差違

今夜はたくさん星が落ちてくるからってふたりで青山のイルミネーションをこの世から断絶した
暗闇は男も女もわからなくなる
最初から何も見えないまま出会えばよかったんだって、眼球ごとすり潰して、醜いほど美しい曲線を持つきみの横顔、隣合わせ香りだけ嗅ぐ犬のような
あなたは友達だからって
いつかきみが話してくれた
きみは男の人と手を繋いでいて
笑うと、きらきらきらきらきらきらきらきら
男の人はみな一様に
顔の造形とか胸の張りや背後の尻の曲線肌の柔さそれだけを値踏みしてくるのに
きみは漏れた吐息の色を探ろうと言葉を投げかけて手の中に星が落ちてきたような幸福を散らばったわたしに投げかけた
何も言えずに
かんたんなこと
幸福なこと
わたしの頭はなにもおかしくないし
きみは異質ではないということ
世の中が少しだけ生きやすくなったねって含み声、きみは手を繋いでいた瞬間の火照りを頬に灯して流れ星みたいに燃え続ける炎、精霊みたいだねってわたしは手を繋げない。眼球のない空洞に双子座流星を詰め込んだ、わたしは遠くできみの精神的な片割れになる、そんな望みだけ身体に息吹かせて

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