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NO.2の育て方㊵諸葛孔明に学ぶ部下との信頼関係の築き方

三国志において最も人気のある人物と言えば、やはり諸葛孔明(以下、孔明)でしょう。今回は孔明のエピソードを題材に、部下との信頼関係の築き方についてお伝えしたいと思います。

■三顧の礼で軍師として迎え入れられた孔明だが

軍師を欲していた劉備が三度足を運んでやっと孔明との対面が叶い、軍師として迎え入れた三顧の礼は有名な話なので、ご存知の方は多いでしょう。

当時すでに劉備の元には、関羽、張飛という「生まれた日は違っても、死ぬ日は一緒だ」という固く誓い合った猛将の仲間がいました。

優秀な軍師を得ることができた劉備はいたく喜んでいますが、関羽と張飛にしてみれば軍師としての力量もわからない人間の存在など面白くないと感じていた訳です。

ちょうどその頃、まだまだ弱小勢力でしかなかった劉備の存在を警戒していた魏から夏侯惇という武将が10万の兵をもって劉備軍に攻め入ってきました。(博望坡の戦い)

この戦いが孔明が軍師として指揮を取る初陣となるのですが、孔明を快く思っていない関羽と張飛はお手並み拝見とばかりにここでも冷ややかな態度を取ります。

孔明の取った作戦は火攻めというもので、敵軍を火で襲撃するものでした。趙雲に陽動を、関羽と張飛それぞれには敵軍が通るであろう隊道の脇に身を潜めて、味方が火を放ったらそれを合図に敵軍に攻め入るように指示を出しました。

関羽は「それで軍師殿はどうされるおつもりか」とここでも孔明に意地悪な質問をし、孔明は「私は城を守っている」と答えました。

それを聞いた張飛は「自分たちが戦場で命がけで戦っている時に結構なご身分だと」嘲ります。

そこで孔明が取った行動は、劉備から借り受けた剣と印綬をかざして、「命令が聞けないのであれば斬る」と毅然とした態度で接することでした。(トップから剣と印綬を借り受けるということは、全ての軍権を任されており、トップからの命令と同じであることの証拠です。)

これには関羽と張飛もしぶしぶ作戦指示を受け入れざるを得なかったのですが、それでも孔明に対して信用などしていませんでした。

結果として、この作戦はまんまと的中し、秋に吹く強い風の助けもあり、放った火は瞬く間に敵を飲み込み、3000あまりの劉備軍が10万の敵軍を敗走させることができました。

関羽と張飛もこの戦果を得て、孔明の実力を認めざるを得ず孔明に平伏することにしました。以来、孔明の軍師としての立場は確立し、二人も素直に作戦に従うようになったそうです。

■孔明の初陣にみるリーダーとしての学び

実力は未知数という状態で、組織を動かそうとしても「誰がお前なんかの指示に従うものか」という抵抗をされることは現代でも珍しくありません。

孔明は軍師に取り立てられた直後の初陣で結果を出し、皆を納得させたのですが、その過程はリーダーとして学ぶ点は非常に多いです。

【情報収集と優れた戦術、洞察力と命令】
そもそも孔明は作戦を緻密に練り上げています。戦場の地形、敵陣の配置、味方の戦力、火攻めに適した秋の強い風が吹くことなどのあらゆる情報を集めたうえで戦術を決定し、戦に臨んでいます。

いくら関羽や張飛といった屈強の猛将であろうと、やみくもに戦いを挑めば3000人対10万人の戦いです。孔明の戦術がなければ勝てるはずもない戦いでした。

また、孔明は敵軍の大将である夏侯惇の心理をも見抜いていました。すでに100万の軍を持つ魏の曹操の元で将軍として実績のある夏侯惇でしたから、弱小勢力の若造軍師に過ぎないと侮るだろうことも孔明のなかでは計算済みのことでした。

狭い戦場では火攻めに警戒することは当時の兵法でも常識でしたが、自軍を侮っている敵は油断して計略にまんまとはまるだろうと想定していた訳です。

そして、孔明は関羽と張飛が自分の命令を守らないことはわかっていたので、あらかじめ劉備に剣と印綬を貸して欲しいと依頼しています。

なにからなにまで用意周到に準備されていたのです。

初陣という難しい場面ではありましたが、孔明は見事に自軍を勝利に導き、一挙に信頼を得ることに成功します。

リーダーとして部下に信頼されたければ、部下に成功体験をさせることが重要とよく言われます。

成功体験をさせるためにリーダーが緻密に計画を練り、部下が自らの手によって成功を得てもらうための支援を陰ながら行う。

成果を自分の手柄としてドヤ顔しているリーダーでは人はついてきません。

大日本帝国時代の海軍大将であった山本五十六の名言にもあります。
「やって見せ、言って聞かせて、させてみて、誉めてやらねば人は動かじ」

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