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「LEE30倍」はっち

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今ほどまだレトルトや冷凍食品が豊富でおいしくもなかった頃のこと。私がまだ小学生とか中学生くらいだったと思うが、初めてレトルトカレーがおいしいと思ったのが、グリコのLEEというカレーシリーズだった。ちょうど、バーモントカレーを卒業してゴールデンカレーが一番おいしい、と家族で意見が一致した頃のことである。母がパートにいった日の土日の昼は、レトルトカレーを温めるかカップラーメンにお湯を注ぐか冷凍のピラフを炒めるか、の3択だった。

初めてLEEを食べた時は、こんなにおいしいカレーがこんなに簡単に作れていいのだろうか、とびっくりした。おいしいごはんを食べるには手間と時間をかけなければならない、という常識がまかり通っていた時代でもあったので、レトルトでおいしいんだったらわざわざ一からカレーを作る必要なんかないじゃないか、と本気で思ったことを覚えている。

それから月日が経ち、料理が好きになり、日本のカレーとインドやパキスタンのカレーは全然違う代物だということにも気付き、レトルトカレーよりやっぱり自分で作ったカレーの方がおいしいな、と思ってレトルトから遠ざかっていたこの夏、ひさしぶりにLEEを買って食べた。しかも、せっかく食べるならと選んだ辛さは30倍。

おいしかった。

当時と味は違うのかもしれないが、LEEに求める辛さと濃厚さというものがきちんと残っていて、「あー、LEEってこういう味だったな、おいしいな、辛いけど」と汗をかきながら食べた。相方にも食べさせたら、噴き出す汗をそっちのけで「おいしい、辛い、おいしい」と食べていた。食べながらやっぱり「こんなにおいしいカレーがこんなに簡単に(以下略)」と思った。

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