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国籍選択の期限

最近、YouTubeのある討論スタイルの番組を見て『二重国籍』について考えました。

私はイギリス人と結婚し、自身の国籍は日本国籍をそのまま持っておりますが、17歳になる娘は現在、イギリスと日本の二重国籍を持っています。

YouTubeの番組の中で紹介された一般の方が二重国籍がよくないと思う理由を聞いて、やはり当事者でない方たちと意見を合わせていくことは難しいと思いました。それは仕方がないことだと思います。二重国籍反対の意見をお持ちの方に、二重国籍が私や娘にとってとても大きな意味をもつことだということは理解していただくことは不可能だと思いますし、何事においても意見が二分するということは、反対意見の方々の意見も尊重すべきだと思っておりますし、それはいたしかたないことだと思っています。

二重国籍を保持が認められる、認められないということが今すぐに変化がみられるような単純な事項ではないのは十分理解していますが、私は法務省のウェブサイトを見て、正直、目を疑うような衝撃をうけました。

娘がもうすぐイギリスで言う成人、18歳を目の前にして思います。娘は年齢は成人だけれど、まだまだ「大人になる準備段階」にいると。

18歳になったらできることも増える一方、もちろん成人としての責任を求められます。そして、18歳なんだから自分の意見を持って、自分の目指す道を歩むべきと「18歳になった」というだけで、急に大人の意志・覚悟を求められます。でも、娘の話を聞いても、日本の友達の大学生になったお子さんたちと話した時も思いますが、人生こうあるべき、こうしたいという固い意志というものを未だに持てない18歳前後の若者がいます。恐らくそういう若者は多いのではないのでしょうか。まだ18歳、19歳、人生を自分の足で立って模索し始めた年なのだと思います。それが18歳。それでいいのだと思います。

二重国籍の善し悪しより、いつ決めるかのタイミングの問題

二重国籍が良い悪いという論点より、何歳で選択すべきか、選択できるかと言う問題が大きな問題だと考えていました。じゃ、何歳が選択するのに適年齢なんだ?という意見もあるかと思いますが、日本の成人の年20歳は、その大きな決断をするには若すぎるのではないかとずっと思っていました。それは結婚する前から。なぜなら20歳と言えば、私自身も自分の人生の行先など何も考えられずに学生生活をのんきに送っていたからです。

私の意見とは真逆な法の改定

今朝、法務省のウェブサイトで選択の期限についてどのような表記になっているのか確認したところ、私はびっくりして、文字通り開いた口をなかなか閉じることができませんでした。二重国籍を認めるよう裁判まで行われ、二重国籍について検討が必要かという流れになるか?というかすかな動きがみられつつある中、20歳ではまだ若すぎるという私の意見と全く逆を行く方に国は動いていました。2022年に・・・

国籍の選択をすべき期限は,次のとおりです。

(1) 20歳に達する以前に重国籍となった場合→22歳に達するまで
(2) 20歳に達した後に重国籍となった場合→重国籍となった時から2年以内 (2022年 3月31日まで)

令和4年(2022年)4月1日に,国籍の選択をすべき期限が変更されます。

成年年齢の引き下げ等を内容とする「民法の一部を改正する法律」の成立を受け,国籍法についても改正が行われました。国籍の選択をすべき期限については次のとおり変更され,令和4年(2022年)4月1日に施行されます。

・18歳に達する以前に重国籍となった場合→20歳に達するまで
・18歳に達した後に重国籍となった場合→重国籍となった時から2年以内

日本政府は20~22歳に決めてくださいという法律を、2022年に18~20歳に選択し宣言するように改訂していました。そうです、選択期限の年齢を2歳も下げたのです。もちろん理由に関しては何も記載がありません。

驚きに書く言葉も見つからなくなり、書く気力も失いました。

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