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すべてを話し、すべてを書く必要はなく。


今週も日記を書きました。
今週は、夫の観察日記のような日が多くなってしまいました。いつもよりちょっとながいです。

今週は、
海外にしか行く気のないキャリーケース
■家族も年々味が出ていく

すべてを話し、すべてを書く必要はなく
来るはずの連絡を待つのが苦手
推しの薬剤師さん
我が家にミュウツーがあらわれた!
2日連続のミュウツー
の7日間です!


■5月27日(土)海外にしか行く気のないキャリーケース

「うちのキャリーケースは、海外にしか行く気のないキャリーケースだから、近場の出張でも使えるようなちっちゃいのも欲しい」と夫が言い出した。たしかに。新婚旅行用に買ったものなので、人が入れそうなほどでかい。では買いに行こうと、かばん屋さんへ。1~2泊用と書かれた高くも安くもないキャリーケースを買った。ほぼ国内にしか行く気のないキャリーケースを手に入れて、これでもう国内外どこへだって行ける。


■5月28日(日)家族も年々味が出ていく
今、実家もなかなかたいへんな状況にあり、毎日グループラインで親、きょうだいと連絡を取っている。子どものころは素直に親に言えなかった言葉を言えるようになり、父と母もまた、昔よりもずっと心おだやかに見える。順風満帆なことばかりの家族ではなかったかもしれない。けれど、荒波もあったからこそ、年々家族の味が出てきている気がする。夜、テレビを見ていたら声がして、浴室に行ってみると夫が風呂に浸かっている。どうしたのかと聞くと、「今、噛んでるガムをどうしても出したいから、ティッシュを持ってきて欲しい」。なぜ、入る前に出さなかったのか。なぜ、風呂から出るまでがまんできないのか。ティッシュの運び屋になりながら頭をひねるがわからない。なんて不可解な生き物。不可解な生き物と、味のある家族になっていきたい。


■5月29日(月)すべてを話し、すべてを書く必要はなく
先週出張に行っていた夫に、「そういえば、出張先で何を食べたの?」と今さらの質問。回答は「麦ごはん!」。え…麦ごはん?健康を気にしてなのか、節約なのか、いつも家ご飯を食べているわたしへの遠慮なのか。せっかく出張に行ったのだから、その地なればこそのグルメとか、ちょっとごちそうとか食べればよかったのに。一瞬であれこれ考えて、写真を見せてもらったら、分厚い牛タンが真ん中にででんと鎮座した牛タン定食。あ…そうだよね、牛タンには麦飯がセットだよね…。夫は決して嘘をついていないのに、なんだろうこの詐欺にあった気分は。いやだがしかし。わたしだって、たとえばおでかけした日も、日記には夫のささいな言動だけを切り取って書いていたりする。すべてを話し、すべてを書く必要はないか。牛タンのことは言わない夫と、牛タンのような部分は書かないわたしの日記。

5月30日(火)来るはずの連絡を待つのが苦手
来るはずの連絡を待つという行為が昔からとても苦手だが、今日がその日だった。朝から落ち着かず、スーパーへ買い物に行く。コンソメスープを作り、肉じゃがを作り、時間がたたない。いつものように記事を書いて、いつものように洗濯物をたたみ、いつもはしない浴室のカビキラーをする。どっしりと座っていられない自分が情けない。

人生いいこともあればわるいこともあるというけれど、わるいことは明確にあるのに、いいことって輪郭がぼやけているものが多いからトリッキー。何もないことが実はとびきりのいいことで、しあわせは地味で無難で味わおうとしないと味がなかったりするから、油断できない。もうこれっぽっちも取りこぼしたくない。



■5月31日(水)推しの薬剤師さん
推しができた。アイドルでもアスリートでもなく、薬剤師さん!40代くらいに見える男性。不育症の関係で飲んでいる薬をこの薬剤師さんから受け取るようになって半年ほど。薬を受け取るだけなのに、毎度(すごい…)と思わせてくれる。質問したことに対して、わたしが何を不安に思っているかを察して的確に答えてくれる。何より薬の説明をしているときの顔がたのしそう。ああ、この人はきっと薬を愛しているのだ…プロ!どうか、この人にいいことがあってほしい。この人がすごい薬剤師さんであることが世の中に広く知られてほしい。この気持ちが、推しに対するそれと似ていることに、今日気づいた。だけど、わたしはきっと近々不育症を克服するので(言霊)、そうすればこの薬剤師さんにお世話になることもなくなるだろう。推しは推せるときに推せだなあ…具体的な推し活が思いつかないけど…と思いながら、コメダ珈琲でブランチをキメて帰る。


■6月1日(木)我が家にミュウツーがあらわれた!
国産の鶏肉がグラム98円で売られていて、これは夫が喜ぶぞとニマニマしながら800グラム分買う。ふだん、何を作っても同じ温度で「おいしい」と言う夫が、ほとんど唯一、その温度計を狂わせておいしいいいい!と叫ぶのが、鶏の照り焼き。案の定、わたしが鶏肉を焼き始めたのを見た夫は、「これは、もしかして!?」と、テンションをぶち上げる。皿に盛りつけて食卓に並べると、それはそれはうれしそう。ひと口食べて、「うん、原点にして頂点だ!これはミュウツーだ!」。我が家の食卓に、ミュウツーがあらわれた!

我が家の肉厚なミュウツー


■6月2日(金)2日連続のミュウツー
「これはミュウツー」その賛辞があまりにもうれしくて、今日も残りの鶏肉で照り焼きにすることにした。ふだん、同じものを二日連続で作ることはしないと決めているのに、そんな決意など簡単に揺らいでしまうほど、ミュウツーはわたしにとってパワーワードだった。わたしはミュウツーを生み出すことができる。その誇りを胸に、タレを作り、肉を焼き、盛り付ける。今日は何と言われるだろう。皿の上でつやつや輝くミュウツーを見た夫は、はしゃぐ様子でもなく「お?これは昨日の続き?」。昨日の続きって何だよ、もっと興奮してよ。ひと口、ふた口…無言の夫。思ってたんとちがう展開に、わたしは不機嫌な顔になる。それに気づいた夫「おいしい!これは、昨日よりおいしいかもしれないなあ」「昨日より?」「あ、今のは話を盛ってしまったかも。でもおいしいなあ」。なんだか動揺して話を盛りだすし、コメントに昨日のようなキレや感動がない。ミュウツーは伝説のポケモンなのだから、2日連続で現してはならなかったと反省。




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