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事業部が価値を発揮しやすい環境を整えながら、専門性を持つメンバーが集い「事業貢献するコーポレート」を構築する

 IPOの責任者として役員となった後、ハコベルでふたたびの「イチからコーポレート部門立ち上げ」を行う島井 幸太郎。入社して早速、オフィス移転や新たな資本提携など大きなアクションが立て続き、「とてつもないスピード感」と感想をもらしながらも笑顔を見せます。企業成長の稀有なタイミングで自身としてのチャレンジも誓う、その本音を聞きました。

経営管理部長
島井 幸太郎 Kotaro Shimai
人材大手の株式会社インテリジェンス(現パーソルキャリア)で求人広告の営業職に従事したあと、小売り業向け 需要予測型自動発注システムの株式会社シノプスへ転身、2018年の東証上場時には上場準備室の責任者としてIPO業務に従事。2023年4月、ハコベルに入社しコーポレート全般のチーム構築を担う。

上場企業の役員よりも魅力的なチャレンジを。「なくてはならないサービス」で自分を試してみたい

 実は大阪から新幹線でハコベル本社と行き来する島井さん、ときに週に3日ほど東京にいることも。距離をまったく感じさせないほど、チームメンバーとのコミュニケーションは密で迅速です。

—— まず現在の島井さんのお仕事内容を教えてください。

 ハコベルの経営管理部の部長として、コーポレート部門の立ち上げを2023年の4月から開始しています。当時、わずか2ヶ月前に総務労務を担当する原さんが入社、他には人事担当者が1名いるという状態で「ほぼこれから」という段階での入社でした。それまではコーポレート業務の多くを委託によってまかなっていて、「これはとにかく早く引き継がないといけないぞ」という状況でした。

 また、率直に感じたのが、従業員規模70~80名という組織でコーポレート部門がないということは異例中の異例ということ。にもかかわらず、グループの委託先が担ってくれていたので、事業としては回っているということに納得したことをよく覚えています。

 そのようにして4月に入社し、最初に着手したのが人事制度の一部を変える段取りを組むことでした。これが業務委託先の人事担当者が休暇に入る予定のタイミングでしたので、とにかく急務。これをひととおり経験してみて、「なんてスピード感の早い会社なんだ」と体感しました。そのあとはコーポレート部門に必要な人員の採用をし、管理部として整えていき現在に至る、というところですね。

—— それだけのスピードで人事制度の改訂と管理部の整備を進められたのは、島井さんのこれまでの経験に依るところが大きいのでは。

 そうかもしれません。前職の株式会社シノプスは2018年に上場を果たし、上場責任者として従事した後はコーポレート役員になり3年、トータルで13年勤務していました。前職は、食品スーパー様向けの需要予測や自動発注のシステムを作っている会社で、当時から小売り向け自動発注システムにおいてはトップ企業でした。
 このときもふり返ると現在の様子と似ていて、入社時に前任者はもう退職済みで事務の方が1人いるだけ。ですので、人事から法務、営業事務、経理に情報システム部のような範疇まで、いわゆる「バックオフィス、全部やっています」という環境だったのです。

 あるとき、創業社長から「上場するからキミ、責任者やってよ」といきなり振られ、驚きながらも「コンサルは入れますよね?」と確認すると「いや、1人でやって」と。それでまあ、なんとかやり切ったというか。上場のビフォア・アフターで見ると、仕事内容自体で大きく変わった点が、株主さんの対応です。そのときに、会社の中身を外部から見られるということを経験したのですが、それが1番大きな転換点だったと思います。

 また、その2社目の前に新卒では人材大手のインテリジェンス(現・パーソルキャリア)で求人広告の営業を2年ほどやっていました。営業は本当に合っていなかったと思いますが、最初の仕事経験に営業をやっておいてよかったと今は感じています。
 
 よく、私が「営業をしていた」と言うと「意外!」との声をいただくのですが、新卒時、本当は経理をやってみたかったんです。『金持ち父さん 貧乏父さん』という本に影響を受け、お金への関心がすごく湧いたんですよね。ですが、新卒でいきなり経理をやってみたら私の場合は頭デッカチになりそうだな、と思い、それであれば最初に一番泥くさい、最前線の営業を経験しておくことがのちのち役立つのでは、と考えたのでした。

—— コーポレートへのキャリアチェンジも、目標に基づいていたのですね。それにしても、せっかく上場を果たして役員であったのになぜ転職を選んだのでしょう。

 上場企業の役員は社長が後ろに控えているとは言え、そこは管理部門の最終責任者ですので、全従業員の生活を守らなければならないという意識の変化がありました。転職についても、もともと「老害になったと感じたら辞めよう」と決めていました。

 上場して3年ほどが経ったときです。コーポレートのトップとして必要な機能に、ファイナンス、資金調達の力が必要だ、と思うわけですが、そこだけは私の経験がありません。となると、この分野に強い方を採用すべきですし、これは私が会社の成長を阻害しているんじゃないか、と思うようになりました。「これって老害なのでは」と思ったのが最初の兆しです。

 次に、コーポレートメンバーがもはや私がいなくても基本的にチームとして回る状態に成長していました。にもかかわらずメンバーたちは、どうしても私に最終判断を頼ってしまうことが多々あったこと。これはメンバーの成長を阻害しているなぁ、と思うに至り、この状況下では自分以外の適任者を探す方が組織の成長につながる、と確信したことから、退職しようと決意したのです。


