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配車領域の各社情報から成る独自の「人間データベース営業」を武器に、仲間を喜ばせる仕事を追いかける

 自分のことを話すより、お客様や仲間についての想いを語るときに饒舌になるーー。物流業界経験も長い森川 浩史は、人間同士ゆえにその場・そのときに生まれる微細なつながりをなによりも大切にしています。経験から自然と蓄積された各社のデータベースを駆使し、彼を走らせるのは仲間がよろこぶ姿。2023年11月の月間MVPに輝いた手腕、考えを聞きます。

一般貨物運送手配事業部 東日本営業部
森川 浩史 Hiroshi Morikawa
トランコム株式会社で配車業務に10年従事し、物流・運送業界における知識と豊富な実務経験を積む。その後2019年11月、ハコベル株式会社に入社。一般貨物運送手配事業部の配車グループにて配車業務に従事したあと、自らの希望で同事業部営業職へ異動。2023年11月度の月間MVPに輝くなど、ハコベル営業職の要として活躍中。

10年の配車業務経験の知見を、最大に活かした営業手腕が独自の強み

—— 配車業務経験10年の実績を経てハコベルへ入社なさいました。現在は営業職でのご活躍ですね。

 はい、2019年の11月に前職の上司に誘われハコベルへ入り、当時の一般貨物の配車グループに所属していました。前職で10年の配車業務経験があり相応のキャリアと、運送業界での経験を活かしたく、4ヶ月配車業務に従事したあと現職の一般貨物運送手配事業部の営業職にジョブチェンジしたんです。

 当時、配車グループのスキルアップを目的として、異動部署を個人で選択できるタイミングがあったんです。それでそのまま配車で経験を積みたい人は残れるし、別のスキルアップを図りたい人は異動することができる、というものでした。それで私は「ちがうことにチャレンジしたい」と思い、2020年の4月に営業職に異動しました。

 2020年というのはコロナの緊急事態宣言の真っ只中でもあり、私は一般貨物の営業として、メーカーや物流子会社などさまざまな業種・業態のお客様に新規商談から既存のお客様のフォロー、サポートなどはもちろん、カスタマーサクセスに当たる業務もカバーしていました。

—— 長年の配車業務経験をお持ちなので、最前線の営業で顧客にご提案する立場になったとき、それはものすごくリアリティがあるわけですね。

 それが自分のなかの1番の強みだと思っています。車両や装備の知識があることが、一般貨物の営業職では必要になってくるので。その点では心から自分の強みだと自覚していますし、前職での配車業務経験と、ハコベルでの配車業務経験のふたつがあることで、ハコベルでできること・できないこと、ほかの会社でできていたことの違いがわかるのはとても有利だと感じています。

 それと言うのも、金額の相場観はもちろんお客様ごとの特徴も把握しています。ということは、集荷先を聞いただけでパッと「このお客さんはこうだよね」と提案ができるということ。また、頭のなかに金額が入っているのですぐに応対できる、とか。

 ハコベルの強みであるデジタル・仕組み化と、私の過去からの経験をもとにした属人スキルが良い具合で組み合わさっていると思います。

説明をしたら使っていただけるわけではない。顔と名前をおぼえていただいて1番に想起されるように


—— すごい「人間データベース」!お客様からしたら「聞けば答えてくれる」というのは心強いです。森川さんゆえの強みが存分に発揮できている。

 人間同士ですから会話にもニュアンスの問題って出てくるものです。物流業界はとても人を大事にするので、「持ちつ持たれつ」という感覚は大切。世の中のサービスのなかには、「こういう仕様なので従ってください」というスタンスのものも多いと思うのですが、一般貨物の世界でそれは成り立ちません。だからこそ間に入っている以上、中立の立場で受発注側双方の意見を聞いて、お互いに対して良いものを交渉していくということが、営業で重要な仕事です。

 こうした自分の能力を活かして営業という仕事ができることは、キャリアチェンジという側面からもすごくよかったと実感していますし、ハコベルでそれを発揮できているのもこれまでの経験があってこそだと思っています。

 その後、22年8月にジョイントベンチャーとなってからは、既存のお客様フォローと同時に、私も西濃運輸さんに対して向き合い方を増やしていくことになりました。西濃運輸さんへに対しても、基本的にはコミュニケーションありき。これがとにかく1番大事にしていることです。

 これまで自分がやってきたように、顔を合わせてお話を聞く。とにかく関係性を築いていくことがなにより大事だと思いましたので、もちろん私だけでなく全社で西濃運輸さんに対して、顔と名前を覚えていただけるよう関係づくりに努めました。その頃はまだコールセンターがありませんでしたから、基本的に営業が全窓口としてコミュニケーションを図っていたのです。

 ですがこれは、「他の運送会社さんと西濃運輸さんとで対応が違う」ってことはないんですよ。基本の丁寧な関係づくりをいつもどおりにする。その先に、「ハコベルの誰々」と、まず1番にハコベルを想起していただけるようにと、とにかくくり返し何度も足を運びました。

