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夫に忠告された話。


先日、夫はソファにだらんと横になって、テレビを見ながらこう言った。


「〇〇ちゃん(わたし)、かかった馬にならないようにね」


かかった、馬?かかったってなに?聞いたことのない言葉で、漢字も意味もわからなかった。

夫は「かかるはかかるだよ」と言って意味を教えてくれないのでググってみる。どうやら競馬用語で、漢字は掛かる。レース中に馬が興奮状態になったりすることにより、勝手にハイペースで前に出てしまって、騎手がコントロールできないような状態になっていることを指すらしい。かかった馬は無駄に体力を消耗しちゃうから、最後力を出し切れずに終わることが多いのだとか。

犬っぽいとか猫っぽいとか言われたことは人生で一度くらいあったかもしれないけど、馬に例えられたことはまことに初めてである。聞くと、夫は常々わたしを見て「かかってる馬みたい」と思っていたらしく、そしてまたそういうときは空回りして失敗しているということも感じていたらしい。さすが長い付き合い。

思い返せば、わたしはいつだってがんばり方が下手である。小2~高3まではスポーツに打ち込んでいたが、勝利に!貢献!したい!と思うあまり、家で自主練や走り込みをしすぎて大会前に体を痛め、本領を発揮できないことがしばしばあった。受験勉強のときも張り切り過ぎて休憩を忘れ、体の痛みをずっと我慢していたところ、結局センター試験2日前に椅子に座れなくなり、病院に駆け込む始末。

そしてまた最近、しばらくメンタルの状態が低迷していたところから元気を取り戻してきて、「がんばるぞ!」と鼻息荒く肩をぶんぶん回し始めたわたしを見て、夫は「また妻がかかってきてる!」と感じたらしく、このような忠告をしてきたのだった。がんばりたいことがあって、毎日できる限り進めているが、気持ちばかり焦ってすぐに息切れしたり弱気になったり。まだまだ序盤も序盤だっていうのに、この状態。ありがたい忠告だと思って受け止めることにした。納得しているわたしに、夫はこう続けた。

「俺は、かかった馬が勝ってるところ、今までほとんど見たことがないんだよ」


そうなんだね。は~今日はいいこと聞いたな。もっと自然体で、ペース配分を考えて、うまく力を出し続けることを考えていきたい。張り切り過ぎて空回りしてきた人生から、抜け出していきたい。競馬は見たことがないから知らなかったよ。ありがとう、夫。ん…。


競馬をやり込んでいるのか?

おわり

▼過去にはこんな助言ももらいました。


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