 そうして自ら退路を絶ち、次なる会社を探すにあたって2つのことが頭にありました。まずひとつが、「あってもなくてもいいサービス」ではなく、「なくてはならないサービス」を展開している企業で仕事したい、ということ。これは前職の影響が大きく、発注業務というのは小売り業にとってまさにインフラであり、最重要業務のひとつなんですけれど、それをやり続けることが性に合っていると自覚がありました。ですから、こうしたインフラのような事業に携わりたいと考えていました。

管理部のロールモデルは常に外。他社が「ハコベルのコーポレート」を気にするようになったらひとつの成果


—— そこでハコベルへ。もともとハコベルはご存知だったのでしょうか。

 きっかけはスカウトメッセージで、外部からお声がけを受けたこと。でもそれにより、転職先としてのハコベルを意識することになりました。加えて、自身のインフラや物流に対する興味関心もありましたので、ハコベルへの転身を具体的に考えるようになっていきました。

 2つめは、もう1度IPOとコーポレートの立ちあげを最初からやりたい、という思いです。IPOやコーポレート立ち上げという仕事は何度も遭遇できる機会もないので、再現性を確かめてみたいと思っていました。初めて関わった前職ではうまくいきましたが、他の会社でも通用するのかどうか、確認してみたいという思いがありました。

 転職を意識していろいろな会社の話を聞きに行ったのですが、再現性のチャレンジを満たす条件に合う会社というのは非常に限られています。たとえば創業1年以内であったり、従業員も数名など。自分の状況で言えば、子どもが2人いるなかで役員を辞してまで立ち向かうのはけっこうチャレンジです。

 改めてハコベルに焦点を充ててみると、ベンチャーとはいえバックボーンがしっかりしています。ラクスルとセイノーホールディングスのジョイントベンチャーで、事業・サービスとしてはすでに7年の実績があり、収益も上がっている。前職から感じていたことですが、一定の基盤がないと新しいチャレンジって実はできないものだよな、と心底感じていた部分があります。
 こういった特異な条件に合う会社はまさしくハコベルしかなく、とても魅力に感じたのでした。

—— そのようにある種、島井さんのチャレンジにぴったりだったハコベルのコーポレートを、どのように運営していこうと考えていますか。

 ハコベルのミッション・ビジョンに近しいですが、物流業界の変革を牽引するパイオニアの企業になっていくことを志向しています。個社でやっていくのではなく、連合体をつくっていき、そういったグループの中心にハコベルがいる、という未来は遠くないと思っています。

 コーポレートの役割として、採用や広報は事業のプラスになる部分があるという意味合いで「攻め」に当たり、不足するリソースの確保や、物流業界を変革する中心にいるのがハコベルだ、と社会に発信していく意味合いから事業にプラスになる貢献の仕方です。
 一方で総務や労務はディフェンス、「守り」。従業員がスムーズに仕事ができる環境をつくるというのも貢献であり、そうしたことを意識した活動を各人が推進してほしいと考えています。

 たとえば原さんはこうしたことをいとも自然にやっているんですよね。あれほど多忙なのに「そもそも声をかけないと始まらないので」というのが口ぐせ。自分の仕事を中断しても笑顔を忘れず答えてくれる。これは本当に大切な姿勢です。もちろん、そうした姿勢だけで組織・チームが回るというものではないですから、仕組み化による運営も同時進行で進めています。もちろん、この仕組み化については、事業側がスムーズに仕事ができる、成果を出しやすくする環境をつくる、ということを意識したものです。

 いろいろ挙げましたが、大前提は「事業貢献するコーポレート」であること。管理部は専門職の集まりですから、「〇〇さんイコール●●(役割)」というのをみんなに持ってほしいと思っています。●●と言えば〇〇さんという図式をまずつくること、ポジションを確立することがとても大切です。事業貢献するコーポレートというのはもちろんのこと、メンバーには自分の専門職で「ここだけは負けない」というポジションをつくって欲しいと考えています。

—— 「事業貢献するコーポレート」。強い組織に欠かせない存在になりそうです。メンバーがそろってきて、いよいよこれから加速していくのでしょうか。

 そうですね。「強い」をブレークダウンすると、通常業務がふつうに回ることに加え、プラスアルファで事業側に何かしらの貢献をしている、ということでしょうか。少し大げさに言えば、他社のコーポレートがハコベルのやり方を聞きに来るくらいになると、ひとつの成果指標と言えるのではないですかね(笑)。

 私自身がこれまでそうしてきました。ロールモデルが外にしかいないのが管理部です。管理部で成果を出すには外に出て、専門家とのパイプをつくることが非常に大事になってきます。同職の方々から問い合わせがくるようになったら成功なのかな、と思ったりしています。

 これからハコベルはさらに成長機運に乗っていきますから、私も採用面談の数が増えています。事業貢献をすることに楽しさを感じることを起点とし、それこそがスタンダードと感じる方をコーポレートではお待ちしています。日本のインフラになっている物流を、自分たちが変えていくんだ、貢献していきたい、という方にぜひ来ていただきたいですね。



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