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イギリスの郵便局事情

クリスマスカード

あと4日でクリスマス。
2,3日前から重い腰を上げて、クリスマスカードを書き始めました。年賀状もそうでした。書き始めたら楽しくなってくるのに、なぜか始めるのに時間がかかります。

腰が重いと言えば、私よりもっと腰の重い人を知っています。

私の主人です。

彼は筆まめではないのですが、書くとなると、手書きでカードの白い部分が見えないほどの長いメッセージを一人一人に書きます。料理をしない主人は、クリスマスホリデー期間中は特にすることもないので、私が忙しく料理をしている間、ワインを片手に、クリスマスの音楽をかけながらカードを書きます。そしてそのカードを投函するのがクリスマスが終わった後、と言うのが習慣になっています。

日本の年賀状も同じかと思いますが、40代ぐらいまでの若い世代の人たちの間では、もうクリスマスカードを送らないという人が年々増えています。

Facebook上でも私の知り合いたちは「今年からカードを送りません。カードにかかるはずだったお金をチャリティーに寄付します。」というメッセージを投稿していて、その数は年々増えています。

ガラガラの郵便局

コロナ前に郵便局に行ったとき、郵便局の入り口から隣の建物の端まで行列が続いていて、私はそれを見てため息をついたことを覚えています。ところが、昨日私が郵便局の中に入ってみると、行列に3人しか並んでいませんでした。

今はオンラインでクリスマスプレゼントを購入して、それを購入先から直接送りたい相手に送る人も増えているようなので、郵便局に足を運ぶ必要がないのでしょう。そもそもプレゼント交換は、『大人同士はもう交換しないようにしよう』という人たちが年々増えています。私もコロナ前は友達ともプレゼント交換をしていましたが、今ではプレゼントを買うのは、クリスマスを一緒に過ごす主人の妹の家族と自分の家族だけです。

減少し続ける国民の郵便局への期待と信頼

友達の旦那さんのロバートさんは、地元郵便局の配達員として働いています。お仕事中(配達)のロバートさんとバッタリ道で会う時に、彼の勤めている郵便局の内情を面白おかしく教えてくれるのですが、コロナ以来、病欠を理由に休む人が増え、季節によっては、人員不足で配達に大幅な遅延が起こっているそうで、地域によっては週に一度しか郵便を届けることができてないところもあるそうです。これはロバートさんがこっそりと教えてくれた秘話ではなく、全国で同じような状況にあるようです。コロナでの欠勤であればもちろん仕方がありませんが、コロナ禍の経験を踏まえ、人手不足が起こった場合のバックアッププランも確立させてないと言う姿勢に国民は落胆しているのだと思います。国民の郵便局への信頼は、年々、目に見える形で減少しています。

娘のお友達のお父さんが違う町の郵便局で配達をしているそうですが、人手不足がその郵便局でも続いているそうで、ボスが「カードはどうでもいい、小荷物だけなるべく多く配達しろ!」と叫んで配達員に指示しているそうです。『クリスマスプレゼントだけは届けてあげたい!』という郵便局の優しさとは受け止めにくいものがあります。

郵便局の存在理由が問われる時代

郵便局への信頼が減っているとは言え、イギリスのカード文化の伝統はいまでも続いています。誕生日、子供の出産、誰かが亡くなった時などにはカードを送ります。日本で香典をだしたり、お祝い金を送ると同じかそれ以上に、まずカードで相手に気持ちを伝えることが喜ばれます。ただ、娘の時代より若い世代になっても、その文化が継承されていくかどうかは疑問ですが。

カード文化が継続していっても、イギリスでは、切手はスーパーで買えちゃうんですよね。郵便局に行く必要はないんです。ポストがスーパーにあるところも多いです。

イギリスでは、英国のパスポートの更新や運転免許の手続きを郵便局で行いますが、どんどんオンライン申請が進んできているので、パスポートや運転免許書もスマートフォンに情報を入れることができる時代になる日も遠くないでしょう。そうなったら、郵便局に行く理由がなくなりますよね。

今では、市内で一番大きい郵便局の窓口に2人しかスタッフがいません。窓口が10個ぐらいあって、それでも行列している人が局内にあふれていた時代が、今では嘘のようです。

郵便局がなくなるということは、さすがにあり得ないかと思いますが、さらなる事業規模・雇用の縮小は避けられないだろうな、とクリスマスにすかすかの郵便局を見て思いました。

今日にはクリスマスカードを書き終えないと。Noteの日記を書いている場合じゃないのに、なぜかパソコンを開いてしまいます…。

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