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「オパール」 けっち

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Photo by Ioana Cristiana on Unsplash

インターネット上にたくさんあるBlogや、この記事を掲載しているNoteの書き手たちの記事を読んでいると、「いかにして成功するか」といった自己啓発の記事がものすごく人気があり、評価を受けていることがわかります。たしかに僕らが書いているような「やきいも」や「じゃがりこ」の駄文を読むよりも「私はどのようにしてTOEIC990点を取得したか」「本当は儲かる株の話」といった実利に直結した記事を読んだほうが「おトク」にまちがいありません。

僕もそのようなハウツー本が好きで、英語のハウツー記事などは毎日たくさん読んでいる人間なのですが、そうしてもう何十年も自己実現本を読んでいて気がついたのは、結局「成功(ここでいう成功の定義はだいたいお金持ちの意味)するために必要なこと」が運と努力と感性の3つくらいに集約されている。

では、運をよくするためには? 有効な努力をするには? など、「運」や「努力」にかんする記事も無限に書かれていて、それらを読むたびに「ホー、ナルホドー」と感心して忘れてしまってまた読むわけですが、ただ「感性」について書かれたハウツー本は読むと胃がいたくなります。それは、「感性」とは「金もちになりたい!ゼータクな暮らしをしたい!毎日高級品買いまくりたい!」とは正反対なものだからです。つまり、ハウツー本を読んで「てっとり早く金持ちになる方法教えろ!」的な意識を完全に捨てるところから感性を得る第一歩がはじまるわけです。

というわけで、自己啓発本大好き人間がぶちあたる壁、それは「自己実現本を読むのをやめて感性を磨かねば」というジレンマが待っているということです。

さて、オパール。石の輝きについて語るまえに、今回は自己実現本を読むことの積極的自己否定の話が占めてしまいました。僕が書きたかったのは、「宝石」のなかでダイヤモンドやルビー、エメラルドに比べれば地味なオパール。そのオパールの美を自分の体験と言葉で語るには僕には石とむきあった時間がたりません。宝石というより「鉱石」なオパールの美を愛でる「感性」は、「いかにして大金持ちになるか」といった心の持ち方では手に入りません。なぜなら大金持ちではなくとも、真面目に生活をしていればオパールは普通に買うことができるからです。妻がそうやってちょこちょこと日々の生活のなかで集めた石、そのなかでもオパールが今僕の手元にあるのですが、この美を本当に心から楽しめることができたら、「3年で1億円稼ぐ方法」なんて必要ないんじゃないか、と思います。今日もありがとうございます。

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