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【ネタバレ】アカデミー賞受賞作『パラサイト』は、“貧困層の逆襲物語”なんかじゃない。

アカデミー賞受賞で話題の映画『パラサイト 半地下の家族』、みなさんはもうご覧になりましたか?

この作品でメガホンを取ったポン・ジュノ監督は、2006年に公開された『グエムル-漢江の怪物-』が韓国の観客動員記録を更新(当時)するなど、以前からヒットメーカーとして知られていたが、じつは李明博政権(2008年〜2013年)、朴槿恵政権(2013年〜2017年)の下では、「文化芸術界のブラックリスト」に入れられていた。

「左傾向の映像制作で政府に対する不信感を注入」(李明博政権)、「市場経済を否定し、抵抗運動を煽る」(朴槿恵政権)というのがその理由だったようだが、どう考えても「表現の自由」の侵害であり、およそ先進国の採るべき政策とは思えない。日本からすると、首を傾げたくなるような点が多々ある現在の文在寅政権だが、意外にも国内における支持率は高い。ひょっとすると、国民の間に「過去の政権と比べれば……」という感情が作用しているのかもしれない。

さて、早速、映画の中身に入っていこうと思う。事前情報では、「貧困層の逆襲」がテーマだといったようなことを聞いていたが、蓋を開けてみると、とてもそうは思えなかった。前半だけを見ればそう捉えられなくもないが、最後まで見終わってみると、むしろ真逆の感想を抱いた。

ここからはネタバレも含んでしまうので、希望者のみお付き合いください。

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「乙武洋匡の七転び八起き」
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