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世界の里山② イギリス、スタニッジ


イギリスのフィールドってどんなイメージですか?

あまり山のイメージはないですよね。どちらかと言えば草原、丘、森でしょうか。

実際には、北ウェールズ、湖水地方、スコットランド高地などに、標高こそ高くないものの、ワイルドな山域があるんですが、イングランドの南半分は押し並べて平べったいんですよね。そんな平べったいイングランドで、日本の里山のような風景が見られる数少ないエリアの一つがピーク・デストリクトです。

「ピーク」と言うくらいだから顕著な「頂上」があると思いがちですが、そこそこの高低差こそあれ、あるのは丘と台地です。一応、国立公園ですが、公園内にも町村があり、人々が普通に生活しています。

大まかな場所は以下の通りです。シェフィールドとマンチェスターの間にあります。

今回紹介するのは、シェフィールドから車で30分くらいのところのある、ホープ・バレーにあるスタニッジ・エッジ(以下スタニッジ)という場所です。「山」という定義からは大きく外れますが、数キロにわたって続いている高さ10~15mくらいの崖です。崖の上と下、両方にトレイルがあり、週末などはハイキングを楽しむ人でかなり混み合います。

スタニッジの最寄りの集落はハザーセージという可愛い村になります。下の写真はhttps://letsgopeakdistrict.co.uk/listing/hathersage/から拝借しました。奥に見えるのがスタニッジです。村にはパブ、カフェ、アウトドアショップが数件あり、観光産業に力を入れているのがよくわかります。

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お薦めというか、便利なお店はOutside(https://www.outside.co.uk)です。村一番の規模のアウトドアショップで、ハイキングやキャンピングギアに加え、クライミングギアもかなり充実しています。2階にカフェが併設されており、廉価で朝ごはんもいただけます。

さて、スタニッジですが、ハザーセージから車で15分くらいでしょうか。メインの駐車場は以下の場所になります。

駐車場まで来れば、崖はもう目の前です。崖に向かってのびるトレイルを登っていきます。イギリスらしい(?)草原が広がっています。ただ、草原といっても、下地が沼のようになっているとろが多いので、歩くのには防水加工されたブーツやゴム長が重宝します。下の写真のように、飛び石が敷かれているところもあります。

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牧草地なので、所々で放飼されている羊の群れを見かけます。植生は、シダ、ワタスゲ、ヘザーなどがよく見られます。このヘザーという草は、夏の終わりに綺麗なピンク色の花をつけます。場所によっては、辺り一面ヘザーの花が咲き乱れ、なかなかの迫力です。生き物で特筆すべきはライチョウでしょうか。時々、茂みの奥の方から「ケタケタケタ」という特徴的な鳴き声が聞こえて来ます。

崖はグリットストーンと呼ばれる硬い砂岩でできています。クライミングが盛んで、週末になるとかなりの数のクライマーが詰めかけています。

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スタニッジの醍醐味は何と言っても夕焼けです。夕陽に照らされた草原と砂岩の崖は何とも言えない優しいオレンジ色に輝きます。もし行かれる機会があるなら、ぜひ夕刻まで!もちろん天気によりますが。

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最後に駐車場から振り返ったスタニッジをどうぞ。

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というわけで、2回目の投稿でいきなり「山」から大きく外れてしまいましたが、イギリスのフィールドの楽しむのにはちょうど良いスタニッジでした。


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