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#詩のようなもの

無感覚なままで生きているんです。心躍る出来事のない生活というものがこんなにも単調でこんなにも平和的でそしてこんなにも穏やかなことを知りませんでした。わたしは、
声が出ているんでしょうか。
仕事はどうですか、と聞かれるたびにどう答えて良いのかわからずに笑う癖をお辞めなさいと、言ってあげたかった。泣くのを、堪えたまま、笑うのは、情けのない、気持ちになります。岩石みたいなチョコレートケーキで誤魔化して、

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囀り

ありあわせの嘘でしか運命を語れない
朽ち果てたからだ 精神が浮かんで見ている
最後に。って、話す校長の挨拶は長かった
愛してる。って、泣いたはずのあなたは存在しない人だった

暗がりで服を脱いで 眼を閉じて
耳をふさいで
こころを殺して
さぁ、一息。深呼吸で消えるわたし

死にたかったわけじゃない 消えたかったんです

理科の実験、水中に消えたアンモニアの気体のように
かげもかたちもかおりも

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秋の瀬

夕暮れの鱗雲を眺め
綺麗 と 呟く
と 同時に
死にたい と 呟く
こころが
どこにあるのか
死にたいと言いながらも
わたしは
物を食べ
水を飲み
排泄をし
ひとを好きになろうとし
愛そうとし
触れようと
夜を泳ぐ
こころがどこにあるのか
わたしは
死にたい と 溢れ落ち
崩れた
言葉のかけらから
生きたい と 同等の重さを拾い集める
手のひらから
指の隙間から
輝かんとするそれらを
もう一度口に

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