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中学生女子のキャリコンで心を動かされた「そりゃそうだ」な出来事

先日、中学生女子のキャリコンを行った。
学生のキャリア相談を、某所より依頼されることがしばしばあり、単発で大学生・高校生・中学生に行っている。
今回は、中学生女子。

詳細は避けるし、本件については、本人と保護者に念のため同意をとって載せる内容。

相談の中で、本人が素の自分を出すことが苦手だ、という話が合った。
自分を出したい、と思うとき、どんな気持ちになっているのか、とうかがうと、こんな話が出た。

「たくさん、調べました。どうしたらいいのか。そしたら、どんな動画を見てもサイトを見てもみんないうことは一緒なんです」
「というと?」
自分がどう思われるか関係なしに、自分の素をさらけ出すと人見知りはなおっていく。今のままが嫌なら、怖がるのをやめて、まず飛び出してみて」

たしかに、この手の話はよく聞くな、と思っていると、続けて…

できるわけないじゃん。
人見知りって最初だから自分の素をさらけ出せないじゃん。
相手にどう思われても気にしないという精神で行きなさい!
とか言って、
嫌われたくなくてこっちはやってんのにさ。
嫌われてもいいっていってどうしたらいいかわかんないじゃん」

直球w

ハッとした。
私のところに相談に来る起業希望の方々によく聞く話に似ていた。

「自分の素をさらけ出して」のような話は、大人の世界でも自己啓発セミナーでよく聞く話。で、大人は割とこの手の話に
「そっかぁ、そうだよな、うん、このままじゃだめだ!」
と素直に受け取る。
一方、この中学女子は
「いや、できないよね、怖いから困っているんだよ」
と自分事にする。

大人はこれまでの経験と、なりたい将来があるので、ある程度自分に、これは良い意味で、都合よく解釈をして「進めるかもしれない」と考え、この発信者を信じながら足を踏み出すことがある。
それは時に、「自分は確かにできる」と思い込む正常性バイアスの場合もあるし、「あの経験から考えてもそうだよな」と思い込む確証バイアスの場合もある。
結果、成功する人が一定数いる中で、高額でお金を払っても実際にやろうとしたら、思ったようにできずに、今度は同じ流れで、次のステップの商品や別の高額商品を購入する、そんな人も多い。

大人は特に、これまでの人生経験やなりたい将来像を持っていればいるほど、色々な形で楽観的にとらえようとするバイアスが働きやすい。

一方で、今回の中学生女子の場合は、ちがう。過去の経験も多くなく、なりたい将来よりも今目の前の課題に取り組むことが多いので、「いま、どうにかしたい」と考える。
だから、自分に正直になり、安易に受け入れず、それは時に億秒にもなるし、時に自暴自棄にも映る蛮勇を生む。

あくまで、これらは、傾向の一つであり、全世界に当てはまることではないが、こうした傾向はある。

果たして、正しいのはどちらだろう、と考えても、この問題は無駄。

ただ私の心には、安易に自分の中の経験や将来への想いで、外部の有識者と言われる人のもっともらしい意見を素直に受け入れず、しっかりと自分と周囲の関係を理解したうえで…
「いや、無理でしょ」
と、今に心と体を根ざして意見を言えている。

この「今、ここにいる」ということを体現している「素直さ」に、とても心を動かされた。

「え?自分を出せない?出さなきゃ何も変わらないよ、そのままでいいの?
さぁ、一度でいいから、勇気を振り絞って出してごらん!」

「いや、それが怖くてできないんだから、むりでしょ」

ここで「怖さのもとになっている壁はなんだろう」「それが取り外せたらどんな将来が待っているのか」「怖いのに解消できない行動の阻害要因は?」そんなかかわりはいくらでもできるけれど、本人はそんなこと求めていない。まずは共感的理解で寄り添った。
以下は心の声。

そりゃそうだ。

苦しんで悩んで自分なりに精いっぱい努力して、結果として出てきた「むりでしょ」のシンプルな一言に、心を動かされた。

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今回も、最後までご覧いただきまして、ありがとうございました。
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