—— 西濃運輸さんでは「ハコベルを使うように」と各現場にもお話が通っていたのなら、通常の営業よりはやりやすかったのでしょうか。

 いや、大前提として顔と名前をおぼえていただけないと、セイノーさんが普段からおつきあいしている運送会社さんに肩を並べることができませんよね。現場の方々にしても上から「ハコベルを使え」とすごく言われていらっしゃるなか、「誰に相談したらいいの?」という状態。それ以前に、そもそも「どういう仕組みなの?」と、まったくわからない状態では使おうにもリスクも含めて現実的じゃないですから。

 そこでまずはシステムのご紹介から始めて、自分の名前と顔をおぼえていただく、というのをそれこそ全員で徹底して行いました。人によって受け持つ店所数が違いますが、大体いまでも月に20数回くらいは訪問しているんじゃないかな。ハコベルもおかげさまで人数が増えてきたので、東日本はエリアで担当メンバーを分けるようになり、現在の私の管轄は、千葉県、東京都。西濃運輸さん、セイノースーパーエクスプレスさんの関東、セイノー通関さん、他ハコベル新規・既存のお客様を担当しています。

 あと、「まずお目にかかって人となりを知っていただく」、「顔を名前を覚えていただく」といっても1か所ではないですし、支店さん、営業所さんの方々も皆さん違いますし、そのなかでサービスを知ってご理解を深めていただくためにはやっぱり反復です。
 使い方の説明などのデモンストレーションを1度行ったら、「誰でもすぐに使いこなせる」なんてことはまずあり得ないですよね。説明だけして「はい、どうぞ」というものではないですから。

 ご説明にうかがったあとにさらに、「その後わからないところはないですか?」とか「なにか不具合はないですか?」というのを常に何度も何度もおこなっています。そこからまずハコベルを使うことに慣れていただいて、次第にお使いになるのが当たり前になっていく。その、「当たり前になってきた」ころ、また新しい不満が出てくるのでそれを解消して、「では今度、こうしていきましょう」という案が出てきます。現在の「100%手配保証」も、そういう経過を経て誕生したものです。

 そうしたくり返しから、西濃運輸さんが使いやすいようにハコベルの仕組みをフィットさせていくという流れが基本で、不具合が出ればそれをまた改善する。ひたすらそれを繰り返していまに至ります。

—— おそらく「いまに至る」という表現のなかに、たくさんの困難があったことと想像します。お話できる範囲で森川さんの業務の大変なところをお聞かせください。

 大変なことって言うと、やっぱり周知することですかね。『ひとり対西濃運輸さん数十人、数百人』ですから。ひとりっていうのはたとえなんですけど、我々ハコベル陣営との人数の違いは大きいです。「ハコベルとはこういうサービスです」に始まり、「こういうふうに使うと良いですよ」、「こういうふうに使うと案件が取れますよ」といった細かな周知を、サービスをご利用になる皆さまにしっかりお届けするというのは難しいところでした。

 ですので、各エリアの課長・プランナーさんを中心にお集まりいただいて、説明会をおこなっています。「他支店でこういうことをやってみたら、こんな案件が獲得できました」という事例を展開していく。他でこう使ったらこういうお客様に出逢えた、という事例説明をひたすらくり返す。これはいまも継続しておこなっています。

 西濃運輸さんも他支店の成功事例を参考に営業をかけてくれていますので、積極的に事例を展開していくことは頻繁にやっていることですよね。

「それ全部、私たちで請け負えます」と言い切れる強み。これぞ営業の決めトーク


—— では大変だったことの一方でうまくいっている取り組みはどんなことがありますか。

 それですと帯同渉外ですね。西濃運輸さんのお客様に対して、西濃運輸のプランナー様(営業)とハコベル営業が一緒にご提案にいきます。ハコベル側も案件に対しての解像度があがり、より良いご提案が可能になるので案件を獲得する方法として帯同渉外がもっとも効果的な取り組みだと実感しています。

  セイノーさんは小口中心の路線・特積の会社で、ハコベルは1台貸切のサービスなので、得意領域が異なります。セイノーさんがこれまで路線小口中心の営業から貸し切りまで獲得しにいくにあたってどう営業すれば効果的なのか、プランナーさんによってはイメージがしにくかった方も多いんです。ハコベル営業が帯同してご提案をする事で、ハコベルができることや、もっと利便性の上がる改善方法をご提案できます。

 たとえば「もうちょっと安くしてほしい」というご要望に対しても、ちょっとしたやり方の見直しを提案することでコストを下げるなどの交渉も可能です。帯同渉外は圧倒的にレスポンススピードが上がるので、西濃運輸さんが貸し切り案件を獲得するには効果的な手法です。

—— 「セイノーさん×ハコベル」でご一緒におこなう営業が、それぞれの強みを活かしあっていて最強、ということなのですね。

 そうですね。いわゆる集荷だけのお取引先で毎日うかがっていても「まとまった量の荷物は西濃運輸さんを利用していない」というお客様もなかにはいらっしゃる。「実は西濃運輸も貸し切りやっているんですよ」とお声をかけると、ふだん小口で西濃運輸さんをお使いですから、依頼、請求窓口を一本化できるのでお勧めなのです。

