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説明不可。それだけ

洗濯機がそろそろ仕事を終えてくれそうなので、干すための気合を入れる。
仕事を片付け、夕飯もシャワーも済ませた。日常。

毎日、だいたい同じ人とコミュニケーションをとり、だいたい同じようなものを食べて、だいたい同じようなことを考えながら、だいたい同じような時間に寝る。

仕事の内容は毎日同じようで違う。灰皿の中で吸い殻は少しずつ山を作り、煙草の箱は寂しくなっていく。珈琲を飲む。PCを見ながら仕事を進める。発散させたいときにはノートを開き少し太めのペンで殴り書き。たまにおもしろい言葉を思いつき、iPhoneのメモに打ち込む。気づくと膨大な数のメモになっていて、おもしろい言葉はどこかに埋もれる。

シャンプーのあとにコンディショナーをつけると、日によって指通りが違う。寝るときに枕に頭を埋めると、日によって首の緊張感が違う。あぐらをかいていて足の感覚が麻痺してくるまでの時間も、タイピングをして文章が姿をあわらすまでの時間も、日によって違う。

テレビのリモコンを押したときの感触は毎日同じ。歯を磨くときに感じる面倒くささも、一日の終わりに潜り込む瞬間のベッドの心地良さも、目覚めが悪く起き上がるまでに1時間以上かかるのも、セブンイレブンのアイスコーヒーが美味しいのも、毎日同じ。

日常。つねひごろ、ふだん、いつも。説明を求められても説明できないもの。
同じであって違うもの。錯覚かもしれない何か。在る。そして無い。

それだけ。

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