私生活

マーケティングとビジネスにまつわる人間のはなし

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最近の記事

文章鬼十則

はじめに文章は誰でも書ける。 しかし、誰でも書けるからこそ、逆説的に、その書き方に対して意識的になることは少ない。 ましてや「文章を学ぼう!」などと思ったことがあるひとはよっぽど少ないだろう。 かくいうぼくも長いあいだ文章を手グセで書いていた。 大学時代にFilmarksで映画の感想を書くことから始めて、はてなブログを経て、noteへ。 ブログを書いていくなかで自分なりの「方法論」と呼べるようなやり方も生まれた。 だから、人より文章を書くことに慣れている自負があったし、その

    • 原野守弘『ビジネスパーソンのためのクリエイティブ入門』を読んで :クリエイターの資質としての品の良さ

      まずはふたつの映像作品を見て欲しい。 森の木琴 OK Go - I Won't Let You Down - Official Video この両作品のクリエイティブディレクターを務めたのが、 表題にもある原野守弘、その人だ。 その原野守弘さんが(おそらく初めて?)本を出版された。 大学生の頃これらの作品を知りファンになっていたぼくは原野さんが本を出されることを知り、わざわざ青山ブックセンターに出向いてフライングゲットした。 そんな経緯でこの本を読んでいた折り、一番に

      • Zip保存のすゝめ

        20代も後半になり、社会人歴数年経ったりなんかすると、そろそろ後輩の育成とか考えなきゃいけない年齢になってきますよね。 ついこの間まで生まれたてほやほやの赤ちゃんだったのに… 最近、ぼくの職場のチームにも新たに1年目の子がはいってきまして、 その子と向き合っているときに急にびっくりしちゃったことがありました。 「ええ、たった数年前に同じ状況(1年目)だったのに、当時の自分の不安とか悩みとか、な~~~んも思い出せねえ…!!」って。 たった数年前にようやく物心がついたぼくみたいな

        • なぜ僕たちの優しさは食い違うのか

          たとえば、あなたに恋人がいたとして、 それでも他のだれかをとてつもなく好きになってしまったとする。 恋人はあなたの不貞を知らず、交際の継続を信じて疑っていない。 そのとき、あなたは一体どんな選択をする? 「好きなひとができたので別れたい」と伝えるのだろうか。 あるいは、もはや一番好きな相手ではなくなってしまったにも関わらずいまの恋人との交際を続けるのだろうか。 一体どちらがほんとうの優しさで、どちらが偽りの優しさなのだろう。 というかそもそも、「ほんとうの優しさ」などというも

        文章鬼十則

          雑誌について語るときに我々の語ること #女性誌研究

          先日『ビジネス視点で考える女性誌のイマ』というイベントに行ってきまして、人生で初めてVERYを熟読してきました。 これでようやくぼくもVERY妻のスタートラインに立てました。 「おうち外交(ご近所ママを自宅に招待しもてなす会)」「サスティナママ(地球環境=サスティナビリティに関心のあるママ)」等々のVERYワード、駆使していきたいと思います。 ところで実は、ただVERY妻になりたいがために参加したわけではなく、 ・社会の潮流・変化を読み解くための雑誌の読み方 ・デジタル社会

          雑誌について語るときに我々の語ること #女性誌研究

          Tinderは世界を救うのか?あるいはドナルド・トランプの誕生について

          ここ2年くらい考えている。 Tinderは世界を救うのか?ということについて。 この2年の思考の変遷について、簡潔に順を追って説明していきたい。 第一期 社会階層の通り抜けフープ はじまりはひとつの仮説だった。 高度に発達した出会い系は、社会階層やクラスタの異なる男女を結びつけ、価値観を拡張することが可能なのでは?という仮説だった。 たとえば官僚の男性が幼稚園の先生と出会ったり、アパレルで働く男性が女医さんと出会ったり。そうすることで、Tinderを使うまでほとんど出会うこ

          Tinderは世界を救うのか?あるいはドナルド・トランプの誕生について

          人生の教訓6選

          今日はぼくが25年生きてきて学んだ教訓を6つ紹介します。 25年間でたった6つしか学びがないの、悲しいですね。ぼくにはもうすこし学んでほしい。 さて、6つの学びは下記の通り。 これからひとつひとつ解説していきます。 1. 人生は複雑、というひとつのテーゼに集約されることはシンプル 2. 「嘘を重ねて真実に至る」とは「具体を重ねて普遍に至る」こと 3. 理解とは理性の問題、赦しとは感情と意志の問題 4. 再現性への固執と再現し得ない一回性への畏敬 5. 豊かさとは、選択肢が

          人生の教訓6選

          広告とPRの違いから考える「私とは何か」

          「私とは何か」 24歳の人間が語るには、少しナイーブすぎるテーマかもしれない。 社会人になって二年も経てば、仕事仕事仕事の日々の暮らしに忙殺され、「私っていったいなんなの?」なんて考えることは、まるで贅沢な悩みのように思える。 感性は摩耗し、哲学書は埃をかぶり、休日は好きだった映画を観る体力も残っていない。 だけど、悲観的なことばかりではない。 ぼくたちは、仕事という「社会と接続する言語」を得た。 ぼくたちは、「私」にまつわるものごとを社会との関係性のなかで語ることができるよ

          広告とPRの違いから考える「私とは何か」

          愛と呪い、あるいは生と死について

          “初恋の人“とは一種の呪いではないかしら、と思うことがある。 「小学生のときに好きになったカレをずっと忘れられなくて、いまでも彼に似ているひとを好きになっちゃうの!」 という人はさすがになかなかいないと思うけれど。 初恋、とまではいかなくとも“忘れられないひと”という相手がいることは、一種の呪い、自分自身に対する呪いのように思える。 忘れられないひとがいる。 そういってしまえばまるで青春小説の書き出しのような爽やかさを連想させるけれど、 そこには自らの行動を決定する内的規範と

          愛と呪い、あるいは生と死について

          満たされたぼくたちの欲望

          「いまの若者は消費しなくなった」 っていうけれど、それってホント?ってずっと思ってました。 「最近の若者は草食化し、酒も飲まず、車も買わず、女を抱かない。」 なんて、したり顔メディアでおじさんがしたり顔で語っていたりするけれど、 「いやいや、そんな聖職者みたいな人間、まわりに一人もいないですから!」って、ずっと思ってました。 ミレニアル世代と呼ばれるぼくらにだって、欲望はある。 お酒だって飲むし、好きな服を買いたいし、かわいい女の子とご飯にいくときは見え張っておごりたいし。

          満たされたぼくたちの欲望

          君の糠床を知りたい

          「もしさ、女の子と飲んでいるときに『実は私、家でお手製糠床育てているの…』って囁かれたら、即好きになっちゃうよね」 なんとも恐ろしい話である。 この「上京したての18歳童貞男子大学生」のものと思しき発言は、1か月まえ飲みの席でぼく自身が発した言葉なのである。たぶんIQが2。 世の中には“ギャップ”こそモテの源泉である、などという言説がある。 かのCanCamの調査でも約67%の男性が「異性のギャップにときめいたことがある」と回答している。 女性に至っては79%。 たしかに、

          君の糠床を知りたい