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「ビールのおとも」けっち

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Photo by Dave Weatherall on Unsplash

ときどき思うことなんですが、ビールというのは飲み物の世界でモテモテだなあということについて、ビールを飲みながら思うことがけっこうあります。以前、ビールについてブログに書いたとき、たしかオリオンビールをよく飲んでいると書いた記憶がありますが、そのときからもうすぐ1年たつんでしょうか。今僕のなかで、そんなに銘柄やビールブランドに対するこだわりがなくなってしまって、それがビールかビールではないか、くらいに曖昧なわけ方になってしまいました。というのも、この数ヶ月はワイン、日本酒、ハイボールをよく飲んでいまして、ワインは12本をネットで買い、日本酒は常時4合瓶を3本冷蔵庫にいれていて、ハイボールは安いウイスキーと炭酸があればすぐに飲めるということもあって、ビールから遠のいていたのです。

そして少し遠のいてみて思ったのが「ビールだったらなんでもいいな」ということでした。これはビールに愛情を注いでいる人に大変失礼な発言かもしれませんが、すごく手間暇かけてつくられた地ビールの深い味わいを欲しているとき、僕はその欲求をワインでみたせることができると気がついたのです。また、ちょっと酒とじっくり会話したい気持ちのとき、それはビールじゃなくて、冷酒のほうが合う。ガンガン飲みたいな! というときは、ハイボールで炭酸とウイスキーの割合を自分で調整したらいい。

そう考えるとビールの居場所が僕のなかから消えたような気がしていたわけです。でもある日、妻がベビースターが入ったもんじゃ焼きをつくりました。そのとき、僕はもういわゆるビールではなく「第3のお酒」(つまりビール風アルコール)を飲むことにしたんですが、これが本当においしかったんです。

なんだろうな、ビールとしての味わいがおいしい!というのではなく、ビールであればそれが本家ビールだろうがクラフトビールだろうが、発泡酒だろうが第3のビール風アルコールだろうが関係なく、全部まとめてビールとして、なんでもいいからすごくおいしい! という気持ちで「ベビースターもんじゃ焼き」とビール的なお酒を楽しくのんだのでした。

なんだか周りくどい表現がつづきましたが、わかりやすくいうと、もうオリオンビールやスーパードライにこだわる意味が僕にはまったくなくて、いわゆる第3のビールで十分満足。なぜなら、ビールはビール同士で単体で飲み比べをして「ホップが、、苦味が、、」と比較しながら飲むものではなくて、ビールというのは「おつまみ」と飲むもの。そういう認識が僕のなかで完成したからです。

ビール同士で飲み比べをするなら、僕は日本酒をチビチビと利き酒したり、ワインの飲み比べをするほうがいい。でも、もんじゃ焼きにあうのはビールだし、焼き肉にあうのもやっぱりビール。ポテトチップスにあうのも、餃子にあうのもビールだったんです。

そんなわけで、ビールのおとも、というより、「ビールはおとも」が僕の実感です。主役のようにみえていたビールは実は主役ではなく、引き立て役の名手だった。それも誰がみても主役だとまるわかりのステーキや天ぷらや高級寿司のおともではなく、誰がみても脇役にしかみえない駄菓子だったり、キャベツと粉と水をまぜてちょっとあまりものを加えて焼くだけの「やきもの」を主役にひきたてていく。そういう荒技ができるのがビールだ、ということに先日この年にしてようやく気づいたのでした。

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