日本の景色を変えてしまうかもしれない白い花『トキワツユクサ』
こんにちは。ガーデンプランナーのhacoです。夕方の散歩の時に見かけたのが無数のこの可愛い白い花。トキワツユクサです。
しかし、散歩の達人の私としてはちょっとこの花を見て「まずいぞ」と思ったわけで、今日はそんなトキワツユクサのお話です。
トキワツユクサとは
草丈は20センチほどで、青いツユクサより少し先に咲き始めます。良く見かける青いツユクサは日本に古くから自生してて「万葉集」にも登場します。
因みに、ツユクサを漢字表記にすると「露草」が一般的。これは朝開いた花が昼には萎んでしまうこと。また青い色が瑞々しい朝露のようにも見えたことか、理由のようです。
花の時期は、梅雨明け頃。日陰や湿った場所に良く咲いていたりしますよね。
トキワツユクサは「帰化植物」です
「トキワツユクサ」と名前だけ聞くと、なんだか儚げで、しかも白く清楚なお花のようで、いかにも日本人が昔から好んで親しんでいた花のように見えるかもしれませんが、ちょっとまった!
この花が日本へやって来たのは昭和初期。当時、観賞用として日本へ持ち込まれました。そして、帰化した帰化植物なのです。
帰化植物といえば、セイタカアワダチソウが真っ先に思い浮かびます。そして、秋の花粉症の方を悩ませる「ブタクサ」もセイタカアワダチソウと同じ頃に入ってきた帰化植物です。
生態系被害防止外来種
帰化植物は、日本の気候に適していて、尚且つ繁殖力がある植物です。種で増えるものが殆どで、野原などでも気付かないうちに繁殖していってしまいます。
そういった植物が、日本の生態系に影響を及ぼしている。というのはニュースなどでも耳にしている方もいらっしゃるでしょう。
「生態系被害防止外来種リスト」というものが、環境省、農林水産省がら出ています。とても見やすいリストなので、小学校高学年以上おお子様であれば興味のある子は見せてあげると喜ぶかもしれませんよ。
このリストの重点対策外来種として、「ノハカタカラクサ」の名で記載されているのがこの「トキワツユクサ」なのです。
緊急対策対策外来種は、「積極的に駆除・防除の必要がある」という一番緊急性が高いゾーン。
その次の重点対策外来種は、「今後、対策の必要性が高いもの。」となっていますが、それってどうしたら良いの?と思って調べてみました。
危機感を持って見つめる自然
このトキワツユクサをお散歩で一番最初に見つけた時、なんとも言えない気持ちになりました。トキワツユクサが繁殖する前に、別の植物が生えていたのだと思うのです。
その植物の居場所だった場所を、トキワツユクサが占領してしまったんですね。
元いた植物たちは、どうしてしまったのでしょうね・・・
この白く可憐に見える花を、何も知らずに「綺麗だ。」という人がいるでしょう。
そして、もしかしたら、私の息子たちが大きくなった頃には、「この時期の野の花といえば「トキワツユクサ」だよね。」となる可能性があるのかもしれないと。
そしてその中で、淘汰されてしまう植物もいるかもしれないと。
かつて、ススキ野原だった場所が、セイタカアワダチソウに侵食されています。ススキの穂の美しかった風景も、今はすっかり黄色いセイタカアワダチソウの花の色の風景に変わってしまったのです。
今年、特にこの「トキワツユクサ」の咲いている場所をたくさん見かけます。いつも綺麗に草払をされている場所なので、もしかしたら昨年は、梅雨の始まりが早くて、そのタイミングがずれてしまったからかもしれません。
まとめーその植物を良く知ることは大切
以前「雑草という名の植物はない」と書きましたが、本当にその通りで、一つ一つの植物を良く知ること、良く調べることで、その植物をどう扱うべきかの判断をすることができます。
今日ご紹介した、「生態系被害防止外来種リスト」は、良くみてみると意外に皆さんがご存じの植物も含まれています。
もし、自宅のお庭の除草をする際に、この花、残そうかしら、捨てようかしら。と悩んだら、その植物の名前を調べてみてください。
もしもこのリストに載っている植物だった場合には、取り扱いにご注意くださいね。
さて、ちょっと怖いお話になってしまいましたが、今日はここまで。
今日も最後まで読んでくださり、ありがとうございました。