見出し画像

依存される、は、依存させてる?

どうか今日は電話が鳴りませんように。
毎日びくびくしているのはもうイヤだ、解放されたい。

私は過去に高齢者を介護した経験がある。
そのことを知っている男性から、最近頻繁に電話がくるようになった。
自分が親の介護をする立場になり、初めてのことに困惑し、その鬱憤をぶつけてくる。

介護を経験した人にしか分からないことは沢山ある。
私の経験がお役に立てるなら嬉しい、と思い、丁寧に話しを聞いていた。
でも一応、「できること、できないこと」は言っておいた。

『本格的なアドバイスはできない。』
『私の体調はまだ完治していないので、電話に出られないこともある。』

しかし電話の回数を重ねるごとに、このふたつは無視され、彼はどんどん私に対して攻撃的になっていった。

「いったい僕はどうしたらいいんですか、決めてくださいよっ、葉羽さん決めて下さいよっ!!」
「体調が悪いって言うけど、発病からもう何年も経っているじゃないですか、(電話に出たくない口実だ!)」

もう私が壊れる、限界。
精神科の医師に助言を求めた。すると、

「ああ~ぁ、依存させちゃったな。」

えぇ~ん、そんな呆れたように言わないで、なにか解決策はないんですか~?

「最初が肝心なんだよ。」

ということは、もうダメじゃん。彼は私にどんどん攻撃的になってきているし、家に来るとか公園で会いたいとか言い出しているし。

「そりゃそうなるわな。こっちがいっぱいいっぱいになって突き放すような態度をとれば、向こうは裏切られたと感じる。」

またそんな諦め口調で、私泣くよ~。

「最初から距離を置くこと。だけど絶対に離れない。」

出たね結論、もうどっちも無理じゃん、私、絶対に離れたいし。

ーーー

ここで振り返り。
私の対応のどこがマズかったか。

『私の経験がお役に立てるなら嬉しい、と思い、丁寧に話しを聞いていた。』

この出発点がダメだったかもね。
『嬉しい』がダメだね、これじゃ自分のためだ、共依存にも繋がる。

しかもデジャブがある。
数年前にも他の人から、今回とまるっきり同じように依存されたことがあった。やはり男性だ。職場が一緒というだけの間柄。

あれも凄かったな~。
私が入院手術した翌日の夜遅くにも電話がかかってきて長話。
私が「昨日手術したばかりなの、もう消灯過ぎたし。」と言っても、「ふーん、それでさー・・」彼はまったくお構い無しに喋り続けた。
話しの内容は毎回同じ、生まれてこのかた30数年の不平不満。親が悪い、学校が悪い、会社が悪い・・そして俺は優秀だ。

毎回2時間ほど喋り続けて、その場ではすっきりするみたいだけど、また電話してきては同じ話をする。一字一句同じだ。
そして最後は必ず「俺はいつでも死ねるように準備してある。」のセリフ、しかもそれを意気揚々と言う。
そしてやはり私に対してどんどん攻撃的な発言をするようになっていった。

その時も医師の助言を求めた。

「家に来られたら絶対入れてはダメ、体調が悪いからとインターホンで断りなさい。電話は着信拒否にしなさい。」

さすがに着信拒否にするのは怖いな、と思ったけど、体調的にそうも言っていられなかった。

ーーー

結論、

ネットにもよく書かれているけど、依存される側の問題なのかな、やっぱ。
これから私が心しておくことは、

人のお役に立つということを自分の喜びにしない。
相手のことを自分のことのように考え過ぎて、一緒に苦しまない。
常に冷静さを忘れずに、ですかね。

私の精神科医師は診察中、ほぼ絶対と言っていいほど患者の顔を見ない。(相手にもよるらしいが。)
そういう医師は良くないと一般的には言われているが、とにかく見ない。
何故かと聞くと「患者の気持ちを吸い取りたくないから。」
自分が潰れてしまうから、ということだ。

しかし、患者に背中を向けているということは、腹をくくっているということ。あまりにも無防備な姿だと私はずっと感じていた。
他の精神科医は、机を挟んで医師と患者が向かい合うことが多いようだけど、私の医師はいつも患者のすぐ隣にいる。何かあったとしても逃げられない。
私が「先生、私にあんまりひどいことばかり言うから、背中をど突きたくなりますよ!」と言ったら、「八つ裂きにしてくれていい」と、かえってきた。

事実、患者に背中を刺されたことがあったそうだ。
「先生を殺して私も死ぬっ!」と。

そんな背中だ。

ーーー

あ~、今日は電話鳴らないで~~。



DOVA-SYNDROMEに私のフリー音楽素材があるから、よかったら使ってね。

AudiostockでWAVEの高音質バージョンを販売しています。


この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?