 荷物やエリアで運送会社を分けるのは、窓口が分散するのでお客様にとっては手間が増えるのですが、西濃運輸に一本化できますよ、と提案できるのは大きなメリットだと思っています。

 ハコベルはいま、運送会社さん15,000社の登録があるので、「西濃運輸とお取引があるだけで、15,000の運送会社と取引ができるということですよ」と、よく私たち営業メンバーはお伝えしています。事実ですしこれこそがハコベルの価値提供ですから、『ハコベルの決めトーク』として最適だと思います。

 これから2024年問題などで運送会社が足りない、ではどうしたらいいのか、こうしたらいいんじゃないか、いろんな議論がされると思いますけれど、「それぜんぶ西濃運輸(&ハコベル)が請け負います」ということが言えるのはとても強いです。

—— すごいインパクトがありますね。物流危機の解決策は「セイノー×ハコベル」にあり、ということ。

 考えてみてください。小口だったら?倉庫では?貸し切りは?すべてこの提案ができるんですよ。運送会社の開拓にしても全国に西濃運輸さんがあり、ハコベルのプラットフォームを使えるのですから、15,000社を控えているということは…?

 一般に運送会社がトラックを自社単体で増やすのは費用も人件費もかかりますが、ハコベルはプラットフォームですから無尽蔵で増えていく。これはもうメリットとして大きい。しかも現在15,000社ですが、まだまだ増えていきます。お客様がなにもしなくても、取引先がどんどん増えているよ、というイメージをお伝えすることが一番効果的な営業提案だと考えています。

 ハコベルはあくまで黒子。西濃運輸さんが表にいらして、ハコベルと取引きするわけではないですが「うしろにはこういう会社が控えています。うちのグループ会社ですよ」と西濃運輸さんも仰ってくださっています。なので、西濃運輸さんとお付き合いするということの意味、できることのイメージを私たちとしてはしっかりお伝えするようにしています。

営業面ではブランド力で苦労した過去。けれど働く場としては「隣の芝生が青く見えたことがない」

—— 日ごろハコベルの営業メンバーの皆さんが、どのようにお客様と接しておられるのかがとてもリアルにイメージできました。「セイノー×ハコベル」のトークができる前はいかがでしたか。

 セイノーさんとジョイントができる以前は、それこそ同業他社ってたくさんあるなかで「ハコベル?は?」みたいな知名度だったんですよね。まだ「ラクスルだったら聞いたことある」でしたから、当時は。もちろん「マッチング」という土俵で言えば、いまでも知名度においては競合他社に一歩譲る感じです。

 それで、各社「なにが違うの?」と言ったら一般貨物の領域では差別化を図れていなかったんですよ、結局費用が安いか高いかといった差しかなくて。ブランド力という意味ではやっぱり相当苦労しました。

 特に影響するのは、新規営業です。この苦労、経験があるので「セイノーグループです」と名乗れて取り合っていただける仕事のしやすさはすごくありがたいことです。帯同営業も新規営業も、セイノーグループというだけで、お客様の対応も少なからずポジティブに変わるので。営業における障壁は非常に下がりました。

—— なるほど、わかりやすい!一方で森川さんはリファラル採用の功労者でもありますから、ハコベルという組織に想いもありますよね。

 西濃運輸さんからも「良くも悪くもベンチャー気質は持っておいた方がいい」とよく言われることで、セイノーカラーに染まる必要はないとしてくれています。「ハコベルらしさ」、セイノー色にガッツリ染まらないことは、私はすごく意識しています。

 それと、自分がもともと配車グループ出身なので、ハコベルの営業職としては「配車グループの人たちに喜んでもらえるような仕事」を持ってこられるように、それをいつも目指しています。

 実はもともとが、配車サポートのみんなに喜んでもらえるような案件を取ってきたくて営業に移ったんです。自分が経験してつらかったことを「変えたい」と言うと少し大げさかもしれないんですが、自分がいた場所のみんなに喜んでもらえることが私は1番うれしいことなんです。
 みんながいい仕事だって喜んでくれて、「ありがとう」と言われるのがうれしいです。

 リファラル採用については私自身もリファラルで入社し、何人かをつないだ側でもあるのですが、この会社に入ってよかったと思うし、長く続けていきたいと思っています。一緒に働く人、会社の制度や仕組み、個人の働き方への理解だったりという働きやすさが圧倒的に良くて、隣の芝生が青く見えたことがないんですよ。

 青く見えたこともないし、辞めようと思ったこともない。仕事や働く環境って、人によって求めるものが違うと思うのですが、私にとっては求めるものがすべてハコベルに入っている。お金で買えない価値が詰まっているんですよね。

 また、上下関係がないこともとても気に入っています。なんというか、上から圧力をかけるような風土がまったくない。なにか考えを言ってみると、対等に考えてくれるというか、そこに階層はないんですよ。そこが一番やりやすくて私に合っているんです。







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