「知ってます? 深夜のファミレスの話」 いつも仕事を依頼してくれる編集者の山岡さんとの打ち合わせを終えた後。いつものように小説談義に花を咲かせていたところ「そういえば・・・」と山岡さんは話を振ってきた。 作者が創造したキャラクターは、作者の好きにしていいのか、キャラクターも一人の自我を持つ人間として扱うべきじゃないのか、という問題について僕はもう少し語っていたかったが、その表情から、おそらく僕の好きなタイプの話であろうとピンときた。山岡さんはこうしてどこからか仕入れてきた
いや、お待たせしました。ちょっとお手洗いに行ってましてね。私なんかの話を聞くために、安くないお金を払ってきていただいたのに本当に申し訳ないです。しかしまあ、みなさんももの好きなんですね。普通、怪談なんて聞きに来ます? みなさん、友達とかいないでしょ? いや、失礼。そんなことないですよね。はいはい。で、まあ時間ももったいないんで、さっそくお話しましょうかね。 こういう仕事、仕事っていうんですかね。人前に出て、人から聞いた話とか自分で体験したことを話すだけっていう。スーツも着
<一流整形外科医が語る。美容整形がもたらす未来> 実に平凡な講演名だが、客入りは上々で評判も良かった。イベントの主催者と軽い打ち上げをやり、解散したが私は少し飲み足りず周囲をふらついていた。せっかく、出張で地方まで出てきたのだ、このままホテルに引っ込むのはもったいない。 やがて薄暗い路地裏を少し進んだところに一軒店を見つけた。 白く光る店名が書かれた看板、長らく使い込まれていたことがわかる色褪せた暖簾。 それでいて不思議と薄汚れた風には感じず、時間を重ねたこ
早々に月イチ小説投稿を断念しそうな予感しかしなくて、自己嫌悪しかない今日このごろ…。
時代錯誤も甚だしいが随分前にテレビか何かで、 街中で誰かと肩がぶつかった(ぶつけられた)ときにその場でカッとなるのが男性 あとから(例えば帰宅後など)で沸々とイライラするのが女性 というのを聞いたことがある。 やたらと型に分類したがる傾向は嫌いだが、これに則るのなら私は女性タイプだと思う。 遅れてくるのだ、感情が。 例えば、友人なんかと些細な諍いが起きたとき、その場は何となく飲まれてしまうのだが後になってーシャワーを浴びているときなどー「いや待てよ」となるだ。 「あのと
宇能鴻一郎の短編集「姫君を喰う話」。 どれもべらぼうに面白い。表題作はもちろん、鯨神も、西洋祈りの女、ズロース挽歌も別種の面白さがある。
取り返しのつかないことをしてしまった。 しかし、いつからやり直せばいいのか。 どこで誤ったのか。 彼女ー満島静華ーに出会ったのが、恋をしたのがいけなかったのだ。 ごくごくありふれた幸せを手に入れた、そう思ったのに。 隣では、私と同じように手足を縛られた彼女がいる。 彼女はもう考えるのをやめたのだろうか。 涙のあとが残りながらも美しい顔からは感情は読み取れない。 部屋の隅に無造作に置かれた携帯電話はメッセージや着信を示す光が点滅している。 どこにいるのか、何
「十角館の殺人」がまさかの実写化というニュースで朝から心がざわついている…。 それにしてもしばらく辞めていたHuluにまた入らなきゃいけないのか…。
今公開している「鬼太郎誕生 ゲゲゲの謎」は、ファンとしてもちろん色々と言いたいことはありますが、面白い作品であることは変わりがなくて、まさかの初週第2位と好成績なのもファンとしては嬉しいばかりです。
これはつい先日、友人から聞いた話です。彼は昔インターネット関連の営業をしていて、よく個人宅へ訪問していたんですね。 世の中には本当にいろんな人がいて「警察呼ぶぞ!」なんていきなり怒鳴られたり、営業するつもりが逆に宗教へ勧誘されたり、好きな本の話をしたらお客さんも同じ趣味で携帯番号をしつこく聞かれたり、老人の一人暮らしで2時間以上世間話に付き合わされたりとか…。 まあ、彼はそんな感じで相手のペースに巻き込まれやすい性質だったので、今は営業を辞めて学生時代から夢だったデザイ
25日未明、H県N郡N町にある××橋近くで、男性の遺体が発見された。亡くなったのは宮島守(45)さん。警察によると遺体には不審な点が多く、事件と事故の両面で調査を…… 毎朝新聞 8月26日朝刊より抜粋 *** ーお前は、橋の下に捨てられてたんだ。 おばあちゃんはそう言って、黄色い歯を見せながらにやりと笑う。 臭い。お年寄りってどうしてこんなにおいがするんだろう。 病院に行ったときにも同じようなにおいを嗅いだことがある
今日の夜、久しぶりのショートショート投稿予定です。久しぶりに書いたらやっぱり楽しさがあり、何とか2週間に1回くらいは書きたいな、と思いました。
noteをはじめてみて すっかり怠けていた「小説書き」をはじめるという名目で、noteをはじめたのが2023年3月(初投稿が同月の13日)。 意味もなくうんうん唸ったり、あーでもないこーでもないと頭を抱えながらアイデアをこねくり回したり、最終的には「もうこれでいいや! 知らない!」と妥協(というか自分の限界な気がする)したりなどしながら、約5カ月間で、10作品のショートショートを書いてきました。 サクッと読めるショートショートを…といいつつ、大体が7,000字近
「鵼の碑」購入! 買うときにここまで胸が高鳴っているのはいつぶりか…(割とある気もするが…) 無料の手提げなしの紙袋に入れてもらって、さながら焼きたての食パンかのように大事に抱えて帰宅。 ちなみに一軒目がまさかの売り切れで本屋をハシゴするハメに…。
ストレスは体のいろいろなところに影響を及ぼす。眠れなくなったり、髪が抜けたり、胃の調子が悪くなったり、逆に馬鹿みたいに食欲が旺盛になったりする。 これは友人から聞いた話である。仮にAくんとしておこう。 Aくんが友達のBくんと居酒屋で飲んでいたとき、Bくんがある悩みを打ち明けた。 「眼鏡がどこかにいくんだよ」とBくんは揃った料理に手を付けずこぼした。 「どこかにいくって、失くすってことかい?」 「そう」 言われてみればBくんは、前に会ったときとは違う真新しい眼鏡をして
本業が忙しく、インプット期間も兼ねて少しだけ更新が滞ると思われます。 (といいつつ、次回作は構想中です)。