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児童虐待をテーマにする支援者の大半が、「大人」に興味がない

児童虐待をテーマにした支援者たちの偏好

児童虐待に関心が高い支援者(精神科医や心理師、社会福祉士やNPO法人などの支援者たち)の大半が、「子ども」にしか興味がなく、虐待を生き延びた「大人」の虐待サバイバーには無関心で、冷たいケースが多いと感じてきました。

中には、子どもの虐待児を支援しながらも、大人の虐待の後遺症(複雑性PTSDや、それに起因する解離性障害など)にも、とても詳しく直接支援をしている支援者もいますが、児童虐待をテーマに活動されている支援者の中では、非常に珍しく、大人になった虐待サバイバーにも、理解と優しさが非常にある支援者を見たことは、ほとんどありません。

大人も寂しいし、苦しんでいる

児童虐待がなくならない原因は?

児童虐待の元・被害者で、大人になって重度の虐待の後遺症(複雑性PTSD)に何年も苦しんでいても、「あなたは、もう、大人のくせに!」と言って傷付けたり、「まずは、子どもが優先!」と言い、大人になった児童虐待の元・被害者には、興味のカケラすらない支援者をたくさん見てきました。

そこが、大人の虐待サバイバーが、支援されずに放置されている原因の1つだと私は感じております。そして、その結果、児童虐待が再生産(虐待の連鎖)されたり、自殺や犯罪、貧困などの悲劇が起きていると思います。

そして、そうした悲劇は、大人の虐待サバイバーだけでなく、次世代の子どもたちも巻き込むものなのに、児童虐待に関心が高い支援者たちは、大人の虐待サバイバーには、無関心で、時には冷たい言動で傷付けることが、わりと多く発生しています。

動物愛護団体のように、感情論だけで、可愛い時代の「子ども」だけを支援したい人が多く、「大人」になれば、子どものような可愛さは無くなりますから、複雑性PTSDで苦しんでいる虐待サバイバーには、被害者であっても、冷たい態度を取る児童虐待の支援者が大半という実態があります。(注)動物愛護団体も、感情論と理論の両輪を備えたまともな団体もあり、一絡げにはしておりません。

児童虐待をテーマにする支援者は、社会的養護だけが好き

また、社会的養護の保護からもれて大人になった虐待サバイバーの支援のない悲惨さという課題があっても、社会的養護だけを支援したいという支援者の多さに、驚きます。保護からもれて児童養護施設にも入れない虐待児の方が多いし、社会的養護という国からの支援すら受けれなかった虐待児が、「ノーケア」のまま大人になれば、虐待の後遺症(複雑性PTSD)が重度になることは、ふつうに考えて当たり前のことです。

社会的養護という児童養護施設への支援は、厚労省による、とても手厚い支援が整ってきていますし、大人になっても、社会的養護の出身者をアフターケアをしているNPO法人や一般社団法人も、全国でもわりと多く、社会的養護の出身者は、支援者との繋がりが、成人しても、とても豊富、という実態が一般的です。保護されなかった虐待サバイバーの多くは、こうした支援が皆無に近い状態です。

虐待が酷くても、保護されないケースは多い

保護されなかった虐待サバイバーは、大人になっても孤立してしまい、悲劇が起きているケースが多い気がしています。そして、必ずしも、虐待が軽かったから保護されなかったわけではないのです。その証拠に、虐待死が今でも起きています

虐待が酷い子供からきちんと保護されているなら、虐待死は0件になるはずです。虐待が酷くても保護されない被害者も、とても多いという実態が、きちんと社会に知られていないことに問題が大きいと感じています。

私が知っている虐待サバイバーで、私と同じ年齢の人が、複雑性PTSDや、解離がとても酷く、ある日、ビルから飛び降り自殺してしまった事例があります(※個人情報になるので、少しストーリーを変えて書いていますが、伝えたい趣旨は変わりません)。生きていたら、今、39才です。彼女は、父親から、子ども時代、ずっと、レイプされて大人になった虐待サバイバーで、児童養護施設への保護からもれた被害者でした。

親からのレイプという性的虐待など、子どもは誰にも言えませんから、通常、児童養護施設へ保護されなくて、当たり前なんです。
でも、おそらく、最も、複雑性PTSDや、解離が重度で、自殺率が高いと、多くの虐待サバイバーと関わってきた経験から感じています。

大人は、子どもの未来の姿

子ども達も、いつか大人になります。大人が救われない社会とは、子どもの未来は幸せにならない社会ではないでしょうか?そして、児童養護施設など社会的養護に保護された僅かな子どもや、その出身者の大人たちだけ公的支援やNPOの支援が充実していくだけで、児童虐待の問題は、解決に至るでしょうか?

保護からもれる被害者の方が、圧倒的に多い....という実態から目を背けて、「分かりやすい僅かな被害者」という社会的養護の支援だけ拡充していくことに、疑問しかありません。(注)社会的養護の支援の充実化を否定しているわけではありません。保護からもれた被害者(専門用語で、潜在的児童虐待被害者)の存在を忘れたままでいいのでしょうか?という意味です。

※虐待の後遺症(複雑性PTSDや解離など)については、以下の書籍にまとめてあります。精神科医の和田秀樹先生との対談・監修付き。


虐待の被害当事者として、社会に虐待問題がなぜ起きるのか?また、大人になって虐待の後遺症(複雑性PTSD、解離性同一性障害、愛着障害など多数の精神障害)に苦しむ当事者が多い実態を世の中に啓発していきます!活動資金として、サポートして頂ければありがたいです!!