、一番すごいものを観た(語彙!)

なにより、「わたしだけの感想」を持つことができたことがよかった。
情報に溢れている今の時代、ほぼ0の状態でエンタメに触れることってほとんどないと思う。本を読む時もそう。あらすじや感想を見聞きして手に取ることが多い。読了後、「わたしの解釈、間違ってないよね?」と思いながらレビューサイトを見ることもある。
そういうの、もう止めよ、0から10になることを楽しみたい、と強く思った。
わたしの意識を変えてくれた、気づかせてくれた『君たちはどう生きるか』は夏休み中にもう一度観に行くつもり。


7月18日(火)
小学校の朝読みボランティアへ。今日は5年生のクラスに入り『シロナガスクジラよりおおきなものっているの?』を読んだ。途中、本を縦横しながら読むため、後ろまで絵が見えたか心配。少人数の読み聞かせだったらいいけれど、30人以上が机を並べる教室で読むには難易度高。
でも内容はおもしろく、シロナガスクジラからはじまり、最後は宇宙の壮大さに触れることができるので、理科好きな子にピッタリ。

昨日、今日と3km歩いた。最近は1kmぐらいジョギングができるようになった。

7月19日(水)
芥川賞・直木賞の発表日。
今回はノミネート作品全て未読だったが、同僚が推していた『ハンチバック』(市川沙央 文藝春秋)が芥川賞を受賞したので仕事帰りに買って帰る。
100ページほどの小説から発せられる暴力的とも取れる熱量に当てられ、読了後しばらく正気にもどれなかった。

厚みが3、4センチはある本を両手で押さえて没頭する読書は、他のどんな行為よりも背骨に負荷をかける。私は紙の本を憎んでいた。目が見えること、本が持てること、ページがめくれること、読書姿勢が保てること、書店へ自由に買いに行けること、___5つの健常性を満たすことをを要求する読書文化のマチズモを憎んでいた。その特権性に気づかない「本好き」たちの無知な傲慢さを憎んでいた。

『ハンチバック』26-27ページ

本に苦しむせむし(ハンチバック)の怪物の姿など日本の健常者は想像もしたことがないのだろう。こちらは紙の本を1冊読むたびに少しずつ背骨が潰れていく気がするというのに、紙の匂いが好き、とかページをめくる感触がすき、など宣い電子書籍を貶める健常者は呑気でいい。

『ハンチバック』34-35ページ

「呑気」なわたしは、この小説を読むまで、彼女の受賞コメントを聞くまで、「読書の困難」について深く考えたことがなかった。電子書籍やオーディブルなどの作品も増え、便利な世の中になったな、などと「呑気」に思っていた。
図書館、書店に行くことの困難、読みたい本のフォーマットが紙しかなかった時の絶望について、考えが及んでいなかった。
わたしは「本好き」で、仕事も本に関わることをしている。物語を紡ぐことはできないけれど、誰かにその1冊を届けたい、届いてほしい、といつも考えている。でもそれはいわゆる「健常者」向けであって、「万人」向けではなかった、と気づかされた。


7月20日(木)
在宅の日。午前中はExcelと格闘、午後からは社内のウェビナー参加。変化についていけるのか、わたし。ついていかなきゃいけないんだよ、わたし。

ひょんなことから手元にやってきた、8月末発売予定『ちぎれた鎖と光の切れ端』(荒木あかね 講談社)のプルーフ(紙)を読み始める。
昨日の今日で「舌の根が乾かぬうちに!」なんだけれど、やっぱり紙は読みやすい。プルーフが読めるネットギャリーというサイトにも登録をし、時々読ませてもらっているけれど、電書は慣れないから読みづらいのよ。


7月21日(金)
在宅の日。午前中に会議に出て、その後はダラダラと業務をこなす。
今日は小学校の前期終了日だったので、12時過ぎに子どもが帰宅。ああ、夏休みが始まってしまう……!
今年の夏休みは、我が家に子どもの友人を呼んでお泊まり会をしたり、旅行に行ったり、WSに参加したり、行事が盛りだくさん。
あぁ、親って大変……。

昨日から読み進めていた『ちぎれた鎖と光の切れ端』(荒木あかね 講談社)読了。500ページ弱の長編にも関わらず、最初からグイグイ引き込まれてしまい、先へ先へと進めるうちに読了してしまっていた。

孤島に転がる舌が切り取られた遺体。
第一発見者ばかりが次々に殺される____
さらに事件はもう一つ。

『ちぎれた鎖と光の切れ端』プルーフ表紙より

デビュー作で!最年少で!江戸川乱歩賞を受賞した前作『此の世の果ての殺人』からさらにパワーアップしていた。前作でも感じていたけれど『正義』とは?『正しさ』とは?と、作中全てにおいて読者に問いかけてられている感。
8月末の発売がものすごく楽しみ!しっかり売りたいな、売れたらいいな。

今日も3km歩く。うち1.2kmジョギングできたから、えらい!
少しずつ距離を伸ばして、3kmジョグができるようになりたい